日本共産党長野県会議員団

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議会質問

2014年9月定例会 日本共産党代表質問と答弁

  1. 先の県知事選挙の結果をどう見るか
  2. 集団的自衛権行使容認について
  3. リニア中央新幹線計画について
  4. 原発再稼動について
  5. 消費税について
  6. 乳幼児医療費の医療機関での窓口無料化について
  7. 農業問題について
  8. 豪雨災害・土砂災害について
  9. 教育について
  10. 医療と介護について
  11. 中小企業の振興について

◎最初に

【両角議員】
 日本共産党県議団の両角友成です。質問に入る前に、9月27日昼、木曽の御嶽山が噴火し、甚大な被害をもたらしました。犠牲となられた皆様に深い哀悼とともに、被害者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。また救助・捜索にあたられている関係皆様のご尽力に敬意を表します。
 それでは質問に入ります。私は、阿部県政2期目のスタートにあたり、県議団を代表し、知事の政治姿勢をはじめとするいくつかの課題について質問させていただきます。

1.先の県知事選挙の結果をどう見るか

【両角議員】
 まず初めの質問事項は、先の県知事選挙の結果をどう見るかであります。
 今回の選挙は、くらし・命・平和の3つの点が争われたと考えています。
 有権者の中には、投票に行かず、投票率を下げることが私の意思表示だと言われる方もいました。7党相乗り。過去最低の投票率。政策は具体性を欠き、県民の関心が高い国政は語らず、県民に良く知らされないまま・・・。こんな様相の選挙だったのではないでしょうか。
 これは私だけが言っているのではありません。投票日翌日の信濃毎日新聞社説は「具体性を欠いた公約」「5つの柱を掲げたが、どんな内容で実現するか肝心な中身がほとんど記されていない」「選挙戦でも公約を補う説明はあまり聞かれなかった」「阿部氏は『公約はだれからも指示を受けず自分で書いている。政策をどう進めるかは、自分の考えを貫きたい』と。しかし、公約が不透明な分だけ、施策の具体的な内容は、阿部氏を推薦した政党や支援した県議会会派との調整で、いかようにも決められる」と書いています。
 全有権者の36%の得票で知事になられたわけですが、理由のひとつとして、具体性に欠けた公約があったのではないでしょうか。選挙結果についてどう捉えているか伺います。
 いまひとつ、安倍政権のあらゆる方面での暴走に次ぐ暴走。改造安倍内閣が「地方創生」と言い出しました。しかしTPP、消費税、医療介護、子育て支援、教育問題等々、創生どころではありません。この先頭にいる内閣総理大臣から推薦を受けた知事。選挙後の世論調査では「国にきちんと意見を伝える」が35%でした。県民、地方議会の声を代表して、国にものが言えないのではないかと心配ですが、知事の見解を伺います。
【阿部知事】
 両角議員のご質問にお答え申しあげたいと思います。まず知事選挙の結果についてでございます。2期目の選挙でございましたが、おかげさまをもちまして、前回の選挙を大きく上回る皆様方にご投票いただくなかで、知事としての職責を担わせていただくことになりました。本当に県民の皆様方の期待に全力で応えるべく取り組んで行きたいと考えております。
 それから国に対して言うべきことが言えなくなるのではないかということでありますが、そうしたことはありません。特定の新聞社の引用が非常に多いような気をしておりますけれども、是非ですね、私は知事という立場で議員の皆様方と直接ですね、接する立場で仕事をしているわけでございますから、そうした間接的な情報ではなく、直接ご自分の思いとか考え方で、是非おっしゃっていただきたいというふうに思います。昨日もご答弁申しあげましたけれど、TPPの問題であるとか、道州制の問題については、しっかりとですね、県政にかかわりのある課題でありますから、これまでの意見を言ってきておりますし、これからもそうしたスタンスでしっかりと取り組んでまいります。

2.集団的自衛権行使容認について

【両角議員】
 次に共産党は白黒つけたがると言われた、集団的自衛権行使容認について伺います。
 8月3日付の朝日新聞「Voice 声」の欄に載った「殺すのはいや」と題する神奈川県のお母さんの記事を紹介します。
 それは、集団的自衛権の行使容認が食卓でも何度か話題になった折、小学2年の息子さんは「戦争に行かなきゃいけないの?」と尋ね、その後に「誰かを殺せって言われても僕にはできないから、それならぼくが死ぬよ」。また数日後、息子さんが「どうやって自殺したらいいのかなあ」といった。驚いて理由を尋ねると「だって、戦争するかもしれないんでしょ。
誰か殺す前に自分が死ななきゃいけないから」と答えたそうです。お母さんは「日本が戦争に向かっていくなんて恐ろしい、一体どうすればいいか、実際に自分に何ができるのかと途方に暮れた。そんな時、息子が言ってくれた『やっぱり自殺しない。誰かを殺すなんていやだって、はっきり言うよ。強く言うよ』という言葉を受けてこう考えた」と結んでいます。「私たちにできることは、自分の考えを明確にして、声に出して伝えることだと息子が教えてくれた。そんな国民の声を聞く耳を持った方に、政治を任せたい」。
 私たちのこの長野県でも、小学生の夏休みの宿題の絵が、家族との海水浴でもなければキャンプでもない、青い空に戦闘機が飛び交い「その一発が戦争に変わる」と書かれているものを見せていただきました。
 知事、あなたは公務員として憲法99条により憲法を尊重し擁護する、守る義務を負っています。日本は戦後、戦争で自衛隊員が死ぬことはありませんでした。憲法があったからです。それを突如、憲法の解釈を変えて戦争できるように、集団的自衛権行使容認をするのはあまりにも姑息です。一国の首相が、政治家が堂々と憲法を無視する。これではどんな憲法を創っても、解釈で変えられるとなったら、無いと一緒ではないでしょうか。
 全国の多くの地方議会が「戦争する国づくり」に対ししっかり声を上げています。白か黒か、マルかバツか。長野県の地方議会も真摯に議論をされ、国に対し意見書を提出しています。現在9月議会で「撤回」の意見書が25議会から。通算77自治体中、行使容認反対と撤回を求める意見書が43市町村。過半数を超えています。
 先日の信濃毎日新聞の社説では、集団的自衛権の行使容認について「国のやり方に、ノ―をつきつけ、軌道修正させることは不可能ではない。市町村の首長や議会はかつて国家にからめ捕られた負の歴史を忘れずに、その時々で政権に言うべきことを言う気概を持ってほしい。地方自治の足腰を鍛えることになるはずだ」と書いています。これは私も同感です。
 閣議決定の撤回、関連する法整備の中止を国に強く求めていただきたいと思います。後方支援とはいえ、イラクに松本駐屯地から27名の自衛隊員が派遣されたことも事実です。 県民です。家族も県民です。県民を守る立場の知事、曖昧な姿勢は許されません。改めて知事としての見解を伺います。
【阿部知事】
 集団的自衛権の行使につきましては、これも度々お答えをさせていただいておりますけれども、これ防衛・外交の根幹に関わる話でございます。先程もお話がありましたけれども、好き好んで戦争をしたいという人は私はいないと思っております。今、御嶽山の噴火災害に向き合って、自衛隊の皆様方、連日命がけで救助活動に当たっていただいているところであります。まさに自衛隊の皆様方にも本当に関係する重要なテーマというふうに私は思っております。是非これは国会の場においてですね、しっかりと審議が行われる、議論が行われることを求めたいと考えております。とりあえずご質問は以上でございます。
【両角議員】
 県民の立場の県政を願うと同時に、憲法・平和を守る立場を貫いてくださいと申しあげ、次の質問事項に移ります。

