日本共産党長野県会議員団

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議会質問

2015年2月定例会 日本共産党代表質問

  1. 知事の政治姿勢について
  2. 地方創生について
  3. 新年度予算・補正予算について
  4. リニア中央新幹線・地方の公共交通について
  5. 地方循環型の取り組みについて
  6. 大北森林組合の不正事件について
  7. 農林業の再生について
  8. 雇用問題について
  9. 教育問題について
  10. 子育て支援戦略について
  11. 社会保障について
  12. 防災減災対策について
  13. 廃棄物行政について

1.知事の政治姿勢について

【藤岡議員】
 日本共産党県議団の藤岡義英です。まず知事の政治姿勢について質問いたします。
 戦後70年目の節目の年として、これからも日本国憲法を守り活かす道にすすむのか、それとも集団的自衛権を行使し、米軍とともに海外で戦争する国としての道に突き進んでいくのかが問われています。
 今回の過激武装組織ISによる、日本人2名の人質事件は、2名とも殺害されたとする映像が明らかになりました。このような残虐非道な蛮行は絶対に許されません。テロは犯罪です。国際社会と結束して、国際法にもとづき、テロ組織を包囲していくことが求められています。また、こうした悲劇を繰り返さないためにも、この間の日本政府の対応について、冷静な検証が必要と考えます。
 安倍首相は、今回の事件にかかわって、米軍などによる過激武装組織ISへの空爆などへの自衛隊の支援が「憲法上は可能」とのべ、「邦人救出」を名目にした自衛隊の海外派兵のいっそうの拡大の検討を表明していますが、テロ集団による蛮行を機に、「海外で戦争する国」づくりを推進するということは、許されません。3日の国会答弁ではついに自衛隊派遣のための憲法改定まで言いだしています。

(1)「邦人救出」、自衛隊が他国の領域に一方的に突入し武力を行使すればそれこそ戦争です。「テロに屈しない」「邦人救出」「国民の生命と財産を守る」といえばなんでも許されるわけではありません。解釈改憲、明文改憲で憲法9条を破壊しようとする動きに対して、明確に反対すべきではありませんか。知事の御所見をお聞きします。

(2)秘密保護法や集団的自衛権は、海外で戦争する国づくりへの動きであり認められないとの、圧倒的な国民的県民的世論があります。5月以降には集団的自衛権の行使を具体化する法整備を進めていくと安倍政権は表明しています。この法整備の具体化はすべきでないと考えますが、いかがですか。知事の所見をお聞きします。
【阿部知事】
 藤岡議員のご質問に順次お答えいたします。
(1)まず私の政治姿勢ということで、自衛隊の関係でございます。アイスルによります日本人の人質の殺害事件、大変深い悲しみを覚えると同時に、決して許されるものではないと思っています。ただ、憎悪の連鎖ということにならないように、国としては冷静にどういう戦略で対応するのかということをしっかりと考えていく必要があると思います。
 亡くなられた後藤健二さん、亡くなる前のツイッターで、目を閉じてじっと我慢。怒ったら、怒鳴ったら終わり。それは祈りに近い。憎むは人の業にあらず。裁きは神の領域。そう教えてくれたのはアラブの兄弟達だった。と、こういうツイッターを残されている方であります。
 やはり国際平和、そしてそれぞれの紛争地域の子ども達の幸せを心から祈られていた方ではないかなと思います。そうした日本人の思い、我々もしっかりと共有していかなければならないと思います。

(2)自衛隊のあり方については今、与党内で協議がなされていると承知しております。具体的な内容については全体像含め明らかになっているわけではありません。私はこの議場の場でも、憲法の平和主義、これからも堅持されるべきものとご答弁させていただいております。国会においてしっかりと検討を、冷静に行っていただきたいと思っています。
 集団的自衛権行使に向けた法整備の具体化についても基本的には同じ立場であります。外交、安全保障、これは国が基本的に責任をもって対応していただく必要があるわけであります。国権の最高機関である国会が国民の声にしっかりと耳を傾けて、議論、検討を真摯に行っていただきたいと強く願っているところでございます。
【藤岡議員】
 戦後70年のとりくみについて質問いたします。
(1)今年は戦後70年の節目の年に当たります。満蒙開拓団に全国有数の人たちを送り出し、多くの犠牲者を生んだ長野県では、県民の平和を願う思いはとりわけ強いものがあります。また、今年は戦後70年であると同時に被爆70年の年でもあります。4月には国連でNPT核不拡散条約再検討会議の開催も予定され、核兵器廃絶に向けた日本と世界の取り組みが多く前進していく年にもなろうとしています。県としての戦後70年、被爆70年を位置づけた取り組みはどうなっているのでしょか。知事にお聞きいたします。

(2)また、平和団体や、被爆者団体などの民間の取り組み、市町村の取り組みへの支援も行なうべきだと思いますが、いかがでしょうか。被爆70周年の取り組みへの国の補助金の紹介がありながら、4分の一の県負担分が出せないからと、被爆者団体の取り組みへの支援は、現時点では見送られたとお聞きしています。再検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。知事にお聞きいたします。
【阿部知事】
(1)それから、戦後70年の節目であるため、県としての位置付けと取り組みということであります。私ども長野県、これまで県主催によります戦没者追悼式の開催をはじめといたしまして、全国戦没者追悼式あるいは沖縄信濃の塔追悼式への参列等、県をあげて戦没者に哀悼のまことをささげるとともに、二度と戦争の惨禍を繰り返すことの無いよう、平和への誓いを新たにしてきたところでございます。戦争体験を後世に伝えていく取り組みは重要だと考えております。戦後70年という年にあたりまして、県民一人ひとりが改めて先の大戦の記憶を思い起こし、悲惨な戦争の教訓をしっかりと胸に刻み込む、そういう年にしていかなければいけないと思います。
 こうした観点で平成27年度、まず県立歴史館で、長野空襲、満州移民、疎開等、県民の戦争体験をテーマにした戦後70年企画展を開催する予定にしております。また、満蒙開拓平和祈念館が計画しております映像記録の作成へも協力してまいります。さらに戦中・戦後の生活を当時の実物資料や映像等により紹介する国の企画展への後援なども予定しているところでございます。戦後70年を契機に国際社会の中で県が積極的にその役割を果たしていくために、今年を国際関係再構築年ということで位置づけました。中国・韓国はじめ、近隣諸国との地域レベルでの友好交流をさらに深めていきたいと思います。中国との間、特に河北省に先日来県いただきましたが、日中間の戦略的互恵関係の地方モデルとなるよう取り組んでいきたいと考えております。

(2)それから被爆70年の民間の取り組みへの支援ということでございます。原爆投下から70年を契機として、民間におきましても原爆を忘れないための様々な取り組みが行われるものと考えておりますが、個々の案件についてはその取り組みの趣旨、具体的な内容、こうしたことを十分お伺いした上で支援等の必要性について検討していく必要があると思います。原爆を含めた戦争の悲惨な体験と平和の尊さ、今後も末永く語り継ぎ、先の大戦の記憶が風化しないように努めていく必要があると考えております。
【藤岡議員】
 まず、平和と憲法の問題についてでありますが、2月23日の皇太子さまが55歳の誕生日を迎えられての記者会見の時の発言の一部を、大変印象的だったので紹介させていただきます。
「戦争の惨禍を再び繰り返すことのないよう過去の歴史に対する認識を深め、平和を愛する心を育んでいくことが大切ではないかと思います。私自身、戦後生まれであり、戦争を体験しておりませんが、戦争の記憶が薄れようとしている今日、謙虚に過去を振り返るとともに、戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に、悲惨な体験や日本がたどった歴史が正しく伝えられていくことが大切であると考えています。わが国は戦争の惨禍を経て、戦後、日本国憲法を基礎として築き上げられ、平和と繁栄を享受しています。本年が日本の発展の礎を築いた人々の労苦に深く思いを致し、平和の尊さを心に刻み、平和への思いを新たにする機会になればと思っています」と、大変素晴らしいものありました。
 知事の今定例会の開会日に議案説明をされた中に、「本年は、戦後70年という大きな節目の年です」との後、平和のことや過去の戦争について一切触れられなかったことは大変残念でありました。先ほどの答弁で、これからこの70年目の節目の取り組みを重視していくとのお話でしたので、よろしくお願いしたいと思います。
 県民の声でも、「今本当に怖い。自分の孫が将来、鉄砲をかついで海外に出ていく時代がきてしまうのでは」といった心配の声がたくさん寄せられています。解釈改憲、明文改憲で憲法9条を破壊する動きに対して、明確な反対の意思表示をしなければ、県民の平和を願う思いにこたえることにはなりません。私たちは幅広い人々と力を合わせて、憲法9条を破壊する歴史的逆行の動きを必ず阻止するために全力で奮闘します。

2.地方創生について

【藤岡議員】
 地方創生について質問します。私はそもそも「地方創生」ではなく、疲弊した地方を再生・再活性化させる「地方再生」だと考えます。ではなぜ、地方がここまで疲弊してしまったのでしょうか。原因は、輸入自由化などによる農業つぶし、林業を外国産材の輸入自由化でつぶし、非正規雇用を増やして、雇用を壊し、大店法廃止による商店街つぶし、大企業は、生産拠点を海外に移して、雇用もなくなり、「都市再生」の名による都市再開発・「東京一極集中」政策など、歴代の自民党政治によってつくられたものです。
 総合戦略などでは、「地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする」として創業支援や企業の地方移転、地方移住の推進、「若い世代の経済的安定」、子育て支援などを掲げています。ただ、一方で、農業や地場産業をはじめ地域経済を壊すTPPの推進、労働者派遣法の改悪などで低賃金の不安定雇用の拡大など、実際にすすめる政策はさらに地方の衰退を加速させるものではないですか。
 さらに、この間、「消滅自治体」を名指しして自治体名を公表した上で、「消滅」が避けがたい自治体では周辺にある地域拠点都市との連携をすすめ、その拠点都市に行政投資や経済機能の選択と集中をすすめるべきだとしており、ある意味「脅し」ともとれるやり方で、有無を言わさず、選択されなかった地域の切り捨て、住民サービスの後退を進め、地域の疲弊をさらに進めようとしています。
 切り捨てられた地域は拠点都市に頼らざるを得なくなり、結局は合併を選択せざるを得ない、あるいは自治体を再編せざるを得なくなり、こうした先には、「道州制」がねらわれています。

(1)この安倍政権の「地方創生」を掲げた「総合戦略」と、人口の将来展望を示す長期ビジョンについてどのように評価されておられますか。また、地方をここまで疲弊させた原因はなんだとお考えですか。知事のご所見をお聞きいたします。

(2)安倍政権の「まち、ひと、しごと創生法」は、地方に計画を出させて、政府の意に沿った計画を出した自治体が支援され、計画を出せなかった自治体は衰退していくという自治体競争が行われます。沖縄を見ていても、政府にモノを言えば予算が削られてしまうという乱暴なことが行われています。これでは「地方分権」どころか、国からのトップダウン的な計画行政の復活ではありませんか。「消滅自治体」と脅しのようなやり方で、こうした上からの押し付け的なやり方では、地方は再生しないのではないですか。知事のご所見をお聞きいたします。

(3)これまで県議会での答弁で、「道州制には反対」との立場をとられてこられましたが、そのスタンスに変わりはありませんか。知事のお考えをお聞きいたします。
【阿部知事】
(1)次に、地方創生についてのご質問でございます。まずの国の地方創生総合戦略に対する評価ということです。人口の現状と将来の姿を示す長期ビジョン、今後5カ年間の施策を取りまとめた総合戦略には、地方創生のための交付金の創設を始めとして地方への様々な支援も盛り込まれているところでございます。また、この人口減少あるいは東京一極集中の是正という、これまで必ずしも真正面から取り上げられてこなかったことについて、国全体で焦点を当てて取り組んでいこうという動きが出てきたことは、私は評価されるべきものではないかと思っています。
 また、地方が疲弊しているがその要因は何だということですが、私は、長野県、課題はありますけれども、しかしながら県民の皆様方の努力で今まで頑張って長野県の強みというものを伸ばし続けてきた県だと思っております。ただ将来に向けてこのまま人口減少が続いていきますと、非常に地域の活力が損なわれることが危惧されているわけでありまして、こうしたことから、東京圏への過度な人口集中を是正して人口減少に歯止めをかけていくということが長野県にとっても日本の地方全体にとっても重要だと考えております。そうした観点で今回の動きを県としては積極的に受け止めて取り組んでいく必要があると考えております。

