日本共産党長野県会議員団

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議会質問

2014年11月定例会 小林伸陽議員一般質問と答弁

  1. 災害対策について
  2. 県産材の利用促進について
  3. 農業振興について
  4. リニア中央新幹線について

1.災害対策について

【小林議員】

それでは通告にしたがって質問いたします。

最初に災害対策についてお尋ねします。

①近年の東日本大震災、県北部地震、中部地震、今回の神城断層地震など地震の増加が顕著になってまいりました。全国的には住宅の倒壊などで尊い命が奪われています。今後は想定外と済まされることではありません。とりわけ伊那谷地方は東海地震の強化指定地域ともなり大規模地震が想定されています。公共施設の耐震化は一定の進捗を見ていますが、夜間の被災であれば就眠しているのは圧倒的多数が住宅です。個人住宅の耐震化は人命を守る上でも最重要課題です。現在の民間住宅の耐震化はどこまで進んでいるのか、進まないとしたらその原因と今後の対策について建設部長にお尋ねします。

②次に災害警戒区域についてお尋ねします。我が県は急傾斜地区の住宅も多く、集中豪雨による土石流災害の危険が想定される地域。また地滑り地域も多く危険地域に居住している皆さんも多いと思われますが、どれくらいの戸数が居住されているのか、又その地域の住民の皆さんに対して想定される災害の周知徹底はどこまで進んでいるのか建設部長にお尋ねします。

③次に県北部・中部、神城活断層地震など相次ぎ、御嶽山の火山等の活動も今後更に活発化の観測も想定されています。活断層の分布の実態をどの様に把握し地域住民の皆さんに周知徹底しているのか。危機管理部長にお尋ねします。

④次に仮設住宅についてお尋ねします。災害発生時の対応として、人命救助、食料の提供、避難所の確保は初期段階の緊急課題で一定の訓練や備蓄などの対策は進んでいますが、次の段階は仮設住宅の確保です。災害後、住宅の倒壊、流失などによる避難所の生活が長引き疲弊しきった被災者の声が放映されるたびに心が痛みます。仮設住宅の早期建設が求められていますが、なかなか進まないのが実態です。

東日本大地震の際「日本一の林業の町」を目指している、岩手県住田町の仮設住宅の取り組みを視察してきました。その対応は極めて敏速で、国や県の認可には時間がかかりすぎると無視し、被災直後、数週間後に木造の仮設住宅を建設。直ちに被災者の受け入れを始めたとのこと、それには災害時の仮設住宅の資材の事前の準備と対策を整えていたとのことでした。町内ではそれほどの被害はなかったが、釜石市などの甚大な被害を見る中で仮設住宅の必要性を判断しての町独自で対応されました。木造の戸建。被災で心も体も疲れきっている被災者に快適に暮らしを提供しようとの心配りに感心いたしました。

町の「日本一の林業を目指す」の政策の下に、被災者はいずれ自宅の再建に取り組む皆さん。木造住宅の魅力を実感してもらえる仮設住宅をと。プレハブよりはるかに安価で建設が早いとのことでした。人気が高く最終には93戸を建設したそうです。入居者からも大変好評でした。県としても災害時の仮設住宅をプレハブ業者との提携だけでなく、県産材の仮設住宅の備蓄など迅速な対応の出来る仕組みを市町村と連携し、用地の選定や上・下水道の整備など構築しておくべきと思いますが、県の対策について建設部長にお尋ねします。

【建設部長】

 頂いたご質問に対しまして順次お答え申し上げます。

①まず、住宅の耐震化対策についてのお尋ねでございます。住宅の耐震化の進捗状況でございますが、県内の住宅の耐震化率は住宅着工統計等を元に平成24年時点で77%と推計しております。平成22年時点の推計値72%に比べ耐震化率は上がってはおりますが、これまでの進捗率では長野県耐震改修促進計画に掲げました、平成27年に90%とする目標の達成には難しさがあるものと考えております。