3.リニア中央新幹線計画について

【両角議員】
 次はリニア中央新幹線計画についてであります。
 私たちは、計画の凍結見直しを主張してきました。県議団として、国会議員団とも地元に2度3度と調査に入りました。その中で、地元では賛否を超えて不安が広がっていると承知しています。住環境、自然環境、地域破壊に深刻な不安が広がっているのです。
 国民的な要望も必要性もなく「大義」がない。山田佳臣JR東海前社長も「絶対ペイしない」と2013年9月の記者会見で述べています。すでにドイツでは、リニア計画については経済性・技術的な信頼・環境への適応性など総合的な評価を行い、計画を中止をしました。日本国内でも専門家・知識人から、リニア計画に対して疑問視する見解が表明されるようになりました。
 地域住民からもマイナス面での深刻な疑問・不安が表明されています。中川村・大鹿村での生活道路をみたときに、渡場(どば)交差点から滝沢トンネルまでの8.1キロメートルで、普通車と大型車がすれ違い不可能な箇所が38ヵ所。大型車同士がすれ違いできない箇所が35ヵ所。計73ヵ所あり、とても無理との声。私たちが実際に走ってみても、危険であり不可能と感じました。
 住民の皆さんの声です。「頼んだわけでもないのに、我が家のそばを通る」「誰も説明にこない。昨年9月にNHKのテレビで見た。聞いた」「こんな狭い道をダンプが通れば私ら引き殺される」「高いところに駅ができると言うが、実像がつかめない」「私の家が取られる。今更新しい家はいらない。15年も生きていない」「なんでリニアが来るのか?夜も眠れない」「町中に40メートル高さの壁ができるようなもの。町会が分断される」。
 「災害時にあふれ出すような既存の川にトンネルから出る水を入れたら、間違いまく水害にあう」「周りではバラ色のような話をしているが、だんだん反対できないような雰囲気をつくり、イッキにやってくるのではないか」「犠牲になる我々のことは考えていない」「地元に説明に来てほしい。疑問に対する回答もほしい」「綱を引いて並ぶか。泣けてくる」。このように悲痛な声であります。
 長野県が知事意見書で求めた作業トンネルの削減、小渋川橋梁の地中化、大量の工事用車両にともなう環境保全協定などは無視され、絶滅危惧種などへの対応は「検討する」との態度であり、まさに知事意見に対してもゼロ回答でありました。このまま認可され着工されれば、将来に重大な禍根を残しかねないと考えます。
 悲痛な声も有りか、少し様子が変わり、9月26日、JR東海社長「年内工事開始かなり難しい」。太田国土交通大臣「認可時期まだ言える段階ではない」と発言。この動きも踏まえ、知事の見解を伺います。
【阿部知事】
 まずリニア中央新幹線についてのご質問でございます。交通政策審議会、国の審議会でありますが、三大都市圏の高速・安定的な旅客輸送、そして交通の大動脈の二重系化、東海道新幹線の経年劣化への対応と、こうしたことからその必要性が判断されたものというふうに考えております。交流人口の拡大、地域経済の活性化等、本県にも大きなメリットをもたらすものと考えております。ただ、建設に当たっては、十分な環境への配慮、あるいは地域との丁寧な合意形成が必要な事業と考えております。
【両角議員】
 リニア問題について、まず再質問いたします。
 大鹿村村議会は、9月定例会最終日、「リニア中央新幹線計画の認可について慎重な検討を求める意見書」を全会一致で可決し、安倍総理大臣、太田国土交通大臣に意見書を提出しました。
 一部紹介しますと「本村においては長野県知事意見で求められた小渋川橋梁の地中化は採用されず、建設発生土の運搬時の環境負荷低減についても、村が求めている道路改良や代替ルートの検討は全く示されておらず、また住民の生活環境を守るための環境保全協定についても盛り込まれておらず、工事による生活環境悪化の懸念はますます高まっている状況です。国土交通省は、特に地域住民の生活環境に密接にかかわる建設発生土の運搬に伴う環境負荷低減策等具体的情報が明らかになり、住民の懸念が解消されるまでは工事実施計画を認可すべきではありません。いま一度、評価書の補正内容を慎重に検討すべきです」。
 阿智村昼神温泉では「リニアが来たら、東京都内の山の手の賑わいになる」と歓迎していましたが、国道256号をトンネル残土を運搬するダンプが、切りなしに10年近くも走られたらお客さんが来なくなると、旅館経営者会や沿線地権者の会などが、国道256号線や村道の通行回避を求める要望書を村に提出しました。
 9月12日に、南木曽町の「リニア中央新幹線対策協議会」が開催されています。出席者の報告によりますと、JR東海職員の話として「こうした形は初めてで皆さんが十分理解できていないところもあると思うが、押し付けるつもりも我慢しろということも言っていない。非常口の数とかもろもろ、この協議会で納得いかない状況では、工事はごり押しとか強引に進めることは難しいだろうと思っている」「用地の問題は、県の方に託するということで進めている。具体的に地権者との交渉は難しい問題が出てくると思うが、理解してもらえるまで説明する。この事業は新幹線の事業なので、土地収用法の対象事業になる。すぐそこに行きつくことではなく、理解を求めていくというスタンスでやる」。
 JR東海が、住民のこえに耳を傾けるような姿勢を示しながら、最後は土地収用法を持ち出すとは、いかがかと思われます。
 最後の町長の言葉に「2027年開業しようと思っても、住民の理解をいただけなければ、ものは進まないという表れかと思う」と結ばれています。
 真剣な地元の取り組みを見て、県として、JR東海に地元での説明会の開催を求めると共に、公共事業と言うなら、各協定書の締結を求めるなど、解決に向けた姿勢が大切かと考えます。疑問に対する回答が得られない間は、国に対し認可すべきでないと迫るべきと考えますが、知事に伺います。
【阿部知事】
 再質問にお答え申しあげます。
 まずリニア中央新幹線についてであります。JR東海の工事実施計画認可、今、国において慎重に審査中という状況であります。国が法令等に則ってですね、しっかりと判断すべきものと考えております。