(2)それから、国の行政手法、トップダウン的な計画行政の復活ではないというご質問ですが、国の政策手法としてはこういうやり方で進めていかざるを得ない、こういうやり方というのは、法律を作ってそれに基づいて計画を地方がつくってそれを国が応援すると、こういうスキームが一般的になっているわけであります。私は今回の地方創生は、国が何かをしてくれるとか、国が発想してくれるからそれを粛々と使いましょうという発想では地方としては落第だと正直思っております。そういう意味で国がどうだということを言う前に、まず我々が何ができるのかということをしっかり考えていかなければいけないと考えています。ただ、今回は国も全力で地方を支えていくといっていただいていますし、地方創生コンシェルジュを始めとして人的支援、あるいは地方創生のための交付金を始めとする財政的支援、こうしたことで地方の取り組みを応援すると言っていただいているわけでありますから、そうしたことに我々はしっかりと応えていくということが重要だろうと思っています。県として、市町村とも連携してしっかり取り組みを進めていきたいと思います。

(3)それから、道州制についてであります。これは何度も申し上げておりますように道州制には反対と申し上げています。必ずしも道州制を主張する方々の考え方も統一されている感はあまり正直ありませんし、道州制をとることによって今日本の抱えている課題がただちに解決するということは、私は直接的には結びつきえないんじゃないかと思っています。もう少し地方分権を始めとして地道な改善・改革ということをしっかり取り組んでいくことのほうが優先されるべきではないかと思っています。
【藤岡議員】
 地方創生についてですが、上から「地方創生」を押し付けても住民との矛盾は深まらざるをえません。高齢化が進み、災害が頻発している中で、誰もが住み続けられるように、地域活性化に取り組む自治体の自主性を尊重し、応援し、財源を保障して地方自治の拡充をはかるなど、住民の立場にたった「地方再生」こそ、求められていると考えます。

3.新年度予算・補正予算について

【藤岡議員】
 景気回復による県税収入の増加の見込みや、政府の交付金活用で、長野県の新年度の予算案の総額は8694億円余であります。14年当初より2.4%増の、2年連続の積極財政となりました。「長野県はフロントランナーにならなければならない」と、知事は述べ、安倍政権が掲げる「地方創生」に向け、県も予算を重点配分しています。昨年相次いだ災害の経験を踏まえた防災、減災対策も重視されています。また、「人口定着 確かな暮らしの実現」を予算の中心にして、子育て支援、雇用の創出、などに力を入れるとしています。
 県債残高は予算説明書では、一般会計における借金残高として15年度末には1兆7567億円となる見込みであることを示しています。浅川ダムの建設の6年目分として、16億円が計上されました。必要性や安全性に関する県民の疑問はますます深まっています。
 暮らし優先の県政を進めながら、同時に必要か必要でないか、事業をしっかり見極め税金の無駄遣いをなくして財政運営をすすめてほしいと考えます。

(1)党県議団がとりくんだ県民アンケートでは県民の87.8%が暮らし向きが苦しくなったと回答しています。その原因は、消費税増税56.0%、年金の減額53.2%、物価の上昇40.5%と回答されており、正しく国の政治が原因です。こんな時こそ長野県が県民のくらしを守り平和の願いに答えるべきですが、アンケートでは「長野県政は県民のくらしを応援していますか」との質問に、69.2%の県民が「応援していない」という声が多く寄せられています。新年度予算は県民のくらしを応援する予算編成となっているのでしょうか。知事にお聞きいたします。

(2)つづいて、補正予算に盛り込まれた、地域消費喚起事業について質問します。県は国の地域住民生活等緊急支援のための交付金を活用し、「ふるさと名物商品による県産品振興」「ふるさと旅行券による観光誘客」として、県産品をインターネットで割引販売を行い、その割引分を販売者に対し支援するものと聞いていますが、政府はこの交付金について、「現下の経済情勢等の下で厳しい状況にある生活者や事業者への支援を行い、地方の消費喚起や地域経済の活性化等を図る」とし、使い方としては、「都道府県及び市町村が実施する、地域における消費喚起策やこれに直接効果を有する生活支援策に対し、国が支援。メニュー例として、プレミアム付き商品券、ふるさと名物商品券・旅行券、低所得者等向け福祉灯油等購入助成、低所得者向け商品・サービス購入券、多子世帯支援策」とあげています。
(2)‐1 国からは県に対する交付限度額が約21億円と示されました。それに対して県では、今回その交付限度額のほぼ全額を、「ふるさと名物商品」「ふるさと旅行券」に当てたわけですが、これでは特定業者、特定分野への支援に留まってしまうのではないですか。また、政府の実施要件・成果イメージでは、「各地方公共団体域内の消費者が購入」となっていますが、ネット通販サイトでの販売では、対象は全国の消費者となり、一般県民が潤う使い方ではなく、県内への効果は薄れてしまうのではないですか。他のメニューも同時に導入すべきではないですか。産業労働部長お答えください。
(2)‐2 県は、「福祉灯油については市町村が実施するもの」との立場でありますが、国ではこの交付金の使途として県での実施も想定しています。いったい、「福祉灯油については市町村が実施するもの」という狭いルールを誰が決めたのですか。知事ですか。市町村との共同事業として検討すべきではなかったのではないでしょうか。知事にお聞きいたします。
【阿部知事】
(1)それから新年度予算についてでございます。県民の暮らしを応援する予算となっているかと。これは、なっているかどうかは県議会の皆様、県民の皆様の評価ということだろうと思いますが、私は、確かな暮らしが営まれる社会の実現に向けて施策の充実に最大限取り組ませていただいたと考えています。例えば子育て支援につきましては第3子以降の保育料軽減について新しく県として支援をしてまいります。また子どもの医療費の入院助成対象の拡大、障害児の所得制限の廃止をします。また、妊娠から子育てまでの相談支援体制を構築するための母子保健推進センターを設置します。また悩みを抱える子ども達を支援する支援センターも新たにつくってまいります。また、生活困窮者支援としてパーソナルサポートセンターの相談拠点を6箇所から9箇所に拡大しますし、ひとり親家庭の親の学びなおし、そして子どもの学習支援ということを新たに行ってまいります。また、障害者の農業就労促進のためのサポーターを増員して労福連携を一層強化していきますし、また特別支援学校には就労コーディネーター新しく4人配置します。さらには発達障害サポートマネージャーを8圏域から全10圏域に拡大していくということも取り組んでまいります。また、高齢者への支援としては国民健康保険あるいは介護保険における低所得者の保険料軽減措置の拡大、こうした取り組みを行っていくところであります。
 まだ予算案議論中でございますので、県民の皆様がたに、27年度長野県予算でどういうことをやっているかというのは必ずしも十分伝わっていないところもあるかもしれませんが、県議会にご議決いただければ、こうした中身、県民の皆様方にしっかりお伝えしていきたいと思いますし、ぜひ県議会の皆様方にもそれぞれの地域、それぞれの支援者の皆様方にも県としてこういう努力をしているということをお伝えいただければありがたいと思います。

(2)‐2 それから、交付金を活用した福祉灯油事業についてのご質問です。地域消費喚起生活応援型交付金は都道府県及び市町村が実施します地域における消費喚起策、これに直接効果を有する生活支援策に対して国が支援しようというものであります。そういうなかで、私ども県としては低所得者等への生活支援の一環として、1つは児童養護施設に入所している子どもたちの生活環境を改善していこうということで、施設の物品購入あるいは社会体験の充実のための助成を実施していこうと考えております。これは長野県独自の視点と発想で取り組ませていただきたいと思っています。福祉灯油というお話もありましたが、これはこれまでも市町村が独自の判断で実施をされてきているものであります。今回の交付金の活用によりまして、事業の実施に向けて動き出されている市町村もあると承知しております。個々の住民の状況につきまして把握をされている市町村が主体的な取り組みで実施されていくことが適切ではないかと考えているところでございます。
【産業労働部長】
(2)ー1 ふるさと名物商品についてのご質問でございます。ふるさと名物商品事業の目的は、消費者が本来の価格から割り引かれた価格で地域の名物商品を購入することで、その地域の消費が喚起されることと認識しております。議員が懸念されておられます、特定事業者や特定分野に偏ることの無いよう、県内事業者や市町村、商工関係団体などと相談しながら、長野県ならではの魅力のある商品の購入を促進してまいりたいと考えております。メニューの選択につきましては、多くの市町村が地域内の消費喚起を目的といたしましてプレミアム付商品券を実施する見込みであることを踏まえまして、現段階では地域内、地域外を含めた消費を広く喚起することを目的として準備を進めております。また、この事業に関しましては、多くの県民の皆様に積極的に県産品をご利用いただくよう、インターネットによる購入のほか様々な購入方法など工夫を凝らしてまいりたいと考えております。いずれにしましても長野県経済の好循環に資するよう、関係者と相談をしながら最大限利用してまいりたいと考えております。
【藤岡議員】
 補正予算の、国の交付金を福祉灯油に使わなかった問題ですが、1月14日に長野県生活と健康を守る会連合会が、知事あてに要望書を提出していますが、覚えておられますか。この要望書では「今年は例年にない豪雪と寒さも生活を困難にしています。高値で推移している灯油や電気料金は、暖房が欠かせない要援護世帯にとって死活問題になっています」「政府は...地方自治体が行う低所得者向け灯油購入費助成を交付税措置で支援することにしていると伝えられている」ので、要援護世帯に対し、1万円の灯油購入費等助成(いわゆる福祉灯油)を速やかに実施してください。」と要望しています。こうした切実な要望が一回だけではなく何度もあったにも関わらず、どうして今回福祉灯油を導入しなかったのでしょうか。長野県は寒冷地です。寒くても灯油が高くてストーブを付けずに、雪だるまの様に服を何枚も重ね着して暮らしている方もおられます。生活支援交付金の使途は地方自治体の裁量に任されています。政府が決めるわけではありません。知事の決断で決められるわけです。21億円全てを「ふるさと名物商品」「ふるさと旅行券」に当てるのでなく一部を、福祉灯油に当てるべきではないですか。もう一度知事にお聞きいたします。
【阿部知事】
 福祉灯油事業についての再度のご質問がありました。藤岡議員、いつも知事が決断すればというふうに仰っていただいているわけですが、先程も申し上げましたけれども、福祉灯油事業については市町村がこれまで基本的に実施をしてきております。低所得者、支援を必要とする人たちの情報は、基本的には市町村が把握をされているわけであります。そういう意味でこれまでも市町村が実施にあたってきたわけであります。先ほど申し上げましたように、児童養護施設等入所者、子ども達のための施策も今回講じていこうというふうにしているわけでありますので、すべて、先ほどのご質問のなかでは、こういう生活支援にあたらないという話でご質問ありましたけれどもそうではないと。そういうこともちゃんと我々検討した上で取り組んでいこうとしているわけであります。何度も要請しているのにということでありますが、これはもちろん、何度要請されてもやらないものはやらないということでありますが、住民の皆様方の思いを決して無視しているということでは当然ありません。行政、県がやるべきもの、市町村がやるべきもの、あるいはどちらか行うのが適切なのか、色々施策があるわけでありまして、そうしたことを考えたときには、先ほど申し上げたようないくつかの理由から市町村において実施されることが適切だと私としては判断させていただいているところでございます。
 特にこういう低所得者支援については、一度たまたま今回のような交付金があるから一回始めて、じゃあ次年度以降どうするんだと、そこについても私は責任をもって考えて実施することが本当の県民の目線にたった県政だと思っています。たまたま国が財政があればやるし、やらなければやらない、それは私はあまり責任がある県政ではないと、率直に言って感じております。
 灯油価格については一頃に比べれば下がっているというような現状もあります。またこれから季節も暖かくなってくる時期でもあります。なぜに福祉灯油だけにそれほどこだわられるのかというのは、私には正直よく分からないところがあります。私が今申し上げたような点についても丁寧にまた教えていただければありがたいと思いますし、県民の皆様方や思いや声というのをしっかり受けとめて我々考えていきますけれども、しかしながら全て補助金を出せばいいとか、全てお金を出せばいいと、それであればいくら税金を課税しても足りません。そういうことも全体としてしっかり考えた上で何が必要なのか、今何を優先すべきなのか、そういう観点で施策構築にあたっていきたいと思います。
【藤岡議員】
 福祉灯油についてでありますが、これは国が、都道府県でも福祉灯油は導入できると説明しているわけであります。そして21億円全てを福祉灯油にしなさいと言っているのではなくて、一部を、要請があるわけですから分けられないかという質問をしたわけですので、ひきつづき強く要望しておきたいと思います。

