日本共産党長野県会議員団

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議会質問

2014年6月定例会 和田あき子議員一般質問と答弁

  1. 農業に関連して(TPPなど)
  2. 長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例について
  3. パーソナル・サポート事業について
  4. 生活保護基準の切り下げの問題や影響について

1.農業に関連して(TPPなど)

【和田議員】
 農業に関連してお聞きします。TPP交渉について、オバマ大統領は、11月大筋合意し年内に妥結という日程に言及し、あからさまに日本政府に妥協を迫っており、安倍総理は、TPPは「確固たる日本の進路だ」「TPPに大きな期待を託している」と早期妥結へ決意を示すなかで、日本政府としては、来月上旬の首席交渉官会合で早期妥結に向けた道筋をつけるためには、難航する農産物の関税交渉を決着に近付ける必要があるとしており、首席交渉官会合を前に、アメリカなど各国との間で2国間協議を加速させています。政府が「聖域」とした農産物重要5品目の関税引き下げなど譲歩に譲歩を重ねていることは明らかです。
 豚肉は差額関税の大幅削減で、現在1kg当たり最大482円の関税を15年かけて50円に下げることや、牛肉は38.5%の関税を10年かけて9%にする。米、麦、乳製品については、関税を維持する代わりに特別な輸入枠を拡大する等の報道がされて、畜産農家からは「交渉すればするほど譲歩することになる。もう交渉をやめてくれ」とTPP交渉からの脱退を望む悲鳴のような声が上がっています。
 政府が重要5品目は「聖域」として関税撤廃の例外にするといった前提が崩れたことに対して、危機感を持って対処をすべきと思います。まず、長野県農業への影響について、県として重要5品目を含めた農業生産額への影響額の試算をしていると思いますが、2013年の5月の時点ではその公表を保留しておりました。その試算結果をまず農政部長にお聞きいたします。
【農政部長】
 TPP交渉に関しまして、重要5品目の影響額の試算結果についてのお尋ねでございます。昨年5月に公表しました県試算では、重要5品目につきましては、政府・与党がこれらをしっかり堅持して交渉するとしていることから、関税がすべて撤廃され、全く何らの措置も講じられない前提での試算は保留したところでございまして、お尋ねの重要5品目を含めた試算結果は持ち合わせておりません。以上でございます。
【和田議員】
 昨年5月時点では公表する試算はしていなかったということでありますけれども、これだけ今交渉が進んでいる中で、未だにそのものの試算をしていないということは一体どういうことなのかと本当に驚くばかりの答弁であります。
 昨年4月、国会は米等の重要5品目を関税撤廃の対象からはずすことや、それが確保できないと判断した場合は交渉からの脱退の国会決議をしています。また、県議会においても昨年9月議会で、TPP交渉によって国益を損なうことが明らかとなった場合は、即刻交渉から脱退することを明記した意見書を全会一致で可決しております。政府が「聖域」として関税撤廃の例外にするといった重要品目についても関税撤廃は避けられない状況で、その影響が甚大であるということを知事はどう考えるのか。また、試算していないと言う長野県の農政のあり方についてもどう考えているのか。本当にお聞きをしたいと思います。国に対してはっきりとTPPからの撤退するよう意見をあげるべきと思いますが、知事におうかがいいたします。
【阿部知事】
 TPPに関してのご質問でございますが、これは政府、国、国会議員等に対して、私どもも再三にわたってTPPについて要請してきているところでございます。わが国の産業経済、国民生活に大きな影響を及ぼす懸念があるということで、重要品目の関税撤廃を例外とすると、国民の真の利益の確保に全力を挙げること、地方の基幹産業である農業については経済連携の推進のある無しに関わらず、将来に渡り持続的に発展していけるよう国の責任において具体的な対策を講ずること、こうしたことを求めてきております。最近も先月5月の27日、この際にも県議会議長あるいは市長会、町村会の皆さんと一緒に、国あるいは県関係国会議員に対して求めてきているところでございます。