4.原発再稼動について

【両角議員】
 次に、原発再稼働についてであります。
 「関西電力の大飯原子力発電所4号機が、15日、定期検査のために運転を停止した。国内で稼働する原発は1年2ヵ月ぶりにゼロとなる。再稼動に必要な原子力規制委員会の安全審査は順調に進んでも年末までかかる見通しで、東日本大震災後初めて原発ゼロで冬の電力需要期を迎える可能性が高まった」。これは昨年9月15日、日本経済新聞の電子版の記事です。信毎ではありません。
 あれから1年。稼働原発はゼロのままです。私たち国民は、電力の供給不安があるとさんざん脅されましたが、この1年、日本中冬・夏のピーク時も停電することなく、原発はゼロのままです。
 政府は2011年12月に、少なくても福島原発事故コストは約5兆8000億円としていましたが、8月26日、これは信毎ですが、信毎が、立命館大学、大阪市立大学の教授お2人がまとめたデータを掲載しました。それによると、福島原発事故コスト11兆円。被害を受けた住民らへの損害賠償は4兆9088億円。除染費用2兆4800億円。廃棄物の中間貯蔵施設が1兆600億円。 事故の収束・廃炉には2兆1675億円。このほか、行政による事故対応費用などを含めると、合計11兆819億円なるとのことです。「事故コストは、税金や電気料金で国民が負担する仕組みになっている」とのこと。長野県の一般会計予算の12年分にも匹敵するお金を私たち国民が負担するんです。
 5月21日、福井地裁は、関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを命ずる歴史的判決を下しました。原発「安全神話」には司法による峻烈な、厳しい、激しい「さばき」が下されました。そして「被告は、原発の稼働が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い・低いの問題等とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的に許されないことであると考えている」。多数の人びとの命と電気代の高い低いの問題は、次元を異にする問題であって、天秤に掛けること自体、法的に許されないと言っています。
 さらに判決は、日本の国の国富、―国の富とは何かについて、深い考察を示しています。「コストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ、原発の運転停止によ って多額の貿易赤字が出たとしても、これを国富の流失や喪失と言うべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根をおろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている」。
 加えて判決は、地球温暖化対策を理由にした原発推進論に対して、次のように一刀両断の判断を加えています。「被告は、原子力発電所の稼働が二酸化炭素の排出削減に資するもので環境面で優れている旨主張するが、原子力発電所でひとたび深刻な事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものがあって、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠にすることは甚だしい筋違いである」。
 この判決は、全国全ての原発に当てはまるものではないでしょうか。知事は、この件に対する6月定例会藤岡質問に「係争中」と見解を述べませんでしたが、福島の現状を考えても再稼動すべきでないと、せめて福井地裁の判決は尊重すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 長野県の自然エネルギー、再生可能エネルギーの潜在力は高いものがあります。現在の長野県のエネルギー自給率を踏まえ、太陽光エネルギー補助など今後の開発計画を立案し、エネルギー政策転換を長野県から発信すべきと考えますが、知事の見解を伺います。
【阿部知事】
 次に原子力発電所の再稼動であります。このことについては、国において責任のある対応をしていただくということが必要だと、再三ご答弁申しあげてきております。原子力発電の取扱については、県として、いかなる事情よりも安全性を重視した政策を講じること、原発依存度を可能な限り低減すること、原子力発電の必要性についての国民の十分な理解とプロセスが必要であること、こうしたことを国に対して求めてきているところであります。これからも基本的に同じスタンスで取り組んでまいります。
【両角議員】
 原発再稼動問題の再質問をいたします。
 福島県でも、避難生活で精神的に追い詰められていて、自ら命を絶った女性の遺族が、東京電力に損害賠償を求めた訴訟の判決は、東京電力側の非情な主張があったとのことですが、判決は、女性は生活の基盤を全て失い「極めて過酷な経験をした。耐えがたい精神的苦痛、負担を強いられた」と、福島第一原発の事故との因果関係を認めました。この判決も尊重されるべきです。
 再稼動を目指す九州の川内原発。規制委員会のずさんな審査。独自解析せず当事者の九州電力にまかせたデータで、異なる角度からの点検せずに適合とされた。
 福島原発で、取り返しのつかない原発被害を出してしまった国です。御嶽山の噴火を見ても予知は大変難しいと私は実感していますが、川内原発では桜島から数十キロの位置ですが、「火山対策で噴火を予知できる。対応可能」としています。果たしてそうでしょうか。3・11以降、地震であり、火山噴火であり、日本列島全体に危険度が増しているとの専門家の指摘もあります。汚染水の流出が今だ止まらずと、どの事例を見ても、今、原発再稼動反対の声を大きく挙げるときと思いますが、知事の見解を今一度お聞きいたします。
【阿部知事】
 原子力発電所の再稼動についてでございます。再稼動については、安全審査、これ徹底的な審査が必要であると思いますし、その上で原子力発電の必要性についても、国民の理解を得られるよう、丁寧なプロセスを踏んで、慎重に判断されることが必要だと考えております。

5.消費税について

【両角議員】
 次に知事が県税収が増えるから良しとする消費税についてであります。
 9月8日に内閣府が発表した4月~6月期のGDP国内総生産改定値は、年率換算で7.1%減。東日本大震災の影響で6.9%となった2011年1~3月期を超え、リーマン・ショック後の09年1~3月期年率15.0%以来のマイナス幅。企業の設備投資は、8月の速報段階での前年比2.5%減から、5.1%減に修正され、大幅な落ち込み。大企業を優遇する「アベノミクス」効果で、大企業は過去最高の利益を上げています。しかし、その利益が経済牽引する設備投資の拡大に向かっていない。背景にあるのは内需の冷え込みで、GDPの約6割を占める「個人消費」は5.1%。年換算では19.0%。前回の消費税増税直後の13.2%を超え、過去20年間で最大の落ち込みとのことです。
 実質雇用者報酬は、前年同期比1.9%減少。収入の目減りが消費の冷え込みの原因。景気回復に欠かせないとされる住宅投資は、前年比10.4%減。輸出は0.5%減。政府は「景気は穏やかな回復基調が続いている」としていますが、実際は、実質賃金が減り、消費が落ち込み、GDPが落ち込むという悪循環に、日本経済が消費税増税によって直面しているのが実態ではないでしょうか。
 知事選前の、これも信濃毎日新聞の世論調査では、経済雇用対策が一番に挙げられ、働き盛りの20代から40代は、半数近くの方が景気回復を望んでいます。
 以前、我が家のリフォームをお願いした業者の社長さんとお話しをしました。社長いわく「両角さん。10%になったらうちはやって行けないから、今度頼まれもだめだでね・・・」と。地場の商店街はシャッター通りと言われています。県民生活を守らなければならない知事の見解を伺います。
【阿部知事】
 次に消費税でございます。消費税の引上げによります社会保障制度の安定・充実、そして財政健全化を図る社会保障と税の一体改革、これにつきましては、国・地方の持続可能性を高めていくために必要な対応だというふうに考えております。しかしながら10%への引上げにつきましては、今後政府が判断するわけでありますが、地域経済の状況等も総合的に勘案した上で、慎重な判断がなされるべきだと考えております。以上です。
【両角議員】
 消費税について再質問いたします。
 知事は、昨年9月3日、我々会派の「増税中止を国に求めること」の申し入れに対し、消費税の「増税は子や孫につけを回さないためで、県としても歳入になる」と、増税に期待する姿勢を示していました。しかし消費税引き上げは、県経済と県財政をさらに悪化させる引き金となります。仮に消費税にかかる税収が増えたとしても、その分地方交付税が減らされる仕組みになっていることも考慮に入れなければなりません。消費税を上げることが「県としても歳入になる」は期待できません。増えるのは消費税依存度だけです。このことはかつて。1997年に消費税率が3%から5%へ引き上げられ、その内1%が地方消費税とされた後、県財政が好転しなかったことを振り返っても明らかです。
 県の資料から算出しますと、1996年から10年後の2006年の県税の比較では、地方消費税が導入されたにもかかわらず、9億円減となっています。それは消費税の引き上げが、長野県経済を含む日本経済の長期大不況の引き金となり、地方消費税以外の県税収を激減させてしまったからです。
 消費税は逆進性の高い税金です。所得のない子どもや利益のない企業などからも容赦なく取り立てる過酷な税金です。庶民増税・金持ち減税は、新自由主義政策の基本の柱の1つです。県民生活の安定を第一に考えるならば、消費税率引き上げの中止はもとより、消費税そのものの廃止を求めて行くことが、県民の防波堤としての知事の役割ではないでしょうか。そして大企業減税の中止、富裕層への応分の負担、大型公共事業等の歳出の無駄の一掃を求めていくべきです。
 ここで2008年にノーベル経済学賞を受賞した、アメリカのポール・クルーグマン大学教授の指摘を紹介します。教授いわく「私はこれまで安倍晋三政権によるアベノミクスを支持してきましたが、4月に消費税を5%から8%に増税し、さらに来年には10%に増税すると示唆している。すでに消費税という『自己破壊的な政策』を実行に移したことで、日本経済は勢いを失い始めています。このままいけば、最悪の場合、日本がデフレ時代に逆戻りするかも知れない。安倍政権は、本当に『しでかしてしまった』と言うのが私の印象です。もし安倍政権が10%にゴーサインを出せば、日本経済はデフレ不況に逆戻りし、そこから再び浮上することはほとんど不可能なほどの惨状になる。この危機を脱するには、答えは簡単。元の税率に戻せばいい」。
 今、県内議会で「10%増税」の中止を求める意見書が広がっていることも含め、再度知事の見解を求めます。
【阿部知事】
 消費税でありますが、これも先ほどご答弁申しあげましたが、政府において経済情勢十分に勘案した上で、慎重に判断されるべきものと考えております。以上です。
【両角議員】
 どの項目も、県民にとって大変重要な中身かと思い再質問をいたしましたが、淋しい限りであります。どれも重要な中身の項目です。真摯に取組んでいただきたいと申しあげ、次の質問事項に移ります。