 次に耐震化が進まない要因でございますが、平成23年の世論調査によれば、改修等の資金的な余裕がないからが56%、改修に対する知識がない、専門家がいないが26%となっており、最大の要因は費用負担であると認識しております。また耐震改修助成を行っている市町村からは、高齢者世帯で後継者がいない場合、所有者の耐震化への関心が薄く、費用負担の軽減をしても耐震化の促進が難しいとの声があるとも伺っております。耐震化が進まない要因は様々あることから、県と市町村との協議の場に耐震化促進ワーキンググループを設置し、要因を踏まえた助成制度のあり方の見直しなど、今後の取り組み方針を中間報告として取りまとめたところでございまして、具体の施策の検討を早急に進めてまいります。

②次に、土砂災害警戒区域の周知に関するお尋ねでございます。土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域につきましては、およそ28000箇所の指定を見込んでおりまして、これまでに22431箇所が指定済みとなっております。この区域指定にあたりましては、区域の範囲、影響のある世帯数等を考慮して、一地区で複数回の説明会の開催や地区を細分化しての開催など、出来るだけ丁寧な対応となりますように努めております。

また説明会では、指定の意義、警戒避難、住宅の補強等につきまして建設事務所職員に加えて関係する地方事務所職員、市町村職員も同席し、その場でご理解いただけるように配慮しているところでございます。また、区域指定後は市町村でハザードマップを作成、配布するとともに、マップを使った住民参加の避難訓練の積極的な開催等を通し、周知に努めていただいております。指定区域の皆様に土砂災害のおそれがあることは承知していただいていると認識しておりますが、8月の広島市での土砂災害を踏まえ改正されました土砂災害防止法に基づき、市町村と連携し、避難場所や避難経路など分かりやすく情報提供することに努め、一層の区域の周知徹底を図ってまいります。

④続きまして、応急仮設住宅の早期提供についてのお尋ねでございます。まず、早期建設、提供への取り組みについてでございます。応急仮設住宅は災害救助法が適用された場合、その市町村の要請により県が設置することとされております。建設を担う県では災害発生後速やかな設置ができるよう、建設事業者など3社と災害時における応急仮設住宅の建設に関する協定を締結しておりまして、県の要請によりまして速やかに建設が出来るよう対応いただいているところでございます。また応急仮設住宅の建設候補地は予め市町村がその用地選定を行うこととされておりまして、その情報は県と共有しているところでございます。引き続き市町村や協定先と情報共有を行いまして、災害時に早期に対応できるように努めてまいりたいと考えております。

 次に県産材利用についてでございます。仮設住宅の工法選択には、戸数、建設時期、建設期間、建設場所など、その災害の市町村の実情に応じて検討し最善の工法を選択することが必要と考えております。議員ご提案の県産材の利用も必要なことと考えておりまして、引き続き必要な場面での活用を検討して参りたいと考えております。

【危機管理部長】

③断層の周知についてお答えいたします。県ではこれまで、神城断層を含む糸魚川‐静岡構造線などによる内陸型地震や海溝型地震による震度や建物被害を予測する地震被害想定を平成14年に策定し、県ホームページへの掲載や年間約5千人の住民が受講しております県政出前講座など通じて周知を図ってまいりました。今回の長野県神城断層地震は地震調査研究推進本部の地震調査委員会により、神城断層の一部の活動による可能性が高いとされておりますが、このような地表に現れている活断層による地震だけではなく、南海トラフ地震のような海溝型地震や地表に現れていない活断層で発生する地震のおそれもございます。県といたしましては今年度末に公表を予定しております、新たな地震被害想定の取りまとめ結果を活用いたしまして、活断層による地震から被害をどのように軽減していくのか、しっかりと周知・啓発を行ってまいりたいと考えております。

【小林議員】

知事にお尋ねします。

この数年間県下の市町村で景気対策の一環として、住宅リフォーム助成支援制度を作り大変好評でした。私たちは県でも市町村の制度に上乗せ支援を求め続けてきましたが、知事は単なる上乗せ支援はできないと一貫して拒否してまいりました。しかし今回の神城断層地震でも、北部地震でも多くの住宅が全壊・半壊などの甚大な被害を出してしまいました。奇跡的に人命の被害こそ出なかったものの、住宅の耐震化は喫緊の課題です。被災された住宅再建には多額の費用が必要です。事前の耐震補強は減災の観点からも財政的観点からも最重要課題です。なかなか進まない耐震化を促進するために使い勝手のよい市町村で行っている住宅リフォーム助成支援制度を更に充実した、耐震改築制度を県と市町村と共同して行い、耐震化を進めるべきと思いますが、知事の所見をお尋ねいたします。