4.リニア中央新幹線・地方の公共交通について

【藤岡議員】
 つづいて、リニア新幹線と地方の公共交通について質問します。安倍政権は、リニア中央新幹線建設を成長戦略に盛り込み、"国家的プロジェクト"と位置付けました。JR東海を事業主体に指名し、環境影響評価手続き、工事実施計画も昨年10月17日に認可するなど建設事業を進めさせています。
 しかし、環境影響評価手続きの中で、リニア中央新幹線の建設が、かつてないほど環境破壊を広範囲で引き起こすことが明らかになっています。南アルプス山岳地の貫通など86%ものトンネル掘削、それに伴う発生残土の問題、残土運搬など大量の工事車両による生活環境破壊、生態系や自然環境破壊、流域に深刻な影響を及ぼす水枯れ、異常出水、水源地、地下水への影響、未解明の電磁波の影響問題、東海道新幹線の3倍を超える電力消費量、切迫する首都直下型、南海トラフ地震のもとでのいくつもの活断層横断による大震災リスク、災害・事故時の安全対策、乗客の避難誘導対策、地元自治体に負担を強いる駅予定地周辺の大規模再開発事業などなど数えるときりがありません。これらに対する懸念は、リニア建設を推進してきた地方自治体からも出されるようになっています。大鹿村では、一旦解散していたリニア対策委員会が、村内5カ所で開かれた事業説明会で新たな課題や問題点が浮かび上がったため再開しています。南木曽町では、第3回リニア対策協議会が昨年10 月30 日に開催され、委員からは、協定書の締結を求める意見、水源に関し恒久的な補償を求める意見、妻籠宿の保存や観光への影響を懸念する意見、非常口の削減や工事用車両に関する意見などが出されています。

(1)地元は、住民、役場、議会が一丸となり、問題の解決を求めて要望しています。県はその地元の声を代弁してJR東海と交渉しているのでしょうか。企画振興部長にお聞きします。
(2)地元の不安に対する対応について、地元では協定文書の締結を望んでいます。国は仲介する気持ちは全く無いようですが、県が間に立って取り交わしを実現させるべきと考えますがいかがですか。企画振興部長にお聞きいたします。
(3)知事は、トンネル掘削が行われる自治体等に足を運び、課題解決のために緊急に懇談を行うべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。これは知事にお聞きいたします。
(4)大鹿村では工事関係者を含めて人の出入り、村内の交通量が増えることへの対応として村内への防犯カメラの設置を検討。阿智村では独自に社会環境アセスの取組を検討しています。県はこれに対して支援するつもりはございますか。またはJR東海に対し負担を求めるべきではないですか。企画振興部長にお聞きいたします。
【阿部知事】
(3)それからリニア中央新幹線についてのお話でございます。JR東海によるトンネルの詳細等まだ明らかでないわけでありますけれども、私ども組織全体で工事に伴う地域の影響への低減に向けて対応させてきていただいているところでございます。また、私自身、伊那谷自治体会議あるいは移動知事室等を通じまして、地域の市町村長の皆様方のお考えもお伺いする中で地域の状況等把握をさせてきていただいています。今後も問題解決にむけて地元の皆様方と一緒になって取り組んでいきたいと思います。質問等で、県と市町村が同じ方向向いていないんじゃないかというようなことは全くありません。ぜひそこのところは、県と市町村とで問題意識を共有しながら進めていきたいと考えておりますし、これまでもそうしています。ぜひその点はご理解いただきたいと思います。
【企画振興部長】
 リニア中央新幹線、地方の公共交通についてのご質問をいただきました。
(1)まずリニアに関しまして、県は地元の声を代弁してJR東海と交渉しているのかというご質問でございます。リニアの沿線地域では環境問題に対して様々な不安懸念があります。県としてもその把握と解消に努めているところでございます。例えばでありますけれども、企画振興部のリニア推進担当部長、リニア推進振興室長は毎月南信州広域連合の会議に出席し、地元の市町村長から直接リニア建設にともなう課題や問題点を聞くなど様々な機会をとらえて地元の意向を伺い、それをJR東海に伝え必要な対応策を求めているところでございます。住民生活への影響の最大限の回避・低減に向けまして、今後も地元の意見要望を踏まえ、JR東海と話し合ってまいります。

(2)県が間に立って協定の取り交わしを実現させるべきというご質問でございます。
リニア事業を円滑に進めるためには、地元とJR東海が合意事項を文書で取り交わすことは有効な手段であると思います。昨年JR東海に提出した環境影響評価準備書に対する知事意見のなかでも求め、また環境大臣や国土交通大臣にも要望しているところでございます。さらに知事が会長を務めるリニア建設促進長野県協議会でも地元からの要望について合意事項を文書で取り交わし地域との合意形成を図るよう総会で決議しJR東海に要請をしております。引き続きJR東海に地元との文書の取り交わしを求めてまいります。

(4)大鹿村や阿智村の取り組みへの支援でございます。大鹿村内のカメラ設置の検討や阿智村での社会環境アセスメントの実施など、市町村独自の取り組みに対しましては、相談に応じる等県として必要な対応についてしっかり行ってまいりたいと考えております。またJR東海の負担に関しましては市町村の意向を踏まえる必要があると考えております。
【藤岡議員】
 リニア中央新幹線にエネルギーを割くことよりも、飯田線の利便性向上や地域の公共交通への支援に振り向けたほうがよいのではないかと考えております。何度も言いますが、県の取るべき姿勢は、リニア推進ではなく県民の立場に立った不安と懸念の払拭ではないでしょうか。
 「人口定着・確かな暮らしの実現に向けた施策展開の方向性(中間とりまとめ)」では、基本的視点「人生を楽しむことができる県づくり」の部分で、「持続可能な集落・まちづくりの取り組みによって、中山間地域でも都市部でも住みたいところで安心して暮らし続けられる環境をつくること」とあります。この中間とりまとめのスタンスに賛同いたします。
そこで質問いたします。

(1)飯田線の無人駅化が進むことは飯田線の利便性向上とは全く逆の動きとしか捉えることができません。県は、JR東海のこの動きをどう受け止めていますか。また、今後の対応をどのように進めていきますか。企画振興部長にお聞きいたします。
(2)予算案にある幹線路線バスの県有民営化の推進の動きは評価するものですが、この先はどう展開していくつもりでしょうか。また、それに留まらず、自治体の運行するバスの維持費補助を実施し、利便性の確保を図るべきではないかと考えますがいかがですか。企画振興部長にお聞きいたします。
(3)中山間地域で住むことが困難になってきており、買い物難民、交通弱者という言葉がよく聞かれるようになっています。「人口定着・確かな暮らしの実現に向けた施策展開の方向性(中間とりまとめ)」の4、確かな暮らし実現戦略~人口減少下での地域の活力確保~の、1確かな暮らしを支える地域構造の構築 では「買い物や医療、福祉、様々な生活サービスを確保するための工夫・知恵を出し合い、安心して暮らせる中山間地域を目指します」とあります。このスタンスでいくのであれば、今、デマンドタクシー、タクシー利用券の支給制度などを実施している自治体に対する支援や、こうした取組を全県へ普及させるために、県として予算措置が必要と考えますがいかがでしょうか。企画振興部長にお聞きいたします。
【企画振興部長】
(1)次に飯田線の利便向上でございますが。JR東海は乗車人員が大きく減少する中で輸送サービスを維持していく為にはやむを得ない措置だということで、平成25年4月から9駅を無人化したところでございますが、飯田線は地域に密接した鉄道として、沿線住民の生活には無くてはならない存在であること、加えて、リニア中央新幹線の開業を見据えますと、飯田線の機能向上活性化は重要な課題であると考えております。県としてはこれまでも元気づくり支援金などで利用促進に努めてきたところでありますけれども、さらに昨年3月に県も参画して設立された飯田線活性化期成同盟会をつうじまして、沿線自治体や経済団体とともにJR東海への要請も含め、活性化に向けた取り組みを進めてまいります。
あわせて、伊那谷自治体会議等におきまして、飯田線のアクセス路線としての機能向上や沿線の地域づくりと連携した飯田線の魅力向上に向けまして、検討を進めてまいりたいと考えております。

(2)地域バス路線の確保対策についてであります。地域交通の確保につきましては、県と市町村との役割分担のもとで、県は広域的幹線的な交通を維持する為、幹線的なバス路線の運行や車両導入に対する支援等を実施しております。一方地域内のバス路線の確保につきましては、市町村が主体的な役割を担っているところでございます。県は昨年度、地域交通システム再構築促進事業、これを立ち上げまして、より効率的な地域交通の構築に向けた市町村の取り組みを支援しているところでございます。引き続きこうした支援を継続してまいります。また、当初予算に計上しました県有民営による幹線バス路線確保対策事業は、県内の幹線バス路線を維持確保するための一歩踏み込んだ施策として、新たに取り組むものでございます。事業の継続拡充等につきましては、事業効果を検証した上で検討して参りたいと考えております。

(3)最後に、デマンド交通タクシー利用券などへの支援についてでございますが、市町村が主体的な役割を担っております地域内交通の維持確保に対する経費につきましては、国の地域公共交通確保維持改善事業によりまして、一定の要件に該当する乗り合いタクシー、デマンド交通等に対しまして補助金が交付されますほか、要した経費の80%が特別交付税に算入されております。しかしながら現在の国の制度は運行維持に要する費用のみを対象としておりまして、タクシー利用の給付事業が支給対象とならないなど、地域交通の維持確保の多様な実態を反映したものとなっていないことから、県は国庫補助制度の拡充と適切な地方財政措置を要請しておりまして、引き続き国に対して働きかけてまいりたいと思っております。あわせて、先ほど申しました地域交通システム再構築促進事業によりまして市町村の取り組みを支援してまいりたいと考えております。
【藤岡議員】
 知事は、2月6日の記者会見で「リニア整備推進局」について触れた際、「JR東海は、地域の皆さま方の理解と協力の中で進めていただくということが必要だと考えております」と発言されておられましたので、地元との協定文書の締結を実現させるよう重ねて強く要望いたします。リニアについて、経済波及効果を試算されていますが、デメリットも試算しているのでしょうか。 昼神温泉がどうなるのか。妻籠宿・馬籠宿、旅館経営、水枯れ、温泉枯渇、自然破壊、どうなる。二度と取り戻せないものに対してどのように考えておられるのでしょうか。「生きている人々の生活が、あることを忘れないでほしい」、「清内路を、捨てて出ていけばさらに衰退する。リニアの工事で、地域の衰退があってはならない」、「小学校や保育園に通う子ども達8割が、国道153号線を利用する。これ以上1台も通行を増やしてほしくない」...地元ではこんな声があります。知事は、地元に行かれ、市町村長だけでなく県民の生の声を直接聞いていただきたいと強く要望いたします。 

5.地方循環型の取り組みについて

【藤岡議員】
 これまで地方がこれほどまで疲弊してきた原因は、地域循環の経済にしくみを壊し、中央が地方の資源を吸い上げる経済に全部作りかえられてきたからと考えます。再び地域循環型の経済へ転換していくことが必要と考えます。そのためには地域にある力を活かし、伸ばす産業振興策が求められます。地域に根を張ってがんばっている中小企業、産業を応援し、地元の資源を活かした魅力ある事業発展を支援してこそ、本当の地域再生をはかることができます。長野県にある資源は農林業です。基幹産業として農林業を位置づけることが大事ではないかと考えます。
 まず、県産材の活用について質問いたします。

(1)‐1 長野県の森林資源が増大していることをいかに活用するか。県産材の利用促進や有効活用のために、県内で建築される木造住宅や公共施設で使用する木材はできる限り県産材とすることが望ましいと考えます。岡山県真庭市では、木材の市場があり、そこに行けば住宅建築に必要な地元産材がそろっています。県は、供給面の不安や、県産材を使用することにより建築コストが割高となることが利用促進におけるマイナス要因だといわれますが、それなら、それらをクリアし、県産材が活用できるよう、プロジェクトチームの設置や有識者から意見を聞くなどしっかり研究する必要があるのではないでしょうか、林務部長にお聞きいたします。
 2  真庭市では、伐採に適した木を利用する時も、また伐採に適した木を育てるため間伐を実施し、その中で間伐材を確保、その間伐材を活用するときに最終的には端材を発生させる、という木材利用の流れの中で結果、発生した大量の端材を使って1万キロワットの木質バイオマス発電を行っています。これが本来の木材の有効利用の正しい流れだと思いますが、本県のF・POWERプロジェクトも、供給体制をしっかりつくり上げていく中で、現時点の状況を踏まえた上での適正規模にして進めていくべきではないでしょうか、知事にお聞きいたします。

(2)新年度予算案にある農業用バイオマスボイラーの開発について、高効率ボイラーとペレットを開発とありますが、どのような開発をするのでしょうか。また、佐久地域の乾燥した気候を生かした高品質の木質チップの開発の取組を、以前から私は取り上げて紹介してきたところですが、そうしたものを生かすつもりはありますか。農政部長にお聞きいたします。
 循環型経済に進めていくために、再生可能エネルギー普及を促進させることも重要です。

(3)企業局では、農業用水路を活用した小水力発電への支援を検討しているといいますが、どのような考えから検討を始めたのでしょうか。また、どのような支援内容を検討していますか。公営企業管理者にお聞きいたします。