6.乳幼児医療費の医療機関での窓口無料化について

【両角議員】
 次は、病院での窓口無料についてであります。
 長野県保険医協会が昨年12月に実施した「学校歯科治療調査報告書」が公表されています。それによりますと、県下の公立小学校・中学校に向けて調査し、小学校203校、中学校110校、と約6割の学校から回答が寄せられていました。
 回答のあった小学校で、歯科検診を受けた児童は6万770人。この内2万787人が要歯科受診と診断されました。これは検診を受けた児童の34.2%にあたり、その内歯科を実際に受診した児童は1万1888人で、6割近くにとどまり、4割強の児童は受診していませんでした。
 中学校では、検診を受けた生徒は3万5714人。この内9125人が要歯科受診と診断され、実際に受診した生徒は3431人。4割弱にとどまり、6割強の生徒が受診していません。つまり小学生では4割強、中学生では6割強の児童・生徒が、歯科受診が必要と診断されたにもかかわらず受診していない、深刻な実態が浮かび上がったとしています。
 受診しやすい環境の整備が急務とし、歯科を受診しない理由の分析では、親の意識が53%。次いで家庭環境が18.4%。経済的理由が15.0%。本人の意識が10.6%と続きます。経済的理由には「経済的に苦しい家庭がある」との意見がある一方、「福祉医療制度があるので経済的理由で受診しない児童はあまりいないのではないか」との意見もあります。しかしながら「当日窓口で支払う現金がないために受診できない」「通院時に窓口で支払うお金がないからと受診せずにひどい虫歯が放置されていたケースもありました」とあります。経済的理由を深刻に受け止める意見があることも事実です。
 まとめの中で「現在、歯と全身の健康との密接な関係が多く報道されるようになりましたが、歯を残すための早期治療や、歯科医院での指導の重要性が十分理解されているとは言えません」「私たちは、歯の大切さをこれまで以上に伝えていくとともに、親が子どもを歯科医院に連れて行きやすい社会環境の整備、そして、子どもの医療費について窓口負担無料化はぜひ必要な事項と考えますので、その実現に向け引き続き働き掛けて行きます」としています。
 私は、何回かこの問題を取り上げ、前回は群馬県の県議会の議場でのやり取りを紹介し、その中で「窓口無料にして一番顕著に表れたのが歯科への受診が増え、結果、虫歯を持つ子どもさんが劇的に減ったことだ」との理事者回答をここでお示しいたしました。 
 今回の調査結果を受けても、窓口無料化の必要性はハッキリしています。知事は、国の事業だと答弁をされてきましたが、国がやらないから代わって県がやる。この姿勢が大切だと思いますがいかがでしょうか。全国では、国がやらないから都府県でやると、37の都府県が既に実施しています。
 未来を託す子どもたちです。所得制限をつけるなどせず、「全ての子どもたちを社会の責任で育てる」。この大原則にのっとり、完全実施を望みますが、いかがでしょうか。知事に伺います。
【阿部知事】
 お答えします。まず乳幼児医療費の窓口無料化についてのご質問でございます。これについても再三お答えしてまいりましたので、同じ答弁をしても仕方ないと思いますが、ちょっと切り口を変えます。
 県と市町村の協議の場で、この子育て支援の対策をしっかり考えていこうということで検討しています。その検討の柱の1つが、経済的負担の軽減ということであります。子育て世代の皆さんの負担、この医療費の話のみならず、教育費、保育料、さまざまあるわけでありますので、そういったもの、どういう部分を支援していくことが望ましいのかということを、市町村の皆さんと一緒に検討した上で、具体化をしていきたいと考えております。
【両角議員】
 答弁いただきましたが、窓口無料化について再質問いたします。
 障がいをお持ちの子どもさんの窓口での支払いが、月に30万円との話も聞いています。レセプト1枚につき500円の負担金があります。2009年まで300円だったものを県の方針で500円に値上したものです。県の方針を知事が変えれば500円を300円にあるいはゼロにすることもすぐできます。
 現行制度、自動給付方式、外来が就学前、入院が小学3年生までを全て無料にすると、その影響額は総額ざっと27億その内、国からのペナルティとして国民健康保険国庫負担金の減額9億円健康保険組合からの付加給付の停止2億円。お父さんお母さんのレセプトへの負担金が、なんと16億円と一番多い。
 県の方針で変更可能な負担金は知事の判断で減額も可能です。市町村の頑張りを言うのであれば県として対象年齢の引き上げは当然するべきと思います。 9月議会では、伊那市議会が、県に対して、経済的な困難を抱えた世帯が、当面の医療費の心配なく受診できるよう、子育て支援、人口増対策のためにもと、子ども・障がい者の窓口無料を求める意見書を全会一致で採択としています。伊那市を含め10の市町村が県に窓口無料化を求める意見書を可決しています。市長会からの要望も報道されています。これらを踏まえての、知事の見解を求めます。
 7月30日に読売新聞ですが、「同級生と住む世界が違うんだ」の見出しで、子どもの貧困についての記事が載りました。豊かなはずの日本で、子ども6人に1人が貧困に苦しんでいる。厚生労働省が15日に公表した2012年に子どもの貧困率は、16,3%で過去最悪を更新した。貧しさから進学をあきらめる子や、食事も満足にとれない子もいる。家庭の経済状況で、子どもの将来が左右されない、社会をつくるにはどうすべきか。るる書かれていますが、
 「これまで、よく頑張ったね」2012年冬、長野県内に住む元派遣労働者の女性(28)は、娘の受診のために訪れた病院で医師から声をかけられ、泣き崩れた。夫の暴力に耐えかね、10年に長女(8)と次女(6)を連れて家を出た。うつ病で仕事を休みがちになり、収入が減って食事もまかなえなくなった。そんな時、医師からやさしくされ、思わず「助けてください。どうしていいかわからない」と叫んでいた。医師から紹介された病院の相談員の勧めで福祉事務所に生活保護を受けられるか相談したが、「仕事をしてください」とはねつけられた。病状は悪化し、仕事にも就けなくなった。
 長野県内の例が示されています。それは、電気を止められ、ろうそくをともして暮らした。娘の食事はもらった野菜と買い置きのコメで作った雑炊が茶碗に1杯ずつ。「このまま死んじゃうの?」おなかをすかせた娘から聞かれても、抱きしめることしかできなかった。相談員の後押しで生活保護を受けられるようになったのは、今年1月。ようやく子供に肉を食べさせて上げられるようになった。
 女性は訴える。「病院の人に感謝している」。でも、子供が死ぬかもしれないという想いをするまで、行政は目を向けてくれなかった。 
 私たちのような人は、たくさんいるはずです。こんな中身でした。
「貧困家庭の子供のSOSが届いていない」貧困を「恥」と考えたり、子供を育てられない親だと思われるのを心配したり。これは、現実です。
知事が、子育てを総合的な支援体制で、と言うなら、医療の分野では、窓口無料を実施すべきではないでしょうか。
 毎年27億円の予算が必要です。そのうえ制度の拡充を私たちは切望しています。しかし、一般会計8,600億円の予算を持つ、長野県です。子どもは社会の宝。社会が育てる。この姿勢が大切と思います。いかがでしょうか。知事に再度伺います。
【阿部知事】
 まず、福祉医療についてのご質問でございます。子どもの貧困対策、先程もご答弁申しあげましたが、県としてもさらに対策を強めていかなければいけないというふうに考えております。未来を担う子どもたちに対する支援をしっかりと行っていくということは、私も全くそのとおりだと思っております。ただ常に窓口無料化という一点だけということで、いつも話がかみあわないと思っているんですけれど、先ほど申しあげましたが、子育て世代の皆さん方の負担については、色湯費以外のものもさまざまあります。また先程のお話にもありましたが、例えば乳幼児医療費の支援、長野県は所得制限無しでやっております。今現在、これはもう両角議員には重々ご承知の上でご質問されているんだろうと思って申しあげますけれども、所得制限つきの制度の県もたくさんあるわけでございます。そういう中で、一部の部分だけとり上げて、長野県があたかも極めて劣っているかのようなことをさまざまなところで言われてしまうのは、私としてもいろんな取組を行っても非常に切ないなと、先程おっしゃっていただきましたけれども、私も共産党の皆様方とお話をしていると、いつもそういう思いになってしまいます。幅広い観点でですね、子どもたちをどう支えるかということをしっかりと考えていかなければいけないというふうに思います。是非この医療費についてもそうでありますし、他のことも含めてですね、子どもたちに対してどういう支援をしていくのか、そして子どもたちを支えている保護者の方々、支援をされている皆様方にどういう支援を行っていくのか、そういうことをトータルで考えていくことが私は重要だと思っております。