【阿部知事】

 住宅の耐震化についてのご質問でございます。地震、本県においても栄村の地震、今回の神城断層地震と、多数の被害が住宅に発生しているなかで、耐震対策の必要性大変重要であると思っています。市町村の住宅リフォームとの関係でご質問ありましたが、すでに国・県・市町村で負担しあって耐震化支援行っているところであります。また、県と市町村との協議の場におきまして、耐震化促進ワーキンググループを設置いたしまして、さまざまな角度から県内の施設の耐震化、議論してきておりますが、その方針を中間報告として取りまとめているところでございます。今後、県民の生命財産を守るという観点から、具体的な支援方策について検討を進めて取り組んでいきたいと考えております。


2.県産材の利用促進について

【小林議員】

次に、県産材の利用促進についてお尋ねします。

長野県は県土の78%が森林、全国第3位の有数の森林県。しかし現在林業に従事している人は、昭和40年には1万654人。それが現在2288人と激減。原木生産で生計を担っている人は皆無に等しく、森林組合や中小の林業業者なども、国や県の補助事業で行う間伐が主な事業。森林保有者が木を売り生計を立てている事例はほとんど無く、現在の長野県の素材生産量は36万4000㎥、うち間伐材21万2616㎥です。農政林務委員会で視察した宮崎県の木脇産業の一社の、原木消費量は18万㎥。長野県全体に匹敵する規模です。塩尻市で建設されている製材施設に大きな期待をしていましたが、県産材の利用促進のためには住宅建設にどれだけ貢献するか問われます。しかし原木の製品化は3分の1と低く、一部の部材の生産のみ。住宅全体の材料の提供とならず。その一方で巨大な発電施設です。全国の優れた製材施設を見れば、疑問を持たざるを得ません。

森林県長野県の林業再生は、地域の振興の目玉にもなるものです。岩手県の住田町も、木脇産業の林業政策は地元の木材をいかに活用するか目標が明確です。木脇産業では木材を燃やすということなどは製材工場では考えられない。山林生産者は木を燃やすために作っているものではない。全ての木材を製品にするために、端材も2㎝くらいの瓦珊にまで加工している。どうしても出るおが粉や端材は製品の乾燥のために活用しています。また住宅建設は図面を持ち込めば僅か三日間で上棟まで行う速さです。産直住宅の宮崎の家として大阪・兵庫、三重・千葉・沖縄まで販路を広げています。宮崎県産材100%の住宅を一戸分まとめてプレカツトしたものが年間700戸分生産され、その他単品での販売も広範に行い、住宅建設資材は一社だけで長野県の生産量の数倍にもなります。

林業の活性化は、住宅建設をどれだけ普及するかが鍵となっています。長野県の新設住宅着工は1万2261戸。木造住宅はその8割と増えていますが、その多くは大手住宅メーカーのもの。大手メーカーの材料は主に輸入材。現在輸入材価格と国産材は逆転し、米ツガ2万2600円、県のヒノキは1万7100円となり、長野県林業再生のチャンスです。県産材の新設住宅の普及に全力で取り組むべきです。

上伊那医療生活協同組合では、県産材の活用促進のため診療所とデイサービス、小規模老人ホームの建設を計画しましたが、材料の確保が厳しく一時は中止をも考えました。しかし、県の林務部の皆さんの支援をいただき、確保の見通しがつき、着工することができましたが、県の住宅材料の供給体制は極めて脆弱です。県産材の住宅促進には建築確認などを行う現在の建設部から、山や木を一番知り尽くし、林業に責任を持つ林務部の所管に移し、県産材住宅の建設目標を明確にして、その供給体制の整備を行うべきと思いますが、林務部長の所見を伺います。