 現時点におきまして、政府は、重要5品目などの「聖域」の確保については、国会の衆参農林水産委員会の決議を踏まえ、国益を守り抜くよう全力を尽くす考えに変わりはないということを、林農林水産大臣に再三にわたってこういうふうに述べているところであります。県としては、今後とも毅然とした姿勢を貫いて交渉の臨んでいただくよう国に求めていきたいと考えております。以上です。
【和田議員】
 TPP交渉がこのまま進められていけば本当にどういう影響が及ぶのかについては、県農政部としても影響を試算するべきではないかということを、改めてもう一度農政部長にお伺いしたいと思います。
 また、安倍晋三内閣の「農政改革」はTPP交渉の早期妥結を前提に、コメの生産調整の廃止、米直接支払助成金の削減・廃止、農業への企業参入の自由化などを進めようとしております。そして規制改革会議からは「農業改革に関する意見書」として農業委員会制度の見直し、JA中央会の廃止など、農業・農政に関わる規制や関連組織の大幅な改変が出されております。これらの農業を取り巻く一連の動きは、まさにTPP妥結に向けての地ならしではないでしょうか。この点について知事の見解をお伺いいたします。
【農政部長】
 重要5品目を含めました影響額の試算についての再度のご質問でございます。議員のご質問の中にもございましたが、報道の中身につきましては、関税を何%引き下げると、あるいは特別の措置を講ずるというふうなものが報じられておりますが、今回のTPP交渉の開始以降、政府関係の、主席交渉官も含めて、具体的にどこの段階をどうするといった表明は一切聞いておりません。
 県といたしましては、具体的に正確な情報に基づいておこなわれる試算の結果を県民の皆様にはお知らせをする必要があると考えておりますけれども、交渉の主体となっておりまして実際に交渉をおこなっております政府関係者からは、一切交渉の中身については言及されていないわけでございまして、この時点におきましては、引き続き試算は保留したいというふうに考えております。
【阿部知事】
 農業委員会あるいはJAの解体についての議論、TPP妥結に向けての地ならしではないかというご質問であります。
 そういう意図があるのかどうか私が窺い知れるものではありませんが、この改革の議論、6月13日に、規制改革に関する第二次答申ということで、政府の規制改革会議から安倍総理に対してなされた答申の中に、この見直し盛り込まれているところであります。規制改革会議においては、国民生活の安定・向上、経済活性化への貢献を通じた国の成長・発展を目的として、具体的には国民がイノベーションや生産性の向上の恩恵を受けられるようにするため、規制改革によって事業者の創意・工夫を阻む壁を取り除くなどの観点から議論がおこなわれたものというふうに承知しています。ただ、私としては、農業委員会あるいは農業会議の皆様方とも意見交換をしましたし、JAの皆様方とも意見交換をいたしましたが、それぞれ現在地域の農業、農村で重要な役割を果たしていただいております。
 したがって、真に農業、農村の持続的な発展、そして多面的機能の維持・発揮、こうしたものを評価されるようになるための見直しでなければいけないというふうに思っております。そういう観点で農業関係者の皆様方とも十分思いを共有して、取り組んでいく必要があるというふうに思っております。以上です。
【和田議員】
 農政部長の答弁には本当に私はがっかりいたしました。危機感を持ってしっかりと取り組んでいただきたいということを言わせていただきます。
 また、長野県の特有の、耕作地の集積ができない中山間地での農業は、家族経営と集落の共同を基本にした農業であります。その結果、長野県は農家戸数日本一です。長野県の農業のあり方を、今回の農政改革は、根本から覆す大問題であります。その実情をしっかりととらえて、地方から声をあげることが大事ではないでしょうか。長野県の知事として、農業県の知事として、国益を損なうことが明らかであるこのTPP交渉について、現場の声をしっかりと踏まえて国に意見をあげて欲しいと要望しておきます。