(4)太陽光発電だけでなく地熱や木質バイオマスなど、自然を活かした再生可能エネルギーの取組については、まだ、F・POWERプロジェクトしか見えてきていません。F・POWERプロジェクト以外についてはどう取り組んでいくのでしょうか。この先の取組の見通しはいかがでしょうか。環境部長にお聞きいたします。

(5)地方を元気にするには雇用拡大が必須であります。再生可能エネルギーの取組を広げていくことで、新たな雇用を創出し、若者を含めた雇用機会の拡大を図ることができると考えますが、どのように見ておられますか。知事にお聞きいたします。

固定買取制度と原発について質問いたします。
(6)‐1  固定価格買取制度導入により、再生可能エネルギーを使った発電の推進の機運が高まり、太陽光発電を中心に導入が進みました。ところが、昨年秋、発電設備の新規売買契約を電力会社が次々と拒否する事態が発生しました。最大の問題は、電力会社の示す自然エネルギーの「接続可能量」であります。これは、原発の再稼動を前提に見積もられており、自然エネルギーの導入余地が限定されています。再生可能エネルギーの推進の機運が高まってきた中、さらに導入を進めていくには運用ルールの見直しを行い、再生可能エネルギーの導入を最優先するという抜本的な制度改革を行うよう、国に働きかける必要があると考えますがいかがですか。知事にお聞きいたします。

 2 知事は以前、「中長期的には原子力エネルギーに依存しない社会を目指していく必要があると考えている」と答弁されましたが、中長期的なエネルギー政策の方向性を決める「エネルギー基本計画」の中で、原発を「ベースロード電源」に位置づけている政府の方針では、原発再稼動が必須となりますが、どうお考えですか。知事にお聞きいたします。
【阿部知事】
(1)‐2 それから信州F・POWERプロジェクトの発電施設の規模ということでございます。真庭市の事例を挙げてそれとは異なる、そちらが正しくて信州F・POWERプロジェクトは正しくないのではないかとの趣旨のご質問であると受け止めましたが、私どもF・POWERプロジェクトで推進している取り組みの内容は、基本的に岡山県真庭市の計画・取り組みとほぼ同じであります。ほぼ同じというのは、端材と低質材を木質バイオマス発電に活用していくということで、貴重な森林資源を他段階に活用する利用していくという点で真庭市の取り組みと同じであります。ご質問だと製材からでてきた端材からだけで発電というご趣旨で私は受けとめたわけですけれども、真庭市の取り組みも端材だけではなくて未利用材も約6割使って発電されていると聞いております。そういう意味で今回のF・POWERプロジェクトも同様の取り組みであります。そういう意味で県としてはこの信州F・POWERプロジェクト成功させることによって、長野県をぜひ森林県から林業県へと脱皮させていきたいと考えています。

(5)再生可能エネルギーについてのご質問であります。長野県環境エネルギー戦略におきましては、戦略に掲げる目標を達成した場合の2013年度から2020年度までの8年間における経済波及効果の試算をさせていただいております。それによりますと、省エネルギー実施によります効果も含めまして新規発生需要額は1173億円と試算しております。これによりまして県内で誘発される生産額は3026億円、就業者数が28760人、年平均で3595人の雇用が生まれるということとされております。引き続き、地域主導型の自然エネルギービジネスの創出を図って、エネルギー自立地域の実現を目指すとともに、地域の振興に向けて取り組んでまいります。

(6)‐1 再生可能エネルギーに関わる国への働きかけというご質問でございます。設備認定あるいは系統情報の公表など、固定価格買取制度の運用改善につきましては関東地方知事会を通じた要望、あるいは県議会の再生可能エネルギー普及促進議員連盟の提言を踏まえた国への要望を行ってきているところでございます。これによりまして、市町村別の認定情報の公表でありますとか、あるいは系統情報の提供範囲の拡大が行なわれてきておりまして、制度が透明になりつつあると考えています。本年1月、接続中断を回避するため新しい出力制御ルールが設けられるなど、国において運用が見直されたところでありますが、接続可能運用に中部電力、余裕がありますので、この対象にはなっておりません。そういう意味で長野県への影響は限定的と考えております。今後とも国や中部電力の動きを注視するとともに、国に対して自然エネルギーの健全な普及拡大に資する観点から制度の改善を引き続き要望してまいります。
(6)‐2 エネルギー基本計画における原発の位置づけについてのご質問でございます。原発事故、二度と繰り返してはならないというのは国民のコンセンサスだと私は思います。強い意志でそれを実現していかなければいけないと思います。原発は可能な限り減らしていく必要があると考えております。これまで同様原発を作り続けていくということはありえないというふうにも考えています。国のエネルギー基本計画におきましては、原発を重要なベースロード電源であると位置付けるとともに、依存度は可能な限り低減させていくというふうにしております。ただ一方で具体的なエネルギーミックスは示されていない現状であります。国に対しては原発依存度の低減に向けた具体的な道筋をしめすこと、エネルギーミックスの考え方を早急に示すことなどを要請してきているところであります。具体的なエネルギーミックスの考え方については本年1月国において長期エネルギー需給見通し小委員会が設置されて、その議論がスタートしたところでございます。エネルギー需給の考え方、安全性、安定性、経済性、環境性等、様々な観点を考慮した上で国の責任で明確にすべきものと考えています。国における議論をしっかり注視してまいりたいと考えております。
【林務部長】
(1)‐1 まず住宅や公共施設への県産材の活用についてのお尋ねをいただきました。建築に県産材の利用を促進する為には、製品の品質や安定供給の確保、コストの低減等が必要であると考えております。このため県では、有識者のアドバイスのもとに、品質の確かな製品を供給できる木材加工施設の整備、接着重ね張りや高性能木製サッシなど新たな製品の開発、建築士の養成講座や建築に対する助成制度などの施策を総合的に進めているところでございます。こうした取り組みによりまして、品質の確かな製品を生産する信州木材製品認証工場が増加しております。また保育園、福祉施設等での県産材の利用が広がるなど、徐々に成果がでてきております。今後とも有識者のご意見をお聞きしながら、民間事業者や関係団体と連携を図りつつ、県内の住宅や公共施設等で県産材の使用がいっそう促進されるよう取り組んでまいります。
【農政部長】
(2)最初に地域循環型の取り組みに関しまして、農業用バイオマスボイラーの開発についてでございます。従来のバイオマスボイラーはボイラー本体の価格が高くて、燃油ボイラーに比べまして発熱量が少なく温度調節が難しいこと、焼却灰の処理が困難であることなどの課題がございまして、農業用としては普及が進まない状況にございました。このため、温度調節機能を向上させた低価格ボイラーの開発や、安価で発熱量の多い燃料資材の開発を行いまして、農業用ハウスでの導入と普及を図ることといたしたところでございます。
 燃焼資材につきましては、現段階では木質ペレットを想定しておりますが、昨年12月に農政部が開催いたしましたマッチングフォーラムには、木質チップ開発の企業もご参加をいただいております。今後設立いたしますコンソーシアムのなかで、県内企業や大学等の様々な分野の方々のご意見を伺いまして、燃焼資材の形状など開発方針を決定してまいります。この取り組みによりまして、農業生産現場に普及できるバイオマスボイラーを早期に開発いたしまして、生産コストの低減と県産材の利用によります自然エネルギーへの転換を進めてまいりたいと考えております。
【公営企業管理者】
(3)農業用水路を活用した小水力発電への支援に関するお尋ねでございますが、本年度県が公表した、県内農業用水路を利用した小水力発電の候補地は164箇所とされておりますが、これらの地点において、例えば500kW以上の大規模な施設の場合、これは12箇所ございますけれども、より広範な専門性が必要となりますことから、技術面等における支援が必要と考えられるところでございます。
 そこでこれまでも県及び長野県土地改良事業団体連合会、この取り組みに加え、企業局が長年電気事業で培ってきた様々な技術力を活かすという、より踏み込んだ支援を行うことで、小水力発電のいっそうの普及拡大につながるのではないかと考えたところでございます。
 支援内容でございますが、例えば1つのモデルとして、大規模な施設において企業局の人材、技術力、信用力を総合的に活用し、発電所の建設に必要な各種申請手続き、建設施工管理など、企業局が一括して代行するという、いわば企業局版PFIとも言える内容を検討しております。なお、それぞれの地域の実情により支援のあり方も変わってくるものと考えておりますが、いずれにいたしましても引き続き関係機関等と十分連携しながら、地域貢献という企業局の新たな役割を果たすという視点からも、経営戦略の策定にあわせて検討を進めてまいりたいと考えております。
【環境部長】
(4)地熱や木質バイオマスなどの再生可能エネルギーの取り組み及び見通しについてのお尋ねでございます。長野県は森林に囲まれ、また急峻な地形、多くの温泉を有することから、地熱や木質バイオマス、小水力といった自然エネルギーのポテンシャルは全国有数でありますが、太陽光発電に比べますと導入は進んでいない状況にあります。このため、木質バイオマスや地熱・温泉熱利用につきましては、高山村七味温泉のバイナリー発電の導入事業や、栄村北野天満温泉に木質チップボイラーを導入した熱利用事業など先行的な取り組みに対して、各種補助事業により支援を行ってきているところでございます。また小水力発電につきましては農政部において、土地改良区が行う農業用水を活用した小水力発電施設整備に対して支援をしているところでございます。さらに平成27年度からは、自然エネルギー地域企業を活用した発電支援事業の補助対象をハード事業まで拡充いたしまして、小水力をはじめとした自然エネルギー発電事業のいっそうの推進を図ってまいります。引き続き、本県の高いポテンシャルを生かすことができるよう、地域の特性をいかした自然エネルギー事業に対して幅広く支援をしてまいります。
【藤岡議員】
 地域循環型の取り組みについては、応援しております。県職員の皆様のご尽力に本当に敬意を表するものであります。これからの取り組みの発展・強化を期待いたします。
 原発再稼働についてですが、信濃毎日新聞でなく今回は日経新聞の直近の世論調査を紹介します。原子力発電所の再稼働を「進めるべきだ」は1ポイント低下の35%、「進めるべきでない」は前回と同じ52%だったそうであります。そういった世論もあります。私は2月7日に福島の南相馬に支援物資を届けに行きました。いわき市から国道6号線に乗って向かったところ、この国道6号線は福島第一原発の近くを南北に走る道路ですが、マイクロバスの中でも、放射能測定器はずっと警告音が鳴りっぱなしで、今でも汚染されつづけていることを実際に体験してきました。事故から4年。故郷に戻れず狭い仮設住宅で「生きる意欲が奪われる」「夜眠れないから薬をのんでいる」「どうか、福島を忘れないでほしい」と話す被災者の声を聞けば、絶対に原発再稼働など賛成できるはずがありません。国民・県民の多数が望んでいる、「原発再稼働反対」の立場にたつことを強く要望いたします。

6.大北森林組合の不正事件について

【藤岡議員】
 大北森林組合の不正事件についてお尋ねします。補助金の不正受給は平成22年から25年に渡る長期に行われています。作業道整備事業では事業が行われていないことを承知しながら補助金を交付する。補助対象ではない町道に林道開設の補助金を交付する。造林事業では間伐がまったく行われていない箇所に補助金を交付するなど通常では考えられない中身です。大北森林組合の不正でありますが、県の指導、監督責任も大きく問われるものです。
(1)全貌は現在も調査中との事ですが全体の調査はいつごろ終わるのか、この事件の発生原因と県の責任をどの様に考えておられるのか、林務部長にお聞きいたします。
(2)現在判明している不正受給は2億円を超えるものであり、返還を求めるとしていますが、大北森林組合に返済能力があるのでしょうか。無い場合はどの様に対処されるのでしょうか、これも林務部長にお聞きいたします。
(3)今回の不正は倫理の欠如と同時に、補助金に頼る事業展開と間伐や林道整備は地形などで経費が違い採算に合わない制度に起因するものと考えられます。もっと森林資源の利用促進、林業として成り立つ事業への支援が求められているのではないでしょうか。再発防止策と持続可能な林業振興策についての見解を知事にお聞きいたします。
【林務部長】
(1)次に、大北森林組合の補助金の不適正受給の調査、また発生原因と県の責任についてのお尋ねでございます。現在、不適正受給の疑いのあります、平成19年度以降の森林作業道や間伐等の補助金について、一件ずつ調査を進めてきているところでございます。大量な書類を点検し、また雪解け後の現地確認の必要等がありますことから、一定の時間を要しますが、できるだけ早期に事案の全容を解明したいと考えています。これまでの調査によりますと、組合の故意による架空申請などがあった一方、県においても補助事業の完了検査等に不適切な部分があったことが確認されているところでございます。県民の皆様の信頼を著しく損なう行為で、あってはならない極めて遺憾なことでありまして、重く受け止めております。今後事案の発生の原因等を明らかにして、二度とこのようなことがないように、再発防止に取り組んでまいります。
(2)次に、大北森林組合の補助金の返還能力についてのお尋ねでございますが、今回森林組合が不適正に受給した補助金については、県民国民の皆様の貴重な税金を財源としているものでございまして、関係法令等に基づき返還を求めていく考えでございます。補助金返還について森林組合がどのように資金手当てするかについては、組合自らの責任において判断されるべきものと考えておりまして、県としては森林組合の対応を十分に注視しながら、確実に返還されるように努めてまいります。
【阿部知事】
(3)次に、大北森林組合の関係のご質問でございます。再発防止策と林業振興策についてというご質問でございます。まず、不適正受給の疑いがある平成19年度までさかのぼった徹底的な全容解明と問題点の検証を行ってまいります。その上で、検査方法の明確化、あるいはチェック体制の強化等、再発防止策を講じていく考えでございます。森林資源が成熟し利用する時代を迎えている中で、林業の振興は本県の人口定着に向けた重要な施策であると考えております。県としては路網整備や機械化等による木材生産コストの低減、先ほどの信州F・POWERプロジェクト等生産加工流通体制の整備、様々な分野への県産材の利用促進、こうした施策を着実に推進することによりまして、収益性の高い自立できる林業の構築を目指してまいります。