【林務部長】

 県産材利用に関わるお尋ねをいただきまして、とりわけ住宅建築への県産材の利用の具体的な取り組みについてのお尋ねでございますが、県産材の多くが長野県の場合住宅建材として利用されている現状でございます。住宅建築に県産材を活用することは極めて重要であると認識しているところでございますが、一方では木造住宅におけます県産材の使用割合を見ますと約2割に留まっているというような状況がございます。こうした割合を伸ばしていくこともまた林業振興上も重要な課題だと考えておりまして、そのために県といたしましては部局連携しまして、また関係団体との協力を得ながら、競争力のある品質の確かな県産材製品を供給できる木材加工施設の整備、また、接着重ね張り、高性能木製サッシなど、新たな製品の開発と普及啓発、また県産材を積極的に活用する建築士の養成を目指した信州木の家マイスター講座の開催、また県産材を活用した住宅建築に対する助成制度などの施策を総合的に推進しまして、住宅建築に県産材の利用がよりいっそう促進されるように、そしてまたそのことが林業振興につながるように取り組んでまいりたいと考えております。

【小林議員】

 住宅を林務部で担当する気はないかとの質問にお答えをいただきたいと思います。

それでは知事にお尋ねします。県産材の振興と、県産材の活用促進のために製材所の改革と県の組織の見直しも含めて抜本的対策を進めるべきと思いますが、知事の所見と決意の程を伺います。

【林務部長】

 住宅建築につきまして林務部で担当すべきではないかというお尋ねをいただきました。先ほどご答弁申し上げましたように、住宅に長野県産材が積極的に利用されることはまた林業振興にとっても大事な課題でございます。そうした観点からも林務部といたしましては、使われる県産材がいかに安定供給されるかといった課題につきましても取り組んでまいります。そういう点からして、また住宅に使われることにつきましては建設部の住宅行政とともに連携して現在進めているところでございます。また県産材の利用促進に向けましては庁内に各部局が参加しております連絡会議がございます。こうしたなかを通じまして、林務行政といたしましても、県産材が住宅はじめ幅広く積極的に活用されていくように取り組んでまいりたいと考えているところでございます。ともに連携して取り組んでまいりたいと考えております。

【阿部知事】

 林業の振興、県産材の利用促進というご質問でございます。私もいろんな所で、森林県から林業県にしましょうというお話をさせていただいている中で、県産材の出荷量も増えてきているという現状です。林務部を中心にがんばって取り組んでいるところでありますが、信州F・POWERプロジェクトの推進でありますとか、あるいは今部長からも答弁申し上げましたが県産材の利用方針を策定して全庁的に色々な分野で県産材の幅広い利用を進めているというのが現状であります。引き続き、長野県の貴重な財産である森林が有効に生かすことができるように、全庁上げて取り組んでいきたいと考えております。


3.農業振興について

【小林議員】

次に農業の振興について農政部長にお尋ねします。

①農地の集積でどの様な農業を目指すのかお尋ねします。農業法人や企業の参入状況と、どの程度の経営団体がどのくらいの農地集積されているのか、今後の農地集積目標についてお尋ねします。

②さらに県内でもっとも集積化が進んでいる地域と、大規模の営農団体の実態を説明して下さい。

③次に米価の下落対策についてお尋ねします。これまで自民党は農業の振興、食料の自給率の引上げを常に公約に掲げて来ましたが、現状は衰退の一途をたどっています。その上今年の米価の下落は深刻です。上伊那農協管内だけでも10億円の減収とのこと、私も我が党の井上参議院議員と共に農水省穀物課長に農家の窮状を訴え、抜本的な支援を求めてまいりました。国としては『ならし補償制度』で救済。予算も確保しているとのことでしたが、『ならし補償』の実態はどの様になっているのか。補償の条件、対象農家、過去の実績、今後の米価下落に対する保障の見通しを農政部長にお聞きいたします。

【農政部長】

 農地の集積そしてまた米価の下落に関するご質問に対してお答えいたします。

①最初に農業法人と企業の参入の現状についてでございます。平成26年3月末現在でございますけれども、県内の農業法人は855法人でございまして、形態別には、農事組合法人が205、有限会社が422、株式会社が198などとなっています。また、作物別、営農類型別で申し上げますと、米や麦を中心とする法人が111、野菜を中心とするものが132、果樹が89などとなっております。また、農業参入しております企業の数でございますが85社でございまして、業種別には食品関連が30、輸送や福祉施設などサービス関連が21、NPO法人が10などとなっているところでございます。