2.長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例について

【和田議員】
 次に、「長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例」についてお伺いいたします。条例の要綱案を示して、幅広い観点からの議論を経て、条例案を県議会に提出したと知事は言われますが、条例案は議会直前の6月13日にようやく示されたところであります。やはり重要な条例を制定するのですから条例案を県民に示し、広い県民参加の意見聴取や議論を求めるべきではないかと考えます。知事の任期中に条例制定をする気であれば、どうしてもっと早くから条例案を出さなかったのですか。知事は条例を議会が通してくれればいいと安易に考えているのではないかと思えてしまいます。
 順次お聞きします。第一に、県が制定する条例ですが、「子ども支援は、国、県、市町村、保護者、学校関係者等、事業者、県民等が各々の役割を果たすことにより重層的におこなうとともに、相互に連携協力して継続的におこなわなければならない。」と基本理念に明記されているように、県の関係機関や議会だけの議論、意見集約、周知に留めるものではありません。
 条例が実効あるものになるような取り組みがされたのですか。関係者に理解と協力を呼びかけられたのか、県民文化部長にお聞きします。また今後どのように周知、理解を得ていくのかお聞きします。
【県民文化部長】
 「長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例(案)」につきまして、関係者に対してどのように周知し、理解と協力を得るかについてというお問い合わせでございます。子ども支援に当たりましては、関係者の皆様のご協力をいただくことが不可欠であると考えております。そのためにはこの条例の理念あるいは施策などの他、新たに設置されることとなります総合的な相談窓口、あるいは子ども支援委員会による救済制度があることなどについて、広く県民の皆様に知っていただくことが必要でありますので、まずそのための広報に力を入れてまいります。
 また、総合相談窓口につきましては、市町村や民間団体など子どもに関するさまざまな相談窓口の中心的な役割を担うものとしたいと考えているところでございます。具体的には、いわゆるハブ機能を持つ機関といたしまして、定期的な情報交換のための会議を主体となって開催するなど、関係機関、民間団体等とのネットワークを構築していくことを予定しております。この議会で可決いただけましたら、総合相談窓口あるいは子ども支援委員会の開設に向けまして、速やかに準備を進めてまいりますけれども、条例案についてさまざまなご議論があったことを踏まえまして、条例の目指す目的などにつきましては、今後とも丁寧な説明をおこなっていく所存でございます。以上でございます。
【和田議員】
 いま部長は条例が可決されてからというふうに言いましたけれども、これは大変大事なことでありまして、条例が今の条例案のときに、やはりこういうことを十分に皆さんにお知らせして、協力を得ていくという努力をしてから条例を提案するべきではないかと思います。
 知事にお伺いいたします。4年前の知事選挙において、阿部知事が子どもの権利条例の制定を公約に掲げていたことに対して、多くの県民は期待をいたしました。子どもの権利条例の制定を前提にして「子どもの育ちを支えるしくみを考える委員会」においてご尽力された方々からは、子どもを権利の主体として条例を制定するよう求められております。知事も条例については想いがあるのではないですか。
 松本市の菅谷市長は、松本市の子どもの権利条例を検討する際に、「そもそも大人が子ども達を育てるという、大人の側からの「子どもを保護すればよい」という発想に固執しがちであるが、それでは子どもの成長を抑制してしまう」と発言し、「子育てはできても、子育ちにはならないので、子ども自身が主体的に生きるために、自分の考えを適切に表現する子どもの権利主体としての子ども観を求めた」という経過があるとお聞きしております。これについて、知事はどうお考えかを伺います。
 松本市の条例では「子どもにとって大切な権利」を明らかにした上で、子どもの育ちへの支援や子どもを支援する者への支援を定めています。知事の公約は「子どもの権利」条例の制定であったはずであり、目指したのは松本市のような条例ではなかったのかについてもお聞きをいたします。
【阿部知事】
 お答えします。まず菅谷市長のご発言がどういう文脈で、どういう中身であるか、私も直接承知をしておりませんので、会見等で聞かれたときにも、なんとか市長がこういっているけれども知事はどう思うかということには基本的にはお答えしないようにしています。ちゃんとした文脈をつかまないと、余計な批判になってもいけないだろうというふうに思います。ただ、全般的な和田議員のご質問からすると、子どもを権利の主体としてみるのか、保護の客体とするのかという観点でご質問されているんだろうというふうに思います。