7.農業問題について

【両角議員】
 次に農業問題について伺います。
 実りの秋を迎え、県内でも米の収穫が盛んに行われています。長野県を含む関東農政局管内の米の生産費は、60キロ1万7139円。しかし今年の長野県内農家への農協が年内に支払う概算金は、コシヒカリで1万192円。昨年比14.6%下げ、05年産以降最低価。農家は本当に大変です。安倍内閣は、農業・農村の「所得倍増」を打ち出しましたが、主食の米すらこの状況であり、不安や批判の声が上がっています。暴落の背景には、JA全農や米の卸売業者が13年度米の在庫を過剰に抱え「投げ売り」する状況。安倍内閣は、輸入米を増やすTPPを前提に、国の需要調整責任を放棄し、農家に「自己責任」を迫っています。2018年からは国による米の生産調整を廃止することになっており、生産調整を達成した農家への交付金も今年から半減です。政府保有の古米を飼料用あるいは援助米に回すなどし、過剰な13年度米を政府が買い上げることにより、格安定を図ること。多くの農家が望んでいることです。
 日本の食料受給率が、先進国の中で異常です。食料の海外依存の危険が明らかになっています。安全・安心な国産農産物が安定的に供給できるよう、対策を国に求める必要性を強く感じておりますが、見解を知事に伺います。
 TPPについても伺います。昨年12月に開かれたTPP閣僚会合では、合意に至らず「年内妥結」どころか大筋の合意さえ発表することができず、再度交渉を行うことになり、関 税をはじめ知的財産権、国有企業などの各分野での各国の主張は対立したまま終わりました。予断は許しませんが、TPP交渉全体に矛盾が深まっています。安倍政権は、「農産物の重要5項目を聖域とする」という自らの公約にも背き、重要5項目の一部を関税撤廃の対象とするという譲歩を始めました。
 しかし、それに対するアメリカの回答は「全品目、100%の関税撤廃」というものでした。安倍政権は、日本には一定の農産物の重要品目があることを、昨年2月の日米首脳会談でオバマ大統領が認めたと説明し、TPP交渉に参加しました。しかし、それは「空約束」。「例外なき関税撤廃」こそがTPPの真実だということが明瞭になりました。秘密交渉で、この真相を隠したまま、日本の将来を犠牲にした譲歩という結論を問答無用で押し付けるなど、絶対にあってはなりません。
 先月、2日間に及ぶアメリカとの閣僚折衝も進展なし。今後の見通しも立たない状況です。安倍政権が公約を守るというなら、TPP交渉からただちに撤退するべきではないでしょうか。影響額は未だ県から示されませんが、長野県農業にとって大きいな影響があると見通せます。長野県農業を守るためにも、国に交渉撤退を迫るべきと考えますが、いかがでしょうか。知事に伺います。
【阿部知事】
 米価の安定についてでございます。過剰在庫によります米価の大幅な下落、水田農業の経営の維持、食料の安定供給の観点から、憂慮すべき状況と考えております。過剰米対策としては、米穀供給安定確保支援機構が25年産米を全国で35万トン買い取り、長野県産米の過剰は解消されたところであります。
 国は、米価の下落に対する経営安定策として、減少した収入の一部を補てんする制度を措置しており、農家経営の影響が最小限となりますよう、県として補てん金の早期交付と、制度の弾力的運用を国に要請してまいります。
 TPPの関連でございますが、政府は、「重要5品目」等の聖域の確保については、国会の衆参農林委員会の決議を踏まえ、国益を守り抜くよう全力を尽くすとして交渉をしております。最近の状況としても、西川農林水産大臣が、衆参両院の国会決議を守りぬく前提があるので、ここをクリアした話でなければ、日本が合意できないわけであり、それに向かって全力で交渉していると述べ、政府の姿勢は変わっていないというふうに考えております。今後とも毅然とした姿勢を貫いて交渉に臨むように求めてまいります。
【両角議員】
 米価問題、米価下落では、県によっては国に直接知事が出向要望活動をしたり、秋田県では、農家向けの無利子融資制度を創設し、最大個人500万円、法人2000万円とし、金利は県と金融機関が折半。東成瀬村では「コメ対策激減緩和補助金」を設け1100円の補助。JA秋田やまもとでは「農協も大変だが農家も大変と500円の上積を決定。長野県も取り組むべきです。いかがでしょうか。
 長野県農業の中で家族農業の占める割合は多い。ここを応援するような、「地産地消」「地域にあった奨励作物」それを奨励し、補助金も出す。今、スーパーに行っても国産大豆の納豆を探すのが大変との事です。
 農業県長野です。県内農家の振興のため、県独自の価格保障や中山間地域の支援策を講ずるべきと考えますがいかがでしょうか。知事に伺います。
【阿部知事】
 農業についてでございますが、農業振興策、県独自の価格補償制度の創設についてというお話でございます。農産物の価格を補償する価格補償制度は、これはWTO協定において削減すべき政策として位置付けられております。したがってこうした制度を創設することは困難と考えております。しかしながらこうした情勢の下で、国においては現在農業経営の安定のための新たなセイフティネットとして、農業経営全体に着目して価格低下を含めた収入減少を補てんする保険制度の導入に向け、調査検討を始めております。県としてはこの収入補てん制度の検討状況について、情報提供を求めますとともに、この制度が農業経営の安定につながるものとなるよう国に要請していきたいと考えております。以上です。