次に農地の集積状況と今後の目標などについてでございます。農地の利用集積につきましては、県といたしましては認定農業者や農業生産法人、集落営農組織などを中心に集積を進めているところでございまして、平成26年3月末現在でございますが、これらの経営体への集積面積は43656ヘクタールでございまして、集積率にいたしまして39.5%になっているところでございます。今後の目標でございますけれども、第二期の長野県食と農業農村振興計画におきまして29年度の目標、集積率を51%としているところでございますが、本年度から始まりました農地中間管理事業の積極的活用等も踏まえまして現在目標の上方修正を検討しているところでございます。

②また、農地の利用集積が進んでいる地域についてでございます。本年3月末現在で最も県内で集積が進んでおります地域は、10広域別で見ますと上伊那地域と北安曇地域でございます。上伊那地域では飯島町の事例を申し上げますけれども、町内4つの地区がございますが、このすべての地区におきまして、ほぼ全農家が加入しております地区営農組合が農地の利用調整を行いまして、それぞれの地区ごとに設立されております4つの集落営農法人に対しまして農地の約9割が集積されております。そうした状況のなかで、水稲、麦、大豆、野菜などの計画的な作付けによりまして、農地は極めて効率的に利用されておりまして、平成25年度の実績ではございますけれども、この飯島町の耕作放棄地率はわずか0.7%、7ヘクタールと、極めて低い水準に抑えられているという現状がございます。

また北安曇地域におきましては、被災されてしまいましたけれども、白馬村の農業生産法人が全体150ヘクタールの水田を担っていただいているというふうな事例もあるところでございます。

上伊那地域におきましても、これらの、飯島町だけではなくて、駒ヶ根市、宮田村でも同様、同類の取り組みが展開されておりますし、伊那市におきましても現在積極的な取り組みが続けられているところでございます。

③続いてコメの下落対策についてでございます。現在のナラシ対策への加入状況を最初に申し上げます。制度を所管しております農林水産省の取りまとめでございますが、本県の平成26年産のコメの加入申請件数は、認定農業者と集落営農法人をあわせまして590件、申請面積で7792ヘクタールとなっているところでございます。現在本県におきまして国が実行しております経営所得安定対策に加入しておられます農家数、件数といたしましては35100件あるわけでございますが、このなかでナラシ対策の加入件数といたしましては7929ヘクタールとなっているところでございます。

今回の米価の下落にあたりましても、この制度によりまして一定の所得の減少分、差額の9割が補てんされるということになっております。なお、残りのこの7792ヘクタールを除く加入面積2万ヘクタール余につきましては、円滑化対策ということで国が全額で、差額の3分の1を交付するというような措置がなされているところでございます。

続きまして、米価の下落に際しましての農家の皆さんへの支援ということでございます。米価の下落を受けまして農家の皆様方への影響を軽減しなければいけないということで、県といたしましてもさっそく国へ強く要請をしてきたところでございまして、国も当面の資金繰り対策あるいはコメの直接支払い交付金、7500円分でございますけれども、年内支払いですとか、経営安定のための制度資金の実質的な無利子化というふうなことを打ち出していただいております。県といたしましては、今後の米価の推移も見極めながら農業改良普及センターにおける経営相談等を通じまして、個別の農家の状況に応じまして経営指導や制度資金の活用等によります助言、支援をしてまいりたいと考えております。

また緊急的に需給を引き締めていく必要が各都道府県の努力として必要でございます。県といたしましても10月下旬から県と生産者団体、流通団体などが一体となりまして、新米の販売キャンペーンを実施しているところでございます。