 私は、両面ありうるかなと思っています。今回の条例の中でも子どもが自ら意見を表明することなどにより主体的に社会に参加することが出来る環境を整備するといったような観点を基本理念の中にも盛り込ませていただいているところでありまして、こうした想いとか考え方をこの条例の中には盛り込ませていただいていると思っております。
 それから、公約で目指した条例についてというご質問でございますが、これは先ほど冒頭のご質問の中にある安易に考えているということは決してないわけでありまして、今回の提案に至るまで、これは議員は十分ご承知の上でご質問されていると思いますけれど、非常に長い間検討をしてきたところでございます。
 昨日作って今日出したということではないということは十分ご承知の上でのご質問だと思いますが、私が基本政策集に記しましたのは、未来を担う子ども達が将来に夢と希望を持ちのびのびと健全に育つ環境を提供すると、こういう基本的な考え方の中での条例制定ということでございます。
 こうした想いの中、この子どもに関する条例、全国で例をみるにさまざまな条例があります。そういうなかで、まずはさまざまな意見がある中で、子ども達の現状をしっかりと把握して、課題を整理して、条例ありきではなく子ども達を支援する仕組みを検討しようということで「子どもの育ちを支える委員会」を設置した訳であります。この委員会において2年2ヶ月にわたって検討をおこなっていただいて、この間子どもアンケート調査や子ども部会を開催する等子ども達からの現状把握にも努めた上で、丁寧な検討をおこなってきた訳であります。その議論の結果、困難に直面する子ども達の相談や救済の仕組みを作ることに主眼を置いた現在のような条例案が必要だということで取りまとめがなされて、今回の条例案につながったものであります。
 そういう意味で幅広い議論のもとで、人権侵害に苦しむ子ども達をしっかりとサポートするという当初の基本的な想いを踏まえたものでございます。そういう観点で私は良い条例案になったのではないかというふうに考えております。以上でございます。
【和田議員】
 選挙公約では「子どもの権利条例」といわれていたと思うんですけれども、知事には確固とした理念がなかったということなのではないかと、肝心なところをはぐらかされているようなそういう思いを今の答弁でも感じております。  要綱案から条例案へと共通しているのは、子どもが権利の主体としてとらえられておらず、子どもを保護の対象としてとらえられているのではないかということであります。
 要綱案に対する意見を反映し何点か修正がされたといいますけれども、要綱案からの変更部分は、子どもの育成には権利の尊重だけでなく、社会規範の順守や自制心を身につけさせることも大事だとか、子育ての基本は家庭であり、家庭教育への支援を盛り込むべきだという2月議会で指摘された点がそのまま盛り込まれているのではないでしょうか。
 要綱案からの変更部分も含め意見が分かれるところであります。条例案としての意見聴取の機会を全く持たないまま、このまま条例制定へというのは早すぎると私は思います。この点知事いかがお考えでしょうか。
【阿部知事】
 理念がないと言う大変厳しいご意見を議場でいわれたわけでありますので、それは、そんなことはないということで申しあげざるを得ないというふうに思っております。先ほど懇切丁寧にこれまでの経過をご説明させていただいたつもりでありますが、そうした答弁に耳を貸していただけないという形は私は非常に残念に思っております。私としては、これまでの経過を丁寧にご説明させていただいたつもりであります。
 早すぎるのではないかということでご質問でありますが、先ほどから申しあげているように、非常に丁寧なプロセスを経て今回の提案に至ったところであります。また、議会での意見を反映しているということについて、これは私は当然県議会でご議論いただいたものを条例に反映させていく方向で我々検討するのは当然と思っておりますし、そういう観点で前回要綱案をお示ししたわけであります。
 そういう意味で、単に手続きとか時間の問題で出すべきではないというふうに言われても、それは少しいかがなものかというふうに思っているところでありまして、今回、私としてより良い条例案になったなという思いで提案させていただいておりますので、ぜひご理解いただいたうえでご起立を賜ればありがたいと思っております。以上です。
【和田議員】
 知事も県民の声に耳を傾けていただきたいと申しあげておきます。今議会で即決ということではなく、やはりもっと広く意見集約をする機会を持って欲しいということを要望しておきます。