7.農林業の再生について

【藤岡議員】
 続いて、農業の再生について質問いたします。米価の下落が大変深刻であります。安倍政権は「農業所得倍増」を掲げながら、米価下落には何も手を打とうとしていません。関税ゼロでの輸入上限であるミニマムアクセス米77万トンとは別に、さらに米の輸入を検討している国は米価下落を加速させていますし、米農家の所得を奪っていると言えます。ある農家の方の声です。「10町歩以上の農家は1000万円の減収。どうやって暮らしていけばいいかわからない」と述べられていました。大規模でやれと言われて、そのとおり頑張ってきたのに、大規模農家ほど深刻です。この米価暴落問題でいくつか質問いたします。

(1)‐1 まず、県内の米農家が受ける今年度の減収総額(農協の概算金の減少分、米直接支払い交付金の半減分)はいくらになりますか。農政部長にお聞きいたします。
 2 減収分の補てん措置となる「ナラシ対策」について、認定農業者などの加入者は、県内米農家で何割が対象となり、どれくらい補てんされますか。農政部長にお聞きいたします。
 3 補てんの対象とならない圧倒的多数の農家の皆さんをどのように救済するのでしょうか。秋田県では米農家全体を対象にした無利子融資制度を導入するようですか、本県ではどんな救済をされるつもりですか、知事にお聞きいたします。

 次に、農地中間管理機構事業、水田農業所得向上緊急支援事業について質問いたします。
(2)‐1 県内の耕作放棄地はどれくらいあるのでしょうか。農政部長にお聞きいたします。

 2 佐久市では2014年10月時点で、調査した93%の農地8512haのうち、遊休荒廃地は1794ha、21%、山林・原野化が進んでいる土地は1422ha、16.7%、と中山間地の農地は山林・原野化し、農地はどんどん減っています。この状況で、農地中間管理機構事業は機能すると考えておられますか。農政部長にお聞きいたします。
 3 この事業では、将来的に所得は6倍程度、耕作面積も3倍になるというモデルが、県では示されています。これは農地中間管理機構事業を活用することが前提でありますが、今年度の実績をみると、借受け希望の面積4300haに対し出し手の面積は260haと昨日も答弁されていましたが、これでは約6.0%と圧倒的に足りません。本当に効果があると評価されているのでしょうか。農政部長にお聞きいたします。
 4 モデルによると耕作面積が16haになっても所得はたった350万円にしかなりません。これでは収益性の高い農業経営とは言えないのではないか。海外のように最低所得を保障した上での経営でなければ成り立たないと考えていますがいかがでしょうか。農政部長にお聞きいたします。

(3)一方で、多種多様品目を栽培し一定の収入のあるところは農地の耕作放棄も抑えられています。本県は中山間地が多く、気候も異なり、その地域の特性を生かしていくことが大事であります。この点について県はどう考えていますか。県下各地の地域奨励作物などの栽培に対し積極的に財政支援していくべきではないでしょうか。農政部長にお聞きいたします。

(4)農協改革は、本来、農協という組織内で行うべきところを、現場の意見や声は全く無視され、財界側の意向がそのまま政府方針に持ち込まれたものです。今日農協の多くのところで困難や矛盾を抱えていることは確かです。根本には農家の経営が成り立たなくなっていることがあり、歴代政府の農政こそ最大の責任があります。その中でも協同の力を発揮し、農家の営農や暮らし、地域農業を守るために頑張っている農協は少なくありません。政府がやるべきことは、農協をバラバラにしてつぶすことではなく、自主的努力を応援することだと考えます。今回の動きは、全国の農家のTPP反対の動きを抑えるためのものとみないわけにはいかないものであり、地域を支えてきた農業や家族経営農業を衰退させるためのものと考えますが、どう見られていますか。知事にお聞きいたします。
 これまで農産物の重要5品目について、政府は「守るべきものは守る」と言っているから、「TPPの交渉を応援しなければならない」と知事は発言されていました。ところが、日米協議では、日本政府は、主食用米の輸入を拡大するため、無税で輸入するミニマムアクセス米とは別枠で「TPP特別枠」を新設し、米国産を含めて年間5万トン規模の拡大を検討していると伝えられます。米国は、20万トン規模の拡大を要求しているとされます。TPP担当相は1月27日、米国産主食米輸入について「1粒も増やさないということは不可能だ」と述べています。牛肉の関税では、現行の38・5%を9%前後まで段階的に削減する方向で検討しています。
 豚肉では、高額の豚肉の関税4・3%を撤廃。1キロ当たり最大482円の関税を50円前後へ段階的に削減する方向です。乳製品も低関税・無関税で輸入枠を拡大。こうした政府の対応は、農産物重要5品目を交渉対象にしないよう求めた国会決議に明らかに反しています。「守るべきものを守れていない」わけです。長野県の基幹産業の農業を守るために、知事は「TPP交渉から直ちに撤退すべきだ」とハッキリ政府に主張すべきではないですか。
 国に対し、TPP撤退と農協改革の押し付けをやめるよう求めるべきではないですか。知事にお聞きいたします。
【阿部知事】
 次に農業についてのご質問でございます。
(1)‐3 まず米価下落に対する農家への救済ということでございます。県では26年産米の価格下落を受けまして、農家への影響を緩和する為の対策を速やかに講じるよう国に要請しました。併せて、本県独自の取り組みとして、昨年10月から県内生産者や流通販売者と一体となって販売強化キャンペーンを実施して長野県産米の消費拡大による価格下落の抑制に努めております。国は昨年11月、コメ農家の当面の資金繰り対策としてコメの直接支払金の早期支払いのほか、経営維持の為の制度資金の実質無利子化、また本年1月には緊急経済対策として稲作の担い手等に対する27年産作付けへの助成策、こうしたことが予算措置されているところでございます。県としてはこうした制度資金や助成対策も活用して農家への影響が少なくなるよう努めてまいります。

(4)農協改革についてであります。先般、政府は農協改革案を取りまとめたわけでありますが、JA全中、その改革案、色々な受け止めはあるものとは思いますが受け入れを表明されたというふうに承知しております。現在、今国会への農協改革案提出にむけた作業が行なわれているというふうに伺っておりますが、この改革が真に農業者の所得向上につながると同時に、農村地域の生活基盤の維持に資するものとなることを期待をしております。TPP交渉につきましては、国会決議を踏まえ重要品目を関税撤廃の例外とすること等国民の利益確保に全力を挙げるよう引き続き国に要請してまいります。
【農政部長】
(1)‐1 次に、農業の再生に関しまして、最初にコメ農家の減収総額についてのお尋ねでございます。長野県JAの概算金につきましては、平成26年産米が現在集荷の途中でございまして、減収総額は算定できませんけれども、60キロ当たりの長野県産コシヒカリAの概算金は、10192円でございまして、前年に比べて1568円、13%の減少となっております。また、米の直接支払交付金の本県への支払い状況でございますが、25年度は28億円となっておりましたが、26年度は年内支払いとして昨年12月に13億円が支払われておりますので、15億円の減少となる見込みでございます。

(1)‐2 次に、いわゆるナラシ対策への加入状況等についてでございます。本県におきます26年産米の加入申請件数は、認定農業者と集落営農をあわせまして590件、申請面積は7792haでございまして、米の直接支払い交付金の加入件数に対しまして、件数では2%、面積では37%の割合となっております。大規模経営など稲作経営で生計を立てておいでになる農業者の大層が加入されていると認識しております。
また、平成26年産米に対する補てん額でございますが、国が告示した本県の標準的収入額でございます、10アールあたり14万5143円に対しまして、本年3月末までの取引価格により算定されます26年産米の収入額が下回った場合に、その差額の9割が加入者に交付されることとなっております。さらにナラシ対策に加入されていない方でありましても26年産においては、米の直接支払金対象者に対しましては円滑化対策として減収額の3割が補てんされることとなっております。

(2)‐1 次に農地中間管理機構事業、水田農業所得向上緊急支援事業に関しましてのお尋ねでございます。まず耕作放棄地面積でございます。直近の2010年の農林業センサスのデータでございます。17146haでございます。県下では、耕作放棄地再生利用緊急対策交付金などの利用によりまして、平成23年度以降は、毎年600ha程度が再生活用されている状況にございます。

(2)‐2 次に、農地中間管理事業についてでございます。農地の所有者が耕作できなくなった場合に、その農地を耕作可能な状態で維持活用していく為には、新たな耕作者が利用できるように支援していくことが重要でございます。これまで農地の所有者が自ら新たな耕作者を探すことが困難であったことが、耕作放棄地発生の一つの大きな要因となっているわけでございます。農地中間管理機構では、農地の借り受け手、借り受け希望者を広く公募をいたしまして、広域で利用調整を行うことになりますので、新たな借受耕作者による利用の促進に有効であると考えておりまして、事業推進態勢と活動内容を強化してまいりたいと考えております。

(2)‐3 次に、今年度の農地中間管理事業の進捗状況からいたしまして、水田の集積による規模拡大と作物の複合化を進める水田農業所得向上緊急支援事業の効果についてのお尋ねでございます。平成27年度から実施を予定しておりますこの事業につきましては、農地中間管理事業を活用した貸借による農地集積とあわせまして、緊急的な取り組みとして農作業受託による取り組みを支援することによりまして、経営規模の拡大を着実に進めまして、事業効果を上げてまいることとしているものでございます。

(2)‐4 次に、水田農業における農家所得の確保についてでございます。事業の説明資料で示しております経営モデルでございますが、交付金の減少や米価の低下により所得が減少し、経営の継続が困難となる小規模経営でありましても、経営努力によりまして平成30年以降においても、継続可能な所得を確保することが可能であることを示したものでございます。例示をいたしたものでございます。経営規模の拡大と園芸作物の導入等によります経営の複合化のほか、情報通信技術等を活用した生産コストの削減、さらには生産物の加工販売の改善などによりまして、より収益性の高い経営の展開ができるものと考えております。
 なお、国におきましては現在、新たな収入保険制度の創設を検討をしているところでございまして、県といたしましては、この制度が農家の所得確保と経営の安定のために実効性のあるものとなりますように、引き続き要請をしてまいります。

(3)次に、地域奨励作物への支援についてでございます。中山間地域におきまして、各市町村の特徴ある作物を地域奨励作物として振興することは、地域ならではの特色ある農業を展開していく上で重要であると考えております。県ではこうした観点から、農業改良普及センターにおいて、販売先とのマッチング、生産安定に向けました技術支援等を積極的に行っているところでございます。また各地域での具体的な取り組みに対しましては、国の産地交付金の活用や、県の需要にこたえる園芸産地育成事業等によりまして、産地化に向けた試験的な栽培、施設整備、飼料の導入などの支援をしているところでございます。今後も引き続き産地の実情に応じたきめ細かな支援を行いまして、地域の特性をいかした特色ある作物の振興を図ってまいります。
【藤岡議員】
 農業の再生についてですが、農政部長の答弁をお聞きしましたが、まだ中間管理機構が耕作放棄地の活用につながるのかという疑問は残ったままであります。中山間地域を守ってきた家族農業を支援することもぜひ位置づけていただきたいと考えます。
 TPPについての声を紹介いたします。南信のある農業関係者は「TPPをやられたら豚も牛も全滅する」と言っています。こうした声があるのに、まだ重要5品目が守れないことが明らかになったTPP交渉について、政府に撤退を求めることができない知事は、本気で長野県の農業再生を考えていないのではないですか。絶対に許されないことを厳しく指摘して、次の質問にはいりたいと思います。