【小林議員】

農地の集積化、規模拡大でコストを削減し、競争力を強化していくというわけですが、農業は多目的機能を持ち、里山を守り、水源を守り、環境を守るために地域の皆さんの共同で営まれて成り立っています。コスト削減はこうした多目的機能の削減を加速させるものとして警鐘が鳴らされています。私の住む箕輪町の水田面積は412haですが、Sさんは一人で31.2haの大規模農家です。しかし今年の米価下落と天候不順による減収、品質の低下、灯油等の高騰などがWパンチ。減収は1000万円を超えてしまう。『ナラシ補償制度』も過去5年の米価から最低と最高を除く3年間の平均といわれ、今のテンポで下落していけば、営農が維持される価格の維持はとうてい望めない。数年で離農もと深刻です。農業の継続には生産に見合った価格保障制度がなければ成り立ちません。

こうした現状を見て規模拡大とコスト削減で長野県の原風景を守り、長野県農業を再活性出来るのか、知事の所見を伺います。

【阿部知事】

農業の再生についてのご質問でございます。本県の農業従事者、高齢化が進み遊休農地等が増加していく中で、今後農地をしっかりと活用して県農業を発展させていく為には、意欲的な家族経営、法人経営、集落営農等の担い手に農地を集積していくということが必要だと考えています。

このため平坦地等、比較的農地の条件が良い地域では、規模拡大と徹底した低コスト化を徹底して進めて、競争力のある強い農業を展開していきます。他方で、中山間地等集積が難しい地域では必ずしも規模拡大という方向だけではなくて、手間をかけてより価値の高い農産物を生産したり、様々な地域資源を活用した6次産業化の取り組みを進めていきます。

こうした取り組み、地域の実情に合わせて支援を行うことによりまして、県農業の維持発展に努めていきたいと考えています。


4.リニア中央新幹線について

【小林議員】

次にリニア中央新幹線についてお尋ねします。

JRはいよいよ品川駅と名古屋駅の工事に着工するとのことですが、県のリニア新幹線への経済効果についてお尋ねします。JRの当初計画では中間駅が必要なら地元で作れとの方針から、世論の批判により最低限の駅を作ることになりました。県の基本構想の中にも書かれているように「将来の旅客輸送のあり方を踏まえて営業専任職員は配置しない。コンパクトな駅を目指す」とあります。また、山田JR前社長は昨年の9月の記者会見で「建設費は絶対ペイできない」と表明。現状の東海道新幹線の乗車率が落ち、リニア開通に当たっては品川発の東海道新幹線の本数を減らすという方針も出ている。人口減少の進む中で突然乗客が急増するのでしょうか。

しかし県は1日6800人の乗客があり、東京の通勤圏ともなり、東京からの移住者も相当見込まれるとしていますが、どのくらい見込まれるのか。JRは乗客をどの程度見込んでいるのか。県の6800人は何を根拠にしているのか。企画振興部長にお尋ねします。

【企画振興部長】

 リニア中央新幹線に関しまして3点ご質問をいただきました。

 まず移住者の見込みについてというご質問でございます。リニア活用基本構想では、リニア整備を契機とした今後の地域振興策の1つとして、移住、二地域居住など多様なライフスタイルの実現を掲げております。ただし現時点では移住者数に関する具体的な見込みの数は持ち合わせていません。

 二つ目。JR東海の乗降客数の見込みについてでございますが、県では平成21年、これは国交省からJR東海に対しましてリニア事業に関する各種の調査の指示が出されていた当時ですが、その平成21年の当時にJR東海に対して長野県内にできる駅の乗降客数を尋ねております。これに対しましてJR東海からは南アルプスルート、いわゆるCルートを採用した場合に想定される乗降客数は約7千人という回答がございました。これ以降JR東海から乗降客数に関して示されたものはございません。

 三点目の、リニア長野県駅の乗降客数の算出についてでございますが、リニア中央新幹線の長野県駅の一日あたりの乗降客数6800人、これは長野県新総合交通ビジョン策定の際に算出したものでございます。その算出にあたりましては専門的な解析技術が必要なことから、外部のコンサルタントに作業を委託し、国交省の全国幹線旅客純流動調査の結果を元に将来の人口予想を加味した上で、リニア開業後の人の流れを一定の定まった指標に基づいて予測し算定したものです。