3.パーソナル・サポート事業について

【和田議員】
 続きまして、パーソナル・サポート事業についてお伺いいたします。
 長野県が2011年度から実施しているパーソナル・サポート・モデル事業が、今年度から県と市町村との共同事業として、相談支援拠点も4ヵ所から6ヵ所に増えることに伴い、事業の委託先が変更されました。
 その際、寄り添い型の生活困窮者支援として取り組んできたパーソナル・サポート事業の成果と経験が良い形で引き継がれるよう、質問でも繰り返し取り上げてまいりましたし、生活困窮者支援の活動をしている市民団体の皆さんと担当部局との懇談・要望もしてまいりました。そのなかで、単に相談者の情報を引き継ぎ、支援すればよいということではなく、相談者ひとりひとりに支援員がマンツーマンで寄り添うという事業の本質を引き継ぐために、相談支援員の雇用の継続が重要だという認識を県は持って対応していただけると考えておりました。しかし現実には、残念ながら新しい委託先に支援員の雇用が継続されたのはほんの一部分にとどまりました。
 地域によってはパーソナル・サポート・センターの所長をハローワークで募集するなど、事業の継続性に疑問を持たざるを得ない事態であります。支援員の処遇が安定しないと、これまでの事業の継続性が担保される保障にはなりません。この点どう考えておられるのか、健康福祉部長にお伺いいたします。
【健康福祉部長】
 パーソナル・サポート事業の継続性に関するお尋ねでございます。このパーソナル・サポート事業でございますけれど、これは議員ご質問にございました平成23年度からの2年間は、これは内閣府のモデル事業として、そして25年度からは厚生労働省の生活困窮者自立支援モデル事業として、県内の4ヵ所にセンターを設置いたしまして、県が実施してまいったところであります。
 今年度でございますけれども、これまでの取組と成果を踏まえまして、平成27年の4月に施行されます生活困窮者自立支援法の制度に円滑に移行するという観点から、信州パーソナル・サポート・モデル事業といたしまして、相談支援拠点を6ヵ所に拡充いたしまして、これは県と市が共同して実施をしているということでございます。
 事業の継続性につきましては、今年度のモデル事業におきましても、従来の事業の重点であります-3つございますけれども-1つ、課題を選別せずに受け入れること、1つ、既存の枠組みを超えた対応をおこなうこと、1つ、寄り添い型の継続的支援をおこなうこと、こうした3つの理念を引き継ぎまして生活困窮者等の支援に当たっているところでございます。また既存の4センターにはですね、これまでの事業でご経験いただいている方々、支援員をですね、継続して配置をすることをしておりまして、具体的な支援のノウハウも引き継がれるように配慮をしております。さらに、これまでに形成されました福祉団体や経済団体、NPOなど多くの団体とのネットワークにつきましても継承・活用するよう取り組んでいるところであります。
 平成27年度以降につきましては、市部-市町村の市ですね-につきましては、市が事業に実施主体となりますことから、モデル事業を共同実施しております6市はもとより、それ以外の市ともですね、理念や相談支援のノウハウなどにつきまして共有することが重要と考えております。このため、各市が、研修会や利用者の支援内容を決定する支援調整会議等へ参画することなどを通じまして相談者に寄り添う支援体制の構築を図ってまいりたいというふうに考えております。以上です。
【和田議員】
 部長からは今、来年度の事業継続に向けての取組みについても一部ご答弁がありました。このパーソナル・サポートの事業は、本当に大事なことは、支援が必要な人の手を、支援する人たちが離さないということが大事なことだと思います。パーソナル・サポートの相談支援員として今回の委託先に雇用が継続されなかった人も、相談者の手を離すことはできないと言って頑張っておられる方もおられます。今までの事業の蓄積とネットワークをつくることを、県として責任を持って取組んでいただきたいと思いますので、この点について再度部長に確認をしておきたいと思います。
 知事は、提案説明の最後に、県政の課題と向き合い一定の成果を挙げることができたことの1つとして、このパーソナル・サポート・センターの事業を言っておられます。今年の2月県会前の知事への要望で、支援員の継続を求めた際に、知事からは、継続の重要性を認識している旨の発言がありました。今定例会の議案説明においても、このパーソナル・サポートの重要性を知事は実績として掲げておられます。しかし、この本当に継続が、中身が継続されているのかどうかという点で疑問を持って私たちはおりますが、実態は胸を張れる事業になっているのかどうか、このことについて知事のお考えをお聞きいたします。
【健康福祉部長】
 パーソナル・サポート・モデル事業の継続に関する更なるお尋ねでございます。継続性が大事であるというご指摘は、これ度々いただいているところでございます。私どもも今回のモデル事業を構築する際には、なるべく希望のある方でそのまま引き継いでやっていただける方を、そのまま継続して雇用するようなことを進めてまいりました。また、先ほど申し上げたことと重なりますけれども、いろいろな団体とのネットワーク、これもちゃんと引き継ぐような形で取り組んでいるところでございます。特に顔の見える関係ということを継続することが大事であるというふうに承知をしておりまして、そこに配慮してまいりたいと思っております。以上です。
【阿部知事】
 パーソナル・サポート事業についてのご質問でございます。今回委託先あるいは実施主体が制度的に変更をしていかざるを得なかったことがある訳で、確かにご指摘があったとおり、去年と全く同じ形態であればすべて継続ということができたと思いますけれども、今回体制を変えていかざるを得ないのは、そこはもうやむを得ない部分だろうなというふうに思っています。ただ、私からは支援員を極力継続できるように検討してくれというお願いはさせていただいたところでありますし、先ほど部長からも答弁したように、一定程度引き継いでいただくことはできた訳であります。パーソナル・サポート事業の理念についてはやはりしっかりと引き継いでいく形にしていただきたいというのが私の強い想いでもありますので、そういうところはフォローしていかなければいけないと思っています。これまでご相談いただいた皆様方の中の声としては、不登校だったけれど「人と顔を合わせることも苦痛だった。相談員の方が家族のように思え、アルバイトを始めることができた」、あるいは母子家庭で「事情があり生活に困窮していたけれども、一つずつ問題解決に向けて奔走していただき、安心して暮らせるようになった」、そういった声が寄せられているところであります。パーソナル・サポート・センターの支援が、課題の解決のきっかけになった方も大勢いらっしゃるなというふうに思っております。まあ制度・仕組み、改善すべき点多々ありうるというふうに思いますが、今回6市と共同で事業実施という形になりましたので、各市ともしっかり情報共有そして意見交換する中で、更なる充実を図っていきたいというふうに考えています。以上です。
【和田議員】
 継続性を担保するということでは、本当に今回ちょっとそれは疑問に感じざるを得ない、そういうものも実際にはある訳であります。このことをしっかり問題点を把握していただいて、来年度以降市町村に移行する訳ですが、県がしっかり責任を持ってこの事業が拡充・引き継がれていくように取組んでいただきたいと要望をしておきます。