8.雇用問題について

【藤岡議員】
 雇用問題について質問いたします。
 「人口定着・確かな暮らしの実現に向けた施策展開の方向性(中間とりまとめ)」では、1みんなで支える子育て安心戦略~自然減の抑制~の部分、1子どもを産み育てられる人への一貫支援として、「若い世代が結婚し、子ども家庭を持つ希望を実現できる地域を目指します。そのために、若い世代の多様な交流の促進、就労支援、非正規雇用の正規化の促進等による生活基盤づくりなど、結婚・出産しやすい社会づくりに取り組みます」とあります。私も、非正規から正規雇用への転換を促進し、安定した雇用を守り、増やすことこそが、若者をはじめとした定住の拡大、人口回復にもつながり、地方経済と地域社会の持続可能な成長に道を開くことができると考えております。
 11月定例会の際に、東京都では、「安定した仕事に就きたいと望む人への就労支援を都の重点課題とし、非正社員を正社員にすることを目指す」と表明したことについて、本県でも東京都のように踏み込んだ姿勢で臨む必要があると質問したところであります。東京都の舛添知事は、昨年末の東京新聞のインタビューにおいて、更に踏み込み、非正社員を正社員とする企業に対し財政的な補助をと発言しています。

(1)このような都の踏み込んだ雇用政策について、どう分析していますか。産業労働部長にお聞きいたします。
(2)正規雇用の確保は人口定着に必要であり、本県でも同様な取組が必要と考えますがいかがかですか。知事にお聞きいたします。
(3)いわゆるブラック企業への対応として、あるべき労働環境についての啓発など、県として発信すべきと考えますがいかがでしょうか。また、過酷な労働をアルバイトに強いる「ブラックバイト」という言葉もあり、文部科学省では相談窓口を設けました。県でも窓口を設置してはいかがですか。そして、県としてブラック企業を規制する条例を制定し、「ブラック企業根絶宣言」をするなど、ブラック企業、ブラックバイトをなくすよう取り組むべきと考えますがいかがでしょうか。知事にお聞きいたします。
【産業労働部長】
(1) 東京都の雇用政策についてのご質問でございます。東京都の発表資料によりますと、来年度東京都は非正規社員の正社員化に向けて、いくつかの事業を準備しております。資料によりますと、国の支援制度関係では帰属雇用者の正社員化をすすめる国のキャリアアップ助成金に上乗せ補助を行うことを予定しております。また独自の支援策といたしましては、座学と職場実習を組み合わせたプログラムで若者を正規雇用に結びつける事業を挙げております。このプログラムは本県でもすでに実施しておるところでございまして、事業効果の面でも有効な取り組みと考えております。
【阿部知事】
(2)まず雇用の関係で、正規雇用の確保に向けた取り組みというご質問でございます。本県におきましては雇用社会参加促進プロジェクト、しあわせ信州創造プランの9プロジェクトのなかの一つで取り組みを進めています。東京都のお話もありましたが、東京が予定している取り組みと同様の座学と職場学習を組み合わせた研修で直接正規雇用へ結びつけようという取り組みは、すでに私ども長野県においても取り組んでいるところでございます。こうした取り組み、新年度さらに拡充をして、新たに子育て期の女性を対象とした取り組みを行います他、若者を対象にした取り組みには対象年齢を拡げるとともに、人数を増やして実施をしてまいります。加えて、新たに多様な働き方実践企業認証制度のなかで、正社員転換制度を取り入れて実績を上げた企業が高い評価を得られるような仕組みを講じてまいります。なお2月17日には県と労働局共同で正社員の積極採用を求める要請を経済団体に対して行っております。引き続き様々な機会をとらえて、若年層を始めとする雇用の確保と正社員化について経営者の皆様方、経済団体に対して要請していきたいと考えております。

(3)それからブラック企業対策についてでございます。違法な長時間労働や賃金の不払いなどは労働者にとって速やかに改善されるべき問題だというふうに考えます。そのため、労務改善リーダー研修会等、労働教育講座を開催し、労使ともに正しい知識の普及を図ってきているところでございます。今年度は新社会人向けのテキストを改訂して、就職前の高校生あるいは新社会人の教育にも力をいれてまいります。また、現在もいわゆるブラック企業についても相談が受けられるよう、労政事務所巡回相談あるいはメール相談、こうした窓口を行っておりますけれども、4月からはいわゆるブラック企業の相談窓口であるということもしっかりと明示させていただいて、市町村の広報誌やポスター掲示を活用して広く周知を図っていきたいと思います。
 加えて11月の過労死等防止啓発月間には、労使を対象とした集中的な研修会を開催していきたいと考えています。条例制定というご提案でございますが、国において、いわゆるブラック企業対策を盛り込んだ法案を今国会提出予定と伺っています。その状況を見て対応を考えていきたいと思います。
【藤岡議員】
 ブラック企業の問題についてですが、「毎日、朝早く夜遅くて、残業代もろくにでない。」「やめても次の仕事が見つからないから、やめられない。どうしたらいいのでしょうか。」そんな相談も寄せられています。知事はそうした声にしっかりと応えていただきたいと思います。県として、ぜひともブラック企業根絶のための取り組み強化を重ねて強く要望いたします。また、県が非正規雇用をなくしていく立場を県内外に示すために、官製ワーキングプアをなくすべきです。この問題にもしっかり取り組んでいただくよう要望いたします。

9.教育問題について

【藤岡議員】
 つづいて、教育問題について質問いたします。
(1)小中学校の全学年で、30規模学級が実現したことを心から歓迎いたします。国からの40人学級に戻せという圧力が今後強まる可能性がありますが、がんばって跳ね返して欲しいと考えますが、その考えはおありでしょうか。また、高校についても30規模学級の実施を進めていくべきだと考えますがいかがでしょうか。知事にお聞きいたします。

(2)匿名の授業評価学校評価について質問します。試行された学校から寄せられた教職員の声を紹介します。「授業評価は、学力格差を本当に是正する方向になっていない」「先生が評価の点数に目がいくようになると、点数ばかりを意識した授業になってしまう」「教職員がいきいき伸び伸びしていることが大切」「匿名のため心ないアンケートもある」「記名して、建設的な意見を出してほしい。その方が共に学校をつくっていくことになる」などの声があります。県立学校ではすでに導入された制度でありますが、小中学校においては導入を前提とせず、学校現場の教職員や保護者、県民の声を聞き、意見交換する機会を十分に確保し、検討する必要があると考えますがいかがでしょうか。教育長にお聞きいたします。

(3)暑い日でも寒い日でも、子どもたちが学べる環境の整備を進める必要があります。県立学校、小中学校全ての保健室にクーラーを設置すべきです。県として県立学校へクーラーを設置し、小中学校については市町村に支援することが必要と考えますがいかがでしょうか。また、県立高校の教室の扇風機設置やその電気代は公費負担とするべきではないですか。さらに、冬の灯油代についても、現在は需用費の一部としていますが、明確に「灯油代」として予算を措置し、最低限の学びの環境を整えるべきではないですか。知事にお聞きいたします。
【阿部知事】
(1)それから教育についてのご質問でございます。まず30人規模学級についてでございます。これは国の制度にかかわらず独自に30人規模学級編成実施をしておりますので、今後も引き続き行います。国が右だからとか国が左だからとか、そんなことで右往左往しないような県政にしていかなければいけないと思っております。国がこういう仕組みをつくったからというだけではなくて、やっぱり県としての必要性というのは見極めつつ、国が少し手を抜いても県としてしっかり維持していく、そういう基本的なスタンスで取り組んでいきたいと思います。こうしたことを実現していく上では、財源・権限の分権というものをしっかり実現していかなければいけないわけでありますが、県職員全体でそういう姿勢をもって、ぜひ取り組んでいきたいと思います。
 それから高等学校での30人規模学級の実施ということでございます。高等学校におきましては、習熟度別学習やコース制に伴います科目選択等のため、学級とは別の少人数による学習集団を形成して授業を行っている場合が比較的多いわけであります。従いましてきめ細かな指導は、教員の加配により対応して学級編成につきましては、当面国の標準どおり1学級40人募集という形で対応してまいります。

(3)次に保健室へのクーラー設置等のご質問でございます。まず県立学校の保健室へのクーラーの設置についてです。特別支援については全18校すでに設置ずみでございます。また、高等学校につきましても24年度から5ヵ年計画で設置を進めさせてきていただいています。これまで全85校中52校で設置ずみという状況でございます。また小中学校につきましては学校の設置者であります市町村が国の補助制度などを活用して整備をしてきているところでありまして、小学校では375校中266校、中学校で189校中126校で設置されているという状況であります。県立高校の教室の扇風機につきましては、整備の優先度等を考慮して設置をし、電気料金も公費で負担させていただいていますが、同窓会等の好意で設置していただいているものについては、電気料金の負担もこれまでお願いしてきたという経緯があります。この点については、教育委員会で今費用負担のあり方を検討しているというふうに承知しておりますので、その検討結果踏まえて対応を考えたいと思います。
 また灯油代につきましては、可能な限り学校現場で予算執行の裁量権をもっていただくということが重要でありますので、灯油代も含めて需用費という形でまとめて配当をさせていただいております。しかしながら天候の状況等で当初の配当以上に必要となった場合には、年度の中途であっても教育委員会が各校に追加で配当させていただいているところでございます。良好な学習環境を提供する為に必要な予算は措置してきていると考えておりますし、今後とも教育委員会とも連携して対応を行ってまいります。
【教育長】
(2)授業評価、学校評価についてのお尋ねについてお答え申し上げます。匿名性を担保した授業評価と学校評価につきましては、本年度より全ての県立学校において実施しており、実施をした学校からは生徒や保護者の具体的な声を聞くことができ課題が明確になった、教科や学年をあげて授業改善に取り組む姿が見られるようになったなどの意見が寄せられ、順調に実施されているところでございます。小中学校に関しましては設置管理者である市町村教育委員会が判断するところでございますが、今年度は5つの市で試行されているところであり、当該教育委員会や学校からは、課題が明らかとなり授業改善に活用できる資料となった、保護者にとっては従来のものより本音が書きやすいなどの回答が寄せられているところでございます。この5市の試行結果については各市町村教育委員会に情報を提供しているところでございまして、そうした状況も踏まえつつ、各市町村教育委員会において次年度以降の実施についてご検討いただきたいと考えています。

10.子育て支援戦略について

【藤岡議員】
 しあわせ信州創造プラン、子育て支援戦略、人口定着・確かな暮らしの実現に向けた施策展開の方向性においては、子育て先進県を目指すということであります。先進県をめざすのであれば、他県並みの制度にとどまるのではなく、思い切った支援策を進めていくことを求めたいと考えます。

(1)保育料の負担軽減については歓迎するが、子育て同盟の鳥取県では、実施する保育料は無償化という方向へ向かっているわけであります。そうした更なる拡充へ長野県も向かっていただきたいと思いますが、どのようにお考えですか。知事にお聞きいたします。

(2)子どもの医療費助成制度の拡大についても、今回入院の方が中学校卒業までということで拡大したわけで歓迎いたしますが、通院医療費については、平成18年度以降8年間ずっと、小学校入学前までと変わっていません。これこそ対象年齢の拡大をすべきではないですか。知事にお聞きいたします。

(3)つづいてパネルを使って質問いたします。子どもの医療費について、Aさんという家庭の1年間の例を上げると、子ども5人、皆普段は健康な子どもたちで大病はしていません。窓口で支払っている医療費は3ヶ月後ぐらいに振り込まれてきますが、1回500円のレセプト料(自己負担金)は、その度払うので実際はその差額が戻ってくる額です。パネルをご覧ください。12年は54回利用し、かかった医療費は51,390円、うち自己負担金は27,000円で、戻ってきたお金は24,390円。戻り率は47%。13年は、71回利用し、医療費は57,420円、うち自己負担金は35,500円。戻ってきたお金は21,920円。戻り率は38%。14年は、47回利用、医療費は56,500円、うち自己負担金29,500円。戻ってきたお金は27,000円。戻り率は48%。このように窓口での負担額から1レセプト500円の受益者負担を差し引きし、戻ってきた金額の割合は全体の半分以下となります。これでは医療費無料とは全く言えません。たくさんお子さんがおられる家庭ほど負担が重くなります。やはり500円の自己負担金はやめるべきではないでしょうか。知事にお聞きいたします。