8.豪雨災害・土砂災害について

【両角議員】
 次に、豪雨災害・土砂災害についてであります。
 7月9日に発生した南木曽町での土石流。犠牲になられた15歳の榑沼海斗君の御冥福を、南木曽町の皆様にはお見舞いを申し上げます。
 また、74名もの犠牲者が出てしまった、広島市北部の土砂災害に対しましても、お悔やみとお見舞いを申し上げます。
 私どもが南木曽町の災害現場に入りましたのは、7月12日「海斗君」の葬式の当日でした。現場をつぶさに見た後、宮川町長と懇談しました。土石流発生当日、町に接近する台風8号に対する対策会議を関係職員と町長室で行っていたところ、部屋の窓から土石流で押し流されて来た流木が山と折り重なる状況を職員と一緒に目撃、ただ事でないと判断し、避難勧告を出したとの事でした。
 今回の広島市を見てみますと、報道の範囲ですが、土砂災害防止法制定の切っ掛けとなったとされる1999年6月に広島県各地で起きた土砂災害で32名の死者・行方不明者を出した15年前の教訓は生かされたのか。
 今回の土砂災害で行政が最初に住民に避難勧告を出したのは、8月20日午前4時15分。しかし、その約1時間前3時21分には最初の土石流が起きていたとの事です。  私たち県議団は、9月9日「9月議会」に対する知事申し入れを行い、その中で南木曽町での土石流をはじめ、時間雨量が50ミリを超え100ミリに達するような異常な豪雨による災害が全国的に頻発していることを踏まえて、改めて避難のあり方を検討して下さい。また、国土交通省が配備した新レーダー「エックスレイン」から長野県が抜けていることへの改善など、必要な処置を国に求めてくださいと申し入れました。
 答弁では、しっかり対応したい。土砂災害警戒区域は前倒しをしたい。避難勧告の意思決定は市町村長ですので、私からは、注意喚起を即す内容の手紙を本日にも出したい。「エックスレイン」は、250mメッシュで観測可能、1,2分で更新される。しかし、山岳部では電波の特徴で障害が多く導入が進んでいない。現在37基導入されている。本年も新型導入の動きがあるようですので要望してまいります。との事でしたが再度確認いたします。
 土砂災害警戒区域指定の作業は、今定例会に補正も組まれ、2,016年には指定を終える方針との事ですが、土砂災害・土石流被災が心配される、多くの方が現在住んでいる、宅地の安全性の調査がどうしても必要と考えますが、いかがでしょうか。
 広島市の場合ようやく出された避難勧告や指示が、スピーカーで野外に放送できる防災無線が設置してない地域があった。設置されていた地域でも雷のためほとんど聞こえなかった、など住民への伝達のさまざまな弱点があったことも分かって来たとの事です。避難勧告がうまく伝わり、避難しようとしても、激しい雷と豪雨のなか、深夜に避難所に移動できたのか、隣近所の頑丈な建物などにまず避難するなどの対策の必要性も指摘されています。これらの教訓は早急に生かすことが求められます。長野県では現在どのように受けとめられ検討されているでしょうか。
 現実に全国各地で起きているゲリラ豪雨、広島市の土石流災害、南木曽町での砂防堰堤に押し寄せた土石流を見たときに、浅川ダムは大丈夫かと9月12日に県議団として現地調査を行いました。浅川ダムの建設地は、1985年7月に発生した地附山地滑り災害を起こした、裾花凝灰岩層です。浅川ダムの建設地が決定されるまでに何回か変更し、検討が続けられてきた。それは地質が悪かったため。凝灰岩層はかつての火山灰など火山噴出物の堆積地層。
 県の予算を見ても安全面での追加工事ための予算を計上されました。
 浅川ダムは、流水型ダム、土石流発生時にはあの穴が詰まる可能性が大ではないでしょうか。試験湛水後の水抜きは、ポンプで行うとの説明の通り、浅川ダムには貯水位調整機能がなく、土石流・土砂災害によって穴が詰まりダム湖が満水この状態で、重力式コンクリートダムですから、本体はビクともしないとしても、安全面の追加工事が必要なほどの崩れやすい凝灰岩層、両脇は大丈夫なのか、改めて、検証、検討が必要ではないでしょうか、知事の見解を伺います。
【阿部知事】
 次に豪雨災害、土砂災害についてでございます。まず「エックス・レイン」でございます。政令指定都市等の都市部から配備をされているところであります。現在県内の降雨状況の把握は、県が運用します「河川・砂防情報ステーション」、国土交通省の「Cバンド・レーダー」や、気象庁の「高解像度防水ナウキャスト」を活用しております。「エックス・レイン」観測用電波は、波長が短く、山岳等において遮蔽されやすいという特徴があり、長野県においては、その効果は発揮しにくいというふうに言われております。そのため国では順次「Cバンド・レーダー」を高性能化して観測態勢の強化を検討中で有ります。県では「エックス・レイン」も含めて、県内の地形に応じた最新の降雨観測システムを配備し、迅速かつ高精度な情報の発信が行われるように、引き続き国に対して要望してまいります。
 次に避難対応についての支援についてでございます。避難勧告等の発令、市町村長の権限ということになっております。気象情報を的確に把握した上で、避難の判断を迅速に行っていただき、この情報を防災行政無線あるいはその他さまざまな手段で伝えていくことが重要であります。携帯電話に情報伝達が行える緊急速報メールでありますとか、有線放送の活用等、複数の情報伝達手段が活用されてきているところであります。9月9日付広島の土砂災害等を踏まえて、私から県内の全市町村長に対しまして、所感を出させていただいております。災害時に万全の体制が取れるように、注意喚起を行わせていただきました。その内容としては、避難勧告等の発令の際に、消防団等による個別訪問等、具体的な判断基準や伝達方法を記した避難勧告等の判断・伝達マニュアルを策定するあるいはすでに策定されている所も見直しを検討して欲しいと。そして県ホームページからアクセスできる「河川・砂防ステーション」で、降水量、河川水位等の情報提供を行なっておりますので、こうしたものの活用と。避難所等移動することにより却って人命に危険が及ぶおそれがあると認められるときは、建物内の比較的安全な場所への避難等を行うと。そうした点の注意喚起を行ったところでございます。今後とも住民の皆さんの生命・財産を守るため、市町村と連携してハード・ソフト両面から対応を行ってまいります。
 防災知己啓発でございますが、市町村と連携して防災意識の啓発につとめているところでございます。土砂災害危険箇所、土砂災害警戒区域等を指定して、周知に努めております。また自治防災組織、自治会等に県職員が出向いて、講座を行っております。さらに消防機関のOB等を自主防災アドバイザーとして委嘱して、自主防災組織の立ち上げや活動の活性化に支援を行って降ります。今後とも、研修会あるいは訓練の実施などを通じて、防災知識の普及・啓発を図ってまいります。
 浅川ダムの安全性についてでございます。これまで地質調査等念には念を入れて実施をしてきております。安全性確認をしながら進めております。お話の常用洪水吐につきましては、土砂・流木の流下量に関する調査、貯水池内における土砂異動に関する解析とともに、模型実験を実施して、洪水時であっても常用洪水吐は閉塞しないことを確認しております。ダム両脇の裾花凝灰岩は、事前のボーリング調査等におきまして、十分な強度を有していることを確認しております他、工事においても岩盤の性状と分布の状況を全面に渡って行い、十分な教組を有していることを確認しておりまして、ダム両脇の裾花凝灰岩が崩れる虞はなく、改めて検証の必要はないと考えております。今後も試験湛水等を含めて、念には念を入れて、安全性を確認いたしますとともに、専門家からなる浅川ダム施工技術委員会の助言も得ながら、工事を慎重かつ確実に進めてまいりたいと考えております。以上でございます。
【両角議員】
 代表質問であり、再々質問と言うのは無いのかもしれませんが、窓口無料については、知事が子育てを総合的な姿勢をとっていくとおっしゃっておられます。長野県の7万余の方々が知事に直接要望を伝えていった経過もございます。切ないのであれば是非実行していただきたいとこのように思います。窓口無料は子育て世代・障がい者をお持ちの皆さんの願いです。一行でも前進しますよう、また農業は国の基。農業県長野再生のためにも、力を尽くしていただきたいと申しあげ、次の質問に移ります。