4.生活保護基準の切り下げの問題や影響について

【和田議員】
 最後に、生活保護基準の切り下げの問題や影響についてお伺いいたします。この問題についてはいままでも質問をしてきましたので、今日は生活保護基準切り下げ(見直し)の影響が様々な制度の利用者に影響があるという問題で1点だけ質問をいたします。
 子どもの貧困が広がり、貧困の連鎖も深刻であります。子どもたちがお金の心配をすることなく学校生活ができるよう、就学援助制度や高校生に対する県の奨学金制度があります。この制度も生活保護基準が一つの基準になっております。基準の引き下げの影響を受けないよう、対象世帯の年収が生活保護基準の1.5倍以下という高校生の奨学金制度の要件の緩和をして、対象が狭められないようにすべきと思いますが、この点を教育長にお伺いいたします。
【教育長】
 高等学校等奨学金についてのお尋ねでございます。本県でおこなってございます高等学校等奨学金の貸与対象者は、議員ただいまご指摘の、世帯の全収入額(年収)が生活保護法の規定により算定した基準額の1.5倍以下である世帯に属する者という項目以外にも、生活保護世帯、市町村民税の非課税世帯、学習成績が基準値以上で一定の収入以下の世帯、家計急変世帯などの様々な要件を示し、そのいずれかに該当する者を対象にできるような制度にしているところでございます。今年度4月の審査におきましては、全体として申請総人数56名でございましたが、そのうち従前の生活保護基準であれば採用になったにもかかわらず、今回の見直しによって不採用になった者はなく、今回の生活保護基準の見直しの影響は現在のところ出ていないと考えてございますが、今後につきましては、国の要請や他県の状況も勘案しながら、必要があれば貸付基準の見直しも含め、生徒に影響が生じないよう検討していきたいというふうに考えております。
【和田議員】
 今、教育長にご答弁ただきました。たしかにこの奨学金の貸付制度については、この生活保護基準の1.5倍以下というこれがもってしてこの制度に当てはめるものではないということは承知しております。しかし、今生活保護基準が引き下げられたもとで、この1.5倍という数字があったことによって対象にならなかったということが無いように、ここは全国的にも基準の1.5倍という数字についても緩和をしておりますので、ぜひここを改めていただきたいと思います。
 そしてその基準によって、多くの制度に影響が及ぶということに対して、下村文部科学大臣も、生活保護費の基準の引下げに伴い経済的に困窮している家庭が制度の適用を受けられなくなるおそれが出ているというふうに言っております。そして自治体で必要な対策を講じる様に促すという考えを示しております。そこで県から国に対して、そういうことであれば対策に必要な予算も合わせて要望をしていただきたいと申しあげまして一切の質問を終わります。

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