(4)石川県では子ども医療費の窓口無料化が新年度に実施され、全国38都府県で実施となります。岩手県では6万筆の署名を集め、福祉医療費窓口無料化と中学校卒業までの助成対象年齢の拡大の請願が出され、県議会では自民党や民主党も含めた全会派の賛成で可決するなど、この動きは全国的に広がっています。本県では、すでに8万筆の署名が集まっており知事に提出されました。さらに2万筆以上の署名が今議会に提出されました。窓口無料化こそ県民の願いであります。実現を急ぐべきと考えますがいかがでしょうか。知事にお聞きいたします。
【阿部知事】
(1)次に、子育ての関係でございます。保育料の拡充についてです。鳥取県、これは私どもが承知している範囲では、第3子以降無償にしているのは一定の中山間地域だけ、地域限定というふうに承知しております。様々な考え方があるわけでありますが、長野県の子育て支援、どちらかというと、所得制限を入れたりあるいは地域限定をかけずに、広く一般的な制度として子育て支援制度取り組んできております。今回の保育料のあり方も様々な角度から検討してきたわけでありますけれども、市町村の皆様方と協議をした結果、今回のような形で制度設計をさせていただいたわけであります。都道府県、これは全国統一的にやっているわけではなくて、それぞれの自治でありますから、それぞれ優れた所、あるいは他に比べるとちょっとまだまだ努力しなければいけないところというふうに様々あると思いますけれども、先進県、他県の状況等も十分我々も把握しながら、出来る限り子育て環境が整備されるよう改善を行っていきたいと思います。今回は市町村と検討した結果、子育て支援戦略で、大きな方向性を出させていただいたわけでありますので、その実現にむけてしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

(2)それから、子どもの医療費の対象拡大についてということでございます。子どもの医療費の助成制度につきましても、市町村とのワーキンググループでの検討を経て、入院について現行の小学3年生までを中学校卒業までに拡大という形にいたしました。子どもの医療費ついてはすでに市町村の取り組みが先行しているという状況もありますので、多くの場合は県としての財源負担が拡大するという形で、市町村にとっては財政的にはプラスに働くと、その部分はぜひ個々の取り組みに反映していただきたいということで私どもお願いしてきているところであります。対象年齢の拡大については、今回市町村との話し合いの結果として、入院については中学校卒業までに拡大したという現状であります。今回の県の見直しを契機として、本年4月からは全ての市町村において中学校のお子さんが入院については、今まで行っていないところも行う方向になっていますので、入院については給付対象となるということで、私どもと市町村と取り組みをした結果が成果として現れていると思います。対象年齢の拡大あるいは制度設計どうするかということについては、今後も市町村の皆様方としっかり検討する中で方向付けを行っていきたいと思います。

(3)それから先ほどパネルでご質問もいただきましたが、福祉医療費助成制度の負担金についてのお尋ねでございます。さまざまなご家庭のケースがあるわけでありますし、今回私どもの制度設計、負担金をお願いをさせていただいているという状況でありますので、先ほど、例えば戻ってくる率みたいな形で計算すると、あまり一人当たりの医療費がかからなかった場合には戻ってくる率は当然少なくなるわけでありまして、多くかかっている場合にはもと多く戻ってくるだろうというふうに思います。医療費が多額にかかっている方たちを支援する制度でありますので、ある意味で当然のことではないかと私は受けとめますけれども、様々なケースがあるなかで特定のケースだけを念頭において制度設計を改めるということにはなり得ないだろうと思います。この負担金につきましては、福祉サービスの受益と負担の関係を明確にして、ともに制度を支えあう一員であるということを受給者の皆様方にもぜひ理解、ご自覚をいただきたいというためのものであります。こうした趣旨についてはぜひ県民の皆様方に広くご理解いただきたいと考えております。

(4)それから子どもの医療費の窓口無料化というご質問でございます。これも先ほど鳥取のケースは地域限定だと申し上げましたし、今回引用された石川県も県全体で同様の取り組みということでは必ずしもないのではないかというふうに、私どもは把握をしております。そういう意味で今回の子どもの医療費の助成の話については、単純に一部分だけ取り上げて進んでいるとか進んでいないとか、正直なかなか比較しづらいと私は思っておりますし、ぜひそうした点はご理解いただきたいと思います。対象とする範囲、どこまでの年齢を対象とするかあるいは、所得制限をかけるのかかけないのか、かけるとすればどの範囲で所得制限をかけるのか、そうした全体的な評価、比較検討が必要だろうと思います。 長野県の場合は、おかげ様で市町村の皆様方の努力で、全ての市町村で所得制限なく、通院においてもほとんどの市町村で中学校卒業まで対応していただいている状況でありまして、県・市町村あわせた相対的な制度としては全国的に見ても比較的高い水準ではないかと考えております。今後、この少子化対策、長野県にとっても全国的にも重要なテーマでありますので、子育て環境の整備、少子化対策、これからも市町村とも連携しながら、県民の皆様方とも十分意見をお聞きしながら、総合的に検討していきたいと考えております。
【藤岡議員】
 福祉医療の窓口無料化についてですが、37の都府県の子育て世代の方が長野県に移住してきたときに病院に行って必ず驚かれます。長野県は子育て支援策が送れていると必ず言われるわけであります。そういった点も真摯に受け止めていただきたいと思います。これまで実施していなかった岩手県ですが16年度中の実施を決断したそうであります。導入理由は「一時的に窓口負担が発生するため、『手持ちのお金がない場合に受診をためらう要因になる』などとして、住民団体などから県や市町村に対し、移行を求める声が上がっていた」と紹介されています。昨年の夏まで、37の都府県で医療費窓口無料が実施されてきましたが、新年度から石川県が実施して38、16年度に岩手県が実施して39、どんどんと全国に広がっています。『子育て先進県』ということでありましたら、こういった全国の流れに沿った決断を強く求めたいと思います。

11.社会保障について

【藤岡議員】
 つづいて、社会保障の問題について質問します。安倍政権が昨年に成立させた「医療・介護総合確保推進法」には、国の方針に基づいて都道府県が新たな病床再編計画をつくり、従わない病院にはペナルティを科して、増床の中止や病床削減を"命令"できるようにする仕組みが盛り込まれました。さらに国は、都道府県ごとに医療費の公的支出目標を設定させ、達成できない場合は、診療報酬を引き下げることまでねらっています。都道府県が医療費抑制を競わざるをえないしくみを導入しようとしているのです。
 そこで質問いたします。

(1)‐1  県はどのような病床再編計画をつくるおつもりでしょうか。「病床数削減計画」を国の言うままに進めていくつもりでしょうか。健康福祉部長にお聞きいたします。
 2 この法律によって、介護保険では「要支援者」への訪問・通所介護を介護保険サービスから外し、市町村による安上がりの事業に移行。事業費に上限を設けるなど費用を徹底削減します。特別養護老人ホーム入所者を原則、要介護3以上に限定するなど制度発足以来の大改悪がすすめられます。厚生労働省の社会保障審議会・医療保険部会では、▽後期高齢者医療保険料の「特例軽減」を打ち切り、1600万人の加入者の半数を超える865万人の低所得者に保険料の2~10倍の保険料値上げを押しつける、▽一般・精神・65歳未満の療養病床の入院食費負担を大幅に引き上げる、▽高齢者の自己負担をさらに引き上げる、▽協会けんぽの保険料率を引き上げる、▽国保税の負担上限額を引き上げる、▽国保料税の負担増や滞納制裁の強化につながる市町村国保の都道府県単位化――など、2015年通常国会への法案提出に向け、"老いも若きも大負担増"の計画が検討されています。
 こうした連続改悪を進めれば、県民の生存権が脅かされてしまいます。だれもが安全・安心の医療介護制度を確立することが国の責任であり、このような医療介護制度の連続大改悪に反対すべきではありませんか。知事にご所見をお聞きいたします。

(2)国民健康保険の都道府県単位化の問題について質問します。
 国保の所得に対する割合は、平均でほぼ1割と年々上昇を続けています。さらに売掛金や預金の差し押さえなど、過酷な国保料のとりたてが、国保加入者を苦しめています。完納できない世帯には、正規の保険証に代わり、「資格証明書」や、有効期限が短い「短期保険証」が発行されます。事実上の「制裁」です。「資格証明書」では、医療機関の窓口で10割全額支払わなくてはなりません。保険料を払えない世帯が窓口で全額負担できるはずもなく、どんなに具合が悪くても受診を我慢し、病院に運ばれたときは手遅れで死亡する痛ましい事態が各地で大問題になっています。
 2012年度の厚生労働省「国民健康保険実態調査」によると、国保加入者の実に43.4%が無職です。「所得なし」は28.8%で、「所得200万円以下」との合計は8割近くに達しています。雇用環境の悪化で、非正規雇用の労働者が勤務先の被用者保険から締め出されて国保に流れ込んでいる実態もあります。
 国保は被用者保険などのような事業主負担がないため、公費負担が重要ですが、国は国保の総収入に占める国保支出金の割合を1984年の49.8%から、現在は約25%にまで減らしています。
 もっとも所得の低い層が、もっとも過酷な保険税負担に苦しんでいます。滞納世帯の割合は約2割にも達しています。払えない人がいる分、それがさらに国保税の上昇につながるという悪循環に陥っています。この実態、国保加入者の苦しみを知事はどう理解されていますか。知事にお聞きいたします。
 国の公的支出もきちんと行わせて、みんなが払える保険料と安心して医療にかかれる当たり前の制度にするべきと考えますがいかがですか。知事にお聞きします。
   この様な深刻な状態の中、政府は、国民健康保険の運営を2018年度から都道府県に移管する案を全国知事会、全国市長会、全国町村会に示し、了承を得ました。市町村が行っている国保への一般会計の繰り入れをやめさせ、国保税のさらなる引き上げと徴収強化を招くものです。
 県として、市町村が現在独自に行なっている支援策を継続できる保障があるのでしょうか。また継続する決意はあるのでしょうか。この都道府県単位化は、県が大変な立場に置かれていくわけですから、反対すべきと考えますがいかがでしょうか。知事にお聞きいたします。
【健康福祉部長】
(1)‐1 お答え致します。本県が策定する地域医療構想につきましては高齢化が急速に進展する中で、地域における人材など限られた医療資源を適切に配分することにより、急性期の機能に偏った病床構成を見直すとともに、住み慣れた自宅や地域で療養できる地域社会を目指してまいる所存でございます。策定に際しましては、今後国が示します地域医療構想作成ガイドラインを踏まえるものの、それぞれの地域の実情を十分に考慮しながら、広範な地域の合意形成を図られるよう、軸足を地域に置き慎重に策定作業を進めて参ります。
 また現在国が検討を進めているガイドラインに対しましては、県として知事会を通じ、構想の策定の必要性を医療現場や住民に分かりやすく示すことや、構想の策定や実施にあたっては地域の実情を踏まえた柔軟な対応を可能とするとともに、急激な見直しが医療現場や住民を混乱させることのないような運用を可能にすること、あるいは不利益な措置等により、構想で掲げる目指すべき病床数の達成を都道府県に強制しないことなどにつきまして、申し上げているということでございまして、この構想の策定にあたりましてはあくまでも地域の立場にたって、国に対して申し上げるべきことは申し上げつつ進めたいと考えているところでございます。
【阿部知事】
(1)‐2 それから医療介護制度の改革についてということでございます。急速な高齢化の進展に伴いまして、社会保障制度と税の一体改革というかたちで医療介護確保総合推進法に基づいて高度急性期から在宅介護まで一体的にサービス提供できる体制の整備に取り組んできているところでございます。同時にこの改革では負担能力に応じて負担し支えあう仕組みを目指していくということで、これまで国民生活の安心を支えてきた社会保障制度を確実に次世代に引きついでいくという観点で、受益と負担の均衡の取れた医療介護制度の構築は避けて通れないものと考えております。
さきほどの子ども医療の話もそうですが、全く負担なしの受益、受益、受益ということだけでは制度回らないわけであります。目に見えない形でも税という形あるいは社会保険料という形で負担をいただいているわけでありますので、受益のことだけ考えた制度設計というのは、私はありえないと思っています。
 なお、そういう意味で低所得者に対しては例えば入院時の食事代引上げの据置、あるいは後期高齢者医療の保険料見直しについて激変緩和措置が講じられているということ等、一定の配慮がなされているものと考えています。

