日本共産党長野県会議員団

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議会質問

「社会保障施策の抜本的な見直しを求める意見書(案)」提案説明

 6月県議会本会議において県議団提案の「社会保障施策の抜本的な見直しを求める意見書(案)」の審議がおこなわれ、意見書案は賛成少数により否決されました。審議においては、高村議員が提案説明をおこないました。

高村議員

 議第5号「社会保障施策の抜本的見直しを求める意見書案」の提案説明をさせていただきます。

 政府は医療法や介護保険法に関わる重要19法案を一括法案とした「地域医療・介護総合確保推進法案」を国会に提出し、最終盤の6月18日、参議院において与党自民党、公明党の賛成によって可決され、成立しました。

 審議の中で、介護サービス利用料2割負担を求める所得階層の論拠が間違っていたことを指摘され、国会は紛糾し、厚生労働大臣が撤回・謝罪するなど、法案の土台が成り立たないままの法案を成立させました。医療・介護に関わる重要19法案の実質審議はたったの39時間で、1法案約2時間程度であります。医療・介護現場や国民各界からの現実を見ない乱暴な法案の内容に対する不安や疑問など、切実な声を事実上無視しての強行採決と言わざるを得ません。

 介護では、要支援者への訪問・通所介護を保険給付から外し、市町村の地域支援事業に置き換え、介護保険からの給付費を抑制します。全国では要支援者は160万人、長野県では約2万2千人の皆さんが介護保険の枠外に追いやられることになり、サービスの提供を資格や体制が担保されないNPOやボランティアに置き換え、介護サービスを質量ともに低下させる安上りの介護と言われる内容です。

 社会保障推進協議会が実施したアンケートに、移行可能と答えた自治体はたったの17.5%であり、市町村格差が拡大するとして異議を唱える意見書を可決した自治体は200を超えています。

 また、現在全国に52万人の特別養護老人ホームの待機者の皆さんがおられますが、施設の増設ではなく、入所条件を介護度3以上へとハードルを上げることを決めました。全国待機者の内17万8千人は要介護1、2です。長野県では約5千人の皆さんが特養入所を待っておられますが、その内の3分の1の方々が特養入所の対象か外されることになります。これらの方々は今後は待機者にもなれなくなります。入所の権利を奪いながら、それに代わる計画は一切示されていません。

 政府が示したのは、低所得者には利用できない有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅を民間任せで作る計画です。認知症の方々に対するケアはいっそう深刻な社会問題となりましょう。「介護難民」や「老人漂流社会」など深刻な事態にならざるを得ません。本来の介護保険制度の根幹を崩すものであります。

 医療では、現在も患者さんの追い出しが社会問題になっていますが、さらなる診療報酬の改定と合わせて、看護体制が一番手厚い救急ベッドを今後2年間で9万床も大幅削減する仕組みがもり込まれました。このような大幅なベッド削減を具体化する「病床再編計画」策定を都道府県知事に義務づけ、各病院に病床の再編・縮小を求めます。従わない場合は各種補助金や融資対象から外すなど、ペナルティまで課して、病院から在宅へと患者を押し出していくことになります。

 独居老人や老老介護世帯の比率が高まっていく中で、医療と介護から引き離されたら深刻な事態になることは誰にでも予測がつきます。県政としても県民としてもつらい制度の強要です。

 法案は、医療も介護もいっそうの自己負担を求める内容ですが、厚生労働省の「年金基礎調査」によれば、年金受給者の48%は年金額100万円以下の困窮される皆さんであります。

 4月から消費税8%に増額されましたが、約束の社会保障の充実には回されず、年金はさらに削減され、この法案の成立によって医療・介護サービスを削減し、保険料や利用料の負担は増やすことが実行されます。ご本人と家族、更には医療・介護に関わる多くの人々にさらなる困難をもたらし、日本の医療と介護の危機をいっそう深刻にすることでしょう。

 消費税を増やして、社会保障を悪くする方向を進めることは許されないと思います。

 現実を見ない改革内容であり、根拠を失った法案を成立させ、いっそう国民を苦しめるものとなる「地域医療介護総合確保推進法」は撤回を求めたいと思います。現実を直視した上で、憲法25条の精神に沿った抜本的な社会保障制度への改革を強く国に求めようではありませんか。

 長野県議会の議場の皆様のご賛同を心からお願い致しまして、提案説明とさせていただきます。

社会保障施策の抜本的な見直しを求める意見書(案) 否決

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