9.教育について

【両角議員】
 教育について伺います。
 安倍政権になって、戦後の教育史上かつてない激しさで「教育再生」が加速しています。この動きに対し、新潟大学の世取山(よとりやま)洋介教授はこうコメントしています。
 安倍教育再生のねらいは、侵略戦争の美化など復古的な側面とともに、教育の「新自由主義化」を進めるのが大きな特徴です。全ての子どもに等しく教育環境を整備し成長・発展を保障する公教育の役割を縮小して、早期選別を行い、エリート教育にお金(財源)を集中投下することです。教育の目的を「人格の完成」から、経済に貢献する「人材育成」へと大転換しようというのです。そのために「新しい国家主義」を注入しようとしています。「国際経済競争の中でうち勝つ日本」をめざし、経済競争に国民を「総動員」し、自らを犠牲にすることをいとわない人造りです。 教師に対しては、政府が詳細な、学習成果などの達成基準を押しつけ、達成できたかを管理します。本来の教師の仕事と真っ向から反するものです。教師の仕事は、日常的に生徒が出す素朴な要求をくみ取って、教師一人ひとりが考えて実践することです。それなのに、学力テスト対策に追われるなど、教師がやりがいを感じにくくなる教育現場になっています。
 私は、「教師に対しては、政府が詳細な、学習成果などの達成基準を押しつけ、達成できたか管理する。この政府がという点が今回の「地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」になって表れているのではと考えています。教育委員会を引き続き執行機関とし、職務権限は従来どおりとする。としながらも、教育委員長と教育長を一本化した新たな責任者(新教育長)を置き、教育の政治的中立性、継続性・安定性を確保しつつ、地方教育行政における責任の明確化、迅速な危機管理体制の構築、首長との連携の強化を図るとともに、地方に対する国の関与の見直しを図るため、地方教育行政制度の改革を行う。そして、首長に、総合教育会議の設置を義務付け、会議は、首長が招集する。首長は、総合教育会議において、教育委員会と協議し、教育基本法第17条(政府は、教育の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、教育の振興に関する施策についての基本的な方針及び講ずべき施策その他必要な事項について、基本的な計画を定め、これを国会に報告するとともに、公表しなければならない。2項で地方公共団体は、前項の計画を参酌し、その地域の実情に応じ、当該地方公共団体における教育の振興のため施策に関する基本的な計画を定めるよう努めなければならない。)に規定する基本的な方針を参酌して、教育に関する施策の大綱を策定する。
 2005年頃に大問題になった教育基本法の改悪がここで姿を現し、政府の関与を可能にし、それを地方まで及ばせようとすると解釈できます。
 教育行政に首長が関与することで教育の中立性が担保できるか危惧される事項であり慎重にすべきであると考えるのに、来年4月の法施行を待たずに年内立ち上げは、現場の混乱も考えられますし、いかがなものかと思いますが、知事の見解を伺います。
【阿部知事】
 まず教育についてのご質問でございます。総合教育会議の設置についてでございますが、これ教育委員会と私との協議の場、これまでも持って来ましたし、もっと増やす必要性を感じていたところでございます。今回の法改正を受けまして、出来るだけ早くその場を設けたいというふうに考えました。教育委員会事務局にその可否を打診しましたところ、教育委員会としても知事と意見交換を出来る機会が増えることは望ましいと、是非実施したいということでございましたので、法の趣旨を踏まえつつ、年内に教育委員会と意見交換を行う場として設けて行きたいと考えております。
 総合教育会議について、年内に設置する必要性ということでございます。私は公約に掲げた「人材教育県創り」を着実に推進していく上では、平成27年度以降の教育政策をどう展開していくかというその方向性について、できるだけ早い時期に教育委員会と共通認識を図っていく必要があるというふうに考えております。従いまして年内に開催していきたいと考えております。このことによって、学校等の現場で混乱が生ずるというようなものではまったくないというふうに思っております。以上です。
【両角議員】
 次に、教育委員会にお聞きします。中学2年生を中心に行われる職場体験で、「体験入隊」と呼ばれる自衛隊での職場体験が行われていると知り、大変に驚きました。松本駐屯地で行われ、「体験入隊」のメニューには「軍用トラックや高機動車への体験乗車」「止血法と心肺蘇生法体験」「コンパス行進」があるとの事ですが、なんと、「ほふく前進」をしたという情報が寄せられたとのことです。 生徒たちに人を殺傷する武器・兵器・軍用車両を見せたり乗せたり、戦場でしか行わない行為させるなどもってのほかです。集団的自衛権行使容認の動きがある時期です。県教育委員会として、現状把握は、きちんとされているのか、今までどのような態度で臨んでいたのか、「ほふく前進」が事実とすれば、即刻自衛隊での職場体験は、中止すべきと思いなすが、いかがでしょうか、教育委員会に伺います。
 長野市・松本市だけでなく、安曇野市でも全県でも問題になっています、養護学校のプレハブ化の解消と学校まで1時間も掛っている送迎環境の解消等につい改善策、見通しについて教育長に伺います。子供たちにとって、親御さんにとって、展望の持てる回答を願います。
 学ぶ意欲や能力のある若者が経済的理由で大学等に行かれないのはあまりにもかわいそうであります。下村文部科学大臣は、中学生か高校生の時に御父さんを亡くされ、高校・大学と奨学金で卒業した。本人いわく給付制をいずれ考えなくてはいけない、現状は奨学金と言うよりも学生ローンだ。といいきり、今年度も無利子の奨学金枠を増やしたが、来年度はもっと増やす。とテレビ中継で話されていました。トップがそう言っているんであるから、いずれと言わずに来年度からからでも給付型をと国に要望していただきたい。プラス、県独自の給付制度、入学金に限り実施の運びとなりましたが、全国から給付制への風穴が開いたと歓迎されています。しかし学生の現状を考えると、更なる拡充を望みますがいかがでしょうか。教育長に伺います。
【教育長】
 まず体験学習教育のあり方についてのお尋ねでございます。中学校におきます職場体験学習は、実際に働くことの体験を通しまして、生徒が働くということの意義や、自分の生き方について考え、勤労観・職業観を形成することを狙いとしており、市町村教育委員会等の協力を得て、各中学校が責任をもって実施しているものでございます。ご指摘の職場体験学習については、自衛隊から示された体験プログラムを市町村教育委員会および学校が検討して生徒に示し、希望を尊重し実施したものであり、中学校における体験学習の一環として行われたものと認識してございます。それぞれの学校で行われる職場体験の内容については、市町村教育委員会および学校が、教育的効果を十分検討の上判断し、適切に実施しているものと承知をしております。
 次に特別支援学校の学習環境の改善についてのお尋ねでございます。特別支援学校では、児童・生徒数の急増に伴い、教室の増築等教育環境の改善に取り組んでいるところでありますが、スクールバスについても、利用者の増加に伴い、順次増車や大型化を進めるなど、送迎環境の改善に対応してきているところでございます。今後児童・生徒数全体の減少が見込まれる中で、特別の支援を要する児童・生徒数の見込みや、それぞれの地域の状況を勘案しながら、特別支援学校の学習環境の改善に努めてまいりたいと考えております。
 次に奨学金制度の充実に関わる国への要望についてのお尋ねでございます。高校生が、家庭の経済的状況に左右されずに進学が実現できることは重要であると認識しており、このような観点から県は、全国に先駆けて県内大学奨学金給付事業を、本年度から実施をしているところであります。国の奨学金制度については、全国都道府県教育委員会連合会を通じ、平成27年度の国の予算に関する要望において、その充実を図るよう要望しているところでございますが、本県としても給付型奨学金の導入も含め、制度の充実を機会をとらえて要望してまいりたいと思います。
 次に県内大学奨学金給付事業の充実についてのお尋ねでございますが、県内大学奨学金給付事業の充実につきましては、今年度が初年度でございますので、応募状況や本制度に対する学校や生徒の意見を踏まえ、その実情や成果を検証しながら検討をしてまいりたいと考えております。
【両角議員】
 教育について再質問いたします。
 職場体験ですが、国の決めとは言え、今の時代中学で必要なのか、現場の先生方大変忙しく、受け入れ先の企業等を探すのも大変。そのためにかなりの時間を割いているとの事です。全国には、自衛隊駐屯地で中学生が迷彩服を着ての行進。ロープを使っての崖に見立てた斜面を下りる等も行われているとか。戦車の前での記念撮影、だんだんエスカレートする危険性もあります。「再び戦争に子どもたちを送らない」。全県民の誓いです。市町村教委や学校に任せるとのお話もありましたが、ここはやはり県教委がきちんと一緒になって進めていく必要があると。事実とすればやめるべきと、私は「ほふく前進」を問題にしているんですが、そのことを再度教育委員長に伺います。
 10月にも前倒しして、開催しようとしている「総合教育会議」ですが、その法的根拠はどこにあるのか、会議の事務局はどの部署に置くつもりか。そこで何を議論しようと考えているか。また知事選、投票前の野口候補との公開討論会で、教育に関連して、当選後にやりたいことは「人事」と「研修」と答えていたが、具体的にどんな内容を想定しているか。知事に伺います。
【教育委員会委員長】
 お答えいたします。繰り返しになりますが、それぞれの学校で行われております職場体験実習の内容につきましては、市町村教育委員会および学校が、教育的効果を十分検討の 上に判断をして、適切に実施をしているものというふうに承知をしております。以上でございます。
【阿部知事】
 総合教育会議についてのご質問でございます。今月末に開催予定の会議については、改正法の趣旨を十分踏まえて、まず要綱に基づいて設置をしようと思っております。施行日の来年4月以降は、法に基づく会議として位置付けて行きたいと考えております。事務局、総合的な調整機能を担っております総合政策課を事務局としてスタートさせて行きたいと考えております。
 選挙のときの発言、正確な引用をしていただかなかったんで、ちょっと前後の文脈がわからないんですが、少なくても個別の人事に私が直接権限を行使するということなどは当然ありえないと思っております。人事のあり方とか、研修のあり方とか、人づくり、人の確保、そういったことについては教育委員会と問題意識を共有するということはありうると思っております。以上です。