【小林議員】

 上伊那、下伊那、その他の圏域ではどの程度の比重で見込んでいるかお尋ねします。

次に基本構想の中で、リニアの車窓から富士山を望み、山梨駅で下車して信州の山岳観光を楽しみながら長野県駅へ。これが「未来のゴールデンルート」などとの記載は無責任な記述ではありませんか。トンネルの中からどうして富士山を車窓から望めるでしょうか。さらに、現在の長野新幹線の上田駅の乗客は5647人、駅員は50人だそうです。佐久平駅は4996人です。リニア長野県駅は6800人もの乗客がいるのに駅員は一人も置かない、こんなことは考えられないことです。JRの乗客の予想はほんのわずかと想定しているとしか思えません。過大な予測は必ず失敗します。上田駅を上回る乗客があるとすれば、当然50人から100人以上の駅員が必要です。県と地元で配置するのですか。推進本部長にお尋ねします。

 この間開かれた説明会にも参加させて頂きましたが、その中で環境アセスと共に住民の生活や、観光施設等の経済的影響などの社会的アセスを求める意見や、地域との協定書の締結が強く求められているなど、多岐に渡る質問や要望が出されました。これらの意見を県はどの様に受け止めているのか。JRとの交渉に臨むのか。本部長の知事に見解をお尋ねします。

【企画振興部長】

 移住者数の地域ごとの見込みというお尋ねでございますが、先ほども申し上げましたとおり、現時点では移住者数に関する具体的な見込みは持ち合わせておりません。6800人の乗客についての内訳については、全体としての乗降客数でございますので、それぞれの地域ごとという形では考えてございません。

【阿部知事】

リニア新幹線に関連してのご質問でございます。本部長としての答弁ということでありますが、質問通告といささか合っていないような部分がありますので必ずしも的確なご答弁にならないかもしれませんがご承知置きいただければと思います。

まず、利用客数と駅員の数が不整合じゃないかという、そういうご趣旨かと思いますけれども、リニア中央新幹線の駅のあり方、JR東海でこれまでとは全く違う方針を出してきているわけであります。駅の有り様としても必要最小限のものだけJR東海でつくるというのが今の考え方であります。今後この構想を具体化していく中で、そうした点についてもJR東海と話し合い、しっかりとしていかなければいけませんし、そこらへんの考え方も確認しなければいけないと思います。

ただ、先ほどから申し上げています推計、これは一定の方法に基づいて行ってものでありますし、また北陸新幹線の既存駅もそうでありますが、これはやはり地域がどうやって地域振興を図るか、盛り上げていくかということが何よりも重要だというふうに考えております。そういう意味で、非常に後向きな話ばかりしていれば、どんどんどんどん私は縮小してしまうと思っておりますので、ぜひしっかりと前を向いた議論を行っていかなければいけないと思っています。

それからもう一点、地域の声、協定の締結等も含めてどう向き合っていくのかというご質問がありました。これについてもここの場でも再三答弁申し上げておりますが、やはり地域の皆様方の声、我々真摯に受け止めなければいけないと思っております。したがって、様々な懸念の声にしっかり耳を傾けて、JR東海とは例えば文書で確認をするようなことについてもしっかりと求めていきたいと考えています。

何よりも地域の皆様方の声に我々としてはしっかりと応えていきたいと思いますし、地域の協力無しにはこのリニア中央新幹線の構想進んでいかないということも私からもJR東海に申し上げておりますので、今後ともそういうスタンスで取り組んでいきたいと考えております。

【小林議員】

 私は、後ろ向きの話ではなくて、現実を直視して、現状がこういう状況だからそれにどう対処していくかということが、私は大事だと思っているわけであります。その点で、住民の皆さんの不安や要望に真摯に向き合って、リニアの乗客の予測もしっかりした根拠に基づき、過大な投資でばら色の夢を振りまくことは厳に慎み、現在の推進本部でなく、まさに対策本部に今の段階ではするべきではないか。そして地元のみなさんの声や地域の皆さんの不安を解消する。ましてや駅員ゼロというようなことが許されるはずもありません。そうした中で水問題や地元の皆さんへの十分な補償など、JRとの交渉を十分行い、禍根の残らない対策を行うことを強く強く求めて質問を終わります。

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