10.医療と介護について

【両角議員】
 医療と介護制度について伺います。
 社会保障改革「医療介護の総合推進法」が、十分な審議をされずに今年の6月、国会を通ってしまいました。医療・介護などの社会保障の改革の道筋が示され、これによると、医療の分野では、急性期病院では中心となっている、33万床ある7対1看護の病床を削減し、18万床の急性期機能に再編するなど、全体の必要病床数202万床へらして、159万床に削減。     1日260円の入院給食費を460円にとか、自由診療の拡大などが予定されています。
 介護では、介護保険の要支援者を全国一律に介護保険給付から外し、市町村へ移管。県内5000名の待機者が居られるのに増設ではなく、特別養護老人ホームへの入所の要件を介護度3以上に限定。ハードルを高くする。
 このように、医療難民。介護難民を生みだす、福祉の為と消費税率を上げながら、弱者を切り捨てる施策以外の何物でもありません。国の姿勢は明らかにおかしい。県内でどのような影響が出ると考えているか、病床を減らす、その最後の勧告までしなくてはいけないことになっております、知事の見解を伺います。また、市町村への移管では、その受け皿として、民間、ボランティアを当てにする状況です。市町村格差が拡大します。介護職員の人員確保など県独自の救済策を打ち出す必要性を感じていますがいかがでしょうか知事に伺います。
【阿部知事】
 医療と介護についてでございます。医療と介護の制度改革についてでございますが、今般の医療介護サービスにかかる制度改革、急性期機能に偏った病床構成を見直す等、病床の機能分化・連携を推進するとともに、入院療養だけでなく、可能な限り患者の皆様方が、住みなれた自宅、介護施設で療養できる社会の構築を目指していくものと考えております。ご指摘の病床の機能転換数、病床全体の削減数は、泥土改革を行う上で行われたシミュレーションの1つというふうに考えております。わが国が目指す病床数は27年度から28年度、来年度から再来年度にかけて各都道府県、私どもも策定いたします地域医療構想によって定まっていくものと考えております。
 次に介護保険給付につきましては、要支援者に対する予防給付のうち、通称「訪問介護」が市町村事業に移行することになっております。これは地域の実情に応じて、既存の事業者に加えて、NPOや住民ボランティア等の活用により、介護サービスがより柔軟かつ効率的に提供されることを目指す制度改正と考えております。こうした改正の趣旨をしっかりと踏まえて、地域で取り熊なければいけないというふうに思います。
 また特別養護老人ホームの入所については、現在でも入所者の概ね9割は要介護度3以上ということで、さらに要介護度1、2であっても、高齢者の単身世帯等の場合には、今後施設の判断で特例的に入所できるという形になっております。したがって軽度の要介護者が一律に排除される制度となるものではないと考えております。県としては、団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据えて、高齢者の皆様方がどこにお住まいになっていても、必要なときに適切な医療・介護サービスが受けられる社会の構築を目指して行きたいと考えております。今後創設いたします地域医療・介護総合確保基金を活用して、施設整備や人材の確保・養成等に一生懸命精力的に取り組んで行きたいと考えております。以上です。

11.中小企業の振興について

【両角議員】
 中小企業の振興について伺います。
 長野県は、豊富な水資源、森林資源、温泉を有し、全国有数の日照時間を誇るなど、自然エネルギー・再生可能エネルギーを生みだすにはこの上ない素晴らしい環境を持っています。また、しあわせ信州創造プランにあるように、長野県の産業は、果敢に挑戦する企業家精神とそれを支える地域の力により、独自の技術を生みだし、絶えず競争力を高めてきた。特に製造業においては、超精密・超微細な加工技術を生かし、「ものづくり県」として世界に貢献している。
 この技術を担うのは中小企業であり、この中小企業をこれからどう守っていくかが大きな課題だと考えます。
 また、少子高齢化の中、若者を中心に雇用創出は急務の課題です。
 これらの課題を解消するためには、恵まれた自然環境を生かした、新しい産業の育成をしていく必要があると考えますが、知事の見解を伺います。
【阿部知事】
 中小企業に振興についてでございます。再生可能エネルギーを活用した産業の育成ということでございます。しあわせ信州創造プランの基本方針上、「貢献」と「自立」の経済構造への転換、長野県の取組として急務であります。次世代産業創設プロジェクトの中でも、環境エネルギー分野、成長期待分野に位置付けているところであります。そのため、県内企業、関係機関と一体となって、新しい産業創りに取り組んできております。例えば、工業技術総合センターにおきましては、太陽光で発電した電力を蓄える高性能な非常用電源装置の開発、これを県内の中小企業と共同で行いまして、その製品化を目指しております。またテクノ財団におきましても、小水力発電のエコ水車の開発と、その普及に向けた取組を県内企業23社と共同で行っているところであります。県といたしましては、こうした県内企業の環境エネルギー分野への参入を促進するとともに、これまで蓄積してきております省エネ化、そして小型化の技術を活かして、新しい産業の育成を図って行きたいと考えております。以上です。
【両角議員】
 忘れないことが最大の支援。3・11以降震災関連死された方が、今年の8月までに1748名。増え続けています。12月には秘密保護法が施行されるとの報道。消費税の大増税が予定され、命・平和・暮らしが脅かされる。大変な時代に、その只中に私たちはいます。多くの県民は、県政を県民の立場に立って掌り、生活を守って欲しいと願っていると思います。木曽の御嶽山が噴火し、救助・捜索・復興と、大変な日々が続くと思いますが、健康に留意されながらも全力でことに当たっていただきたい。力を尽くしていただきたいと申しあげ、日本共産党県議団を代表しての質問とさせていただきます。ありがとうございました。

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