(2)それから国保の現状及び国の負担ということでございます。私も一時期無職になったときには国民健康保険に加入させていただいた時期もあります。被用者保険に比べて負担感を持ったという記憶は確かにございます。国民健康保険制度、構造的な問題を抱えているわけでありまして、年金受給者、非正規雇用のため、被用者保険に加入できない方の割合が今大幅に増加してきているわけであります。そうした問題にやはり向き合っていくということが必要だと思っております。 国保制度については基本的には全国制度でありますので、まずは国の責任において抜本的な対策をとるべきということを知事会を通じて国に強く対応を求めてまいりました。今回国と地方の協議における議論の取りまとめにおきまして、毎年約3400億円の財政支援を拡充して、基盤強化を図っていくということが確認をされました。一定の前進ではありますが、まだ十分とは言えないと思っております。国におけるさらなる基盤強化への取り組みを求めてまいります。
 それから都道府県移管についてであります。長野県、とりわけ小規模な保険者が多い県でございます。国民健康保険財政が不安定化しやすい懸念があるわけでございます。また市町村からも都道府県移行を推進する要請もございます。私は、財政運営、都道府県が行うことにより国民健康保険を広く支えあう仕組みにしていくということが必要ではないかと思っております。藤岡議員ご指摘あったように、確かに大変な問題であります。大変な問題だからといってみんなが押し付けあうということでは私は問題は解決しないと思っております。今言ったような長野県のおかれた状態を考えれば、県が受け入れることも必要ではないかと思います。平成30年度から都道府県が市町村とともに国保の運営を担う国民健康保険法の改正法が今後閣議決定され今国会へ提出審議されることと承知しております。市町村が独自に行っています支援策の扱い等も含めて、実施運営に向けての詳細については、引き続き国と地方との協議を行っていく予定であります。県としては、地方の意見が十分反映されるよう知事会等通じて国に求めてまいります。
【藤岡議員】
 国保税の問題ですが、国保加入者は本当に苦しんでいます。市町村も一般財政から繰り入れて、何とか払える国保税にと、努力しています。ぜひ県が、そういう自治体を支援して国保税の引き下げのために動くべきではないでしょうか。知事の福祉医療費や、国保税についての答弁を聞いていると、財源の問題じゃなくて、私は「福祉の心がない」と言わざるを得ないというわけであります。国の社会保障切り捨てに対して、防波堤の役割を果たすことを強く求めたいと思います。

12.防災減災対策について

【藤岡議員】
 次に、防災・減災対策について質問いたします。東日本大震災・長野県北部地震から4年、阪神淡路大震災から20年がたちました。この間の教訓にてらしても、すべての被災者の生活と生業を再建するまで必要な公的支援を行うことを、復興の基本原則に据えることが求められています。
 また昨年、長野県では豪雪災害、大雨洪水災害、御嶽山の噴火災害、そして神城断層地震と、災害が頻発した年となりました。こうした災害から教訓を引き出した防災・減災対策が求められています。そして今まで、県の実施した支援の到達点を生かし、さらに発展させる方向で支援を充実させてほしいと考えています。そういった観点から質問いたします。

(1)長野県北部地震で被害に遭った栄村では被災者からの要望の強かった集落分散型復興村営住宅が建設され、入居者全員が入居できたなどの教訓があります。白馬村では被災された方々で、個人住宅の再建の声もたくさんあるわけですが、高齢者も多いこともあり、公営住宅への入居希望も多く聞かれます。小谷村でも村が行った被災者意向アンケート調査によると、自宅を失った被災者の約3割の人が、「村を離れる」「残るか分からない」と答えています。白馬村や小谷村でも希望を募り、復興村営住宅の建設を進められるよう県として支援できないでしょうか。知事にお聞きします。

(2)長野県北部地震で被害にあった栄村や、御嶽山噴火災害で深刻な影響を受けた王滝村や木曽町などに対し長野県は、復興基金を創設し対応してきました。この対応によって、被災した自治体は大変たすかったと評価するわけですが、神城断層地震で被害にあった自治体に対しても、同じような復興基金の創設を決断すべきだと考えますがいかがでしょうか。知事にお聞きいたします。

(3)県は市町村とともに自然災害で被災した世帯の統一支援制度を検討するとのことでありますが、これは被災者の視点に立ち、思いや願いに沿ったものとなっていくのか。企画振興部長にお聞きいたします。

(4)国の現行の被災者生活再建支援法では、被災した世帯数の要件があり、災害によって全壊しても適用されないケースがあり、その場合は地方自治体が独自の支援を行っています。また、全壊で300万円、半壊で最大規模で250万円では住宅再建は不可能であります。国に対し、被災者生活再建支援法を抜本的に拡充し、「例えば支援金を500万円に増額するとともに、対象を半壊などに広げる」など、被災者への一層手厚い支援にするよう求める必要があると考えますがいかがでしょうか。知事にご見解をお聞きいたします。

(5)県内の活火山の観測体制の強化するために、国に強く働きかけるべきではないでしょうか。また、避難情報の伝達を的確に行うため、気象・火山現象などの相談機能の確立、強化を進めるべきと考えますがいかがでしょうか。危機管理部長にお聞きいたします。
【阿部知事】
(1) 防災減災についてのご質問でございます。福祉の心がないといわれるとちょっとショックでありますけれども、県民の皆さんの思いにしっかり寄り添って災害対策あるいは福祉事業行なってまいります。
 復興住宅についてでありますが、まず神城断層地震、まず復旧仮設住宅を年内につくろうということで国も相当頑張ってもらって復旧仮設住宅を設置して年内にご入居いただくことができました。住まいの確保、復興を進める上で最も重要なテーマと思っていますので、発災以降、村あるいは被災された方々から住まいに関する相談にきめ細かく対応させてきていただいております。村営住宅の建設についても村からの相談に対応させていただいております。現在小谷村では被災された方々からのご意向も踏まえて建設する方向で準備が進められております。また白馬村では今後以降調査を行って建設について判断されるというふうに伺っています。県としては建設選定あるいは住宅建設等様々な場面で協力連携して、住宅が速やかに整備されるよう村ともいっしょになって取り組んでまいります。

(2)それから復興基金の創設というご質問でございます。神城断層地震に対しましては、復興復旧方針に基づき様々な支援策を講じてきております。被災市町村からは復興基金の創設というご要望、県としては伺ってきておりませんが、今後とも全庁上げて市町村と連携しながら被災された皆様方の思いに寄り添った復旧復興に努めてまいります。

(4)それから被災者生活再建支援制度、これは対象地域のあり方等について私どもも意見を申し上げてきております。ただ金額等については順次これまでも引き上げてきていて、これは与野党の共同提案でそもそも成立されて徐々には使い勝手よく改正されてきたという経緯もございます。今回の神城断層地震災害におきましては同法によります対象とならない被災区域、そして半壊被害の被災者に対しましても、私の特認で県単独の災害見舞金を支給することとさせていただいたところでございます。今後この被災者生活支援のあり方については、市町村といっしょになって被災者生活再建制度のあり方について検討を行ってまいります。チームをつくって検討してまいります。どういう支援が適切なのかということも含めて、検討を行ってまいります。その結果によって、これはやはりもう少し国がこうじゃないかということがあればもちろん国にも言っていきますし、県と市町村でどういう対応をするかということも合わせてしっかり検討して、安心していただけるような制度設計を考えていきたいと思っています。
【企画振興部長】
(3)被災世帯に対する統一的な支援制度についてです。神城断層地震の教訓を踏まえまして、県内どの市町村に住んでいても安心できる長野県独自の生活再建支援制度のあり方を検討するために、市町村の代表とともに検討チームを設置した所でございまして、今年の秋までに結論を取りまとめる予定でございます。支援制度の検討にあたりましては、被災者の生活安定確保はもちろん、地域コミュニティの持続可能性をどうやって確保するかといったことも視野に入れながら市町村の皆さんと検討してまいりたいと考えております。
【危機管理部長】
(5)火山観測体制の強化についてお答えいたします。県内の活火山の観測態勢の強化を図るために、御嶽山噴火以降、様々な機会をとらえて県から国に対して要望活動を行っているところでございます。またこの他、全国知事会を通じまして火山の観測態勢の強化の要望活動を行っております。専門的知見の活用についてでございますが、昨日知事から小松議員に答弁したとおり、24時間常時監視が必要な火山につきましては火山防災協議会を設置し火山専門家の参画を求め、平時や噴火時等に専門的見地からも助言を頂く態勢を整えております。この他、県の防災会議の専門委員に火山専門家3名を任命し、平時や噴火時等に専門的見地からの助言を頂く態勢を整えております。このようにすでに様々な取り組みを進めているところでございます。
【藤岡議員】
 浅間山直轄火山砂防事業について質問します。国土交通省関東地方整備局 利根川水系砂防事務所では、積雪期の火砕流による融雪型火山泥流や、噴火後の土石流など、浅間山の噴火に伴う土砂災害に備え、火山活動の推移に応じた機動的な対策を行う「火山噴火緊急減災対策」を実施しています。噴火活動に応じた機動的な対策を行うため、「平常時」と「緊急時」に分けた施設整備を実施するとしています。
 平常時には、最低限の期間的施設の整備(コンクリートブロックの備蓄・砂防堰堤の構築・用地取得・道路の整備)を実施し、緊急時は、噴火活動に応じて機動的な工事(コンクリートブロックによる砂防堰堤の構築等)を実施するとしています。

(1)現在、緊急時に備え、平常時から一個3tのコンクリートブロック13,000個弱、最終的には約21,000個ほど準備するそうですが、現在、佐久市御馬寄の千曲川河川敷付近に浅間山の噴火災害に備えて防災ブロックが備蓄されています。この敷地は佐久市の工業団地であり、いつまでもブロックを備蓄しておくことはできません。早急にブロックの備蓄基地を決定し、移転させる必要がありますが、県として国に対し早期に対応するよう働きかけるべきと考えるがいかがでしょうか。建設部長お答えください。

(2)小諸市、軽井沢町、御代田町では、備蓄ブロックを設置する場所の更に上部に砂防堰堤を設置される予定であると聞いています。一方ではその設置を急いでほしいとの声があり、他方では、関係する住民の声を聞き、慎重に対応すべきとの声もあります。県は、国に対し地域の実情にあわせ適切に対応するよう働きかけるべきではないでしょうか。建設部長にお聞きいたします。
【建設部長】
(1)浅間山直轄火山砂防事業についてのお尋ねでございます。まず防災ブロックの備蓄についてでございますが、浅間山直轄火山砂防事業は平成24年度に着手され、現在緊急時の砂防堰堤用のコンクリートブロックが製作されております。製作されたブロックは、佐久市ミマヨセのジュウニガワラ工業団地の土地をお借りして一時的に置かれております。今後緊急時の砂防堰堤の設置箇所等を考慮した備蓄場所に移設される予定です。
 現在備蓄場所について関係者との協議が重ねられているところでございまして、協議が整い次第、場所の整備が行われ移設される予定とお聞きしています。
 県といたしましては、噴火災害時に支障ないよう国に協力してまいります。

(2)次に砂防堰堤建設時の地元への対応についてでございます。浅間山直轄火山砂防事業計画では、想定される融雪型火山泥流を対象として先程申し上げたブロックを活用した緊急時のものも含めまして、県内に14基の砂防堰堤の設置が計画されております。砂防堰堤の設置にあたっては、現地の調査を行い、規模等の詳細計画を決定する過程で、住民の皆様に説明するとともに、ご意見を伺う場を設けているとお聞きしております。県としては事業の着実な推進にむけ、引き続き、地元の皆様や国、市町村と連携を取ってまいります。

13.廃棄物行政について

【藤岡議員】
 廃棄物行政について質問します。佐久地域で、2013年に廃棄物最終処分場管理の問題点を訴えた市民団体「放射能を考える佐久地区連絡会」の代表に対し、ブログなどの記述で名誉を毀損されたとして、佐久市などの廃棄物処理会社2社が、損害賠償を求めた裁判で、イーステージの方の裁判が1月15日、長野地裁上田支所において「原告の請求は全て棄却」という判決がありました。会社側が控訴をしたため裁判はつづきますが、第1審の裁判では、長野県の当該処分場の水質検査の開示資料が採用されています。「平成8年の検査当初は処理水の水質は良好であったとしたが、平成14年には様々な水質汚染の状況が確認されたということが認められたとしています。「水質悪化の原因」が存在し、その原因が「第2処分場以外にあることが明らかになっていない」ことを裁判所も認めている判決であったわけです。そこでお聞きします。

(1)県はこの問題を認識していますか、環境部長にお聞きいたします。
(2)次に、水質悪化は明らかであることを裁判所も認めているわけですが、何が原因なのかその原因究明と解決が監督責任のある県にあると思いますがいかがですか。また原因究明と解決をすべきではないですか。環境部長にお聞きいたします。
(3)水質悪化問題について、地域住民の中で不安が広がっています。今後どう対応されていきますか。阿部知事にお聞きします。

 つぎに、フジコーポレーションの所有でありました、最終処分場について質問いたします。昨年の6月定例会でも質問しましたが、放射性物質が大量に含まれている焼却灰などを埋め立てた処分場を埋め立て終了から、一ヶ月足らずで県は廃止確認を行いました。これにより、処分場としての管理責任が、事業者、長野県とも消滅していることに法律上なってしまいます。
 6月定例会での質問に対し、阿部知事は「最終処分場の廃止後も法の定めのない県独自のモニタリング調査による安全性の確認とそうした調査結果の公表を通じ、最終処分場に係る県民の皆様の不安解消に努めてまいりたい」、「廃止後も引き続き周辺地下水などの水質や敷地境界における空間放射線量などの県独自の検査を継続して、事業者についても県の要請を受けて独自の調査を継続してもらい、そうした調査結果については全て公表していく予定であります」と答弁されています。そこで質問いたします。
(4)廃止後も県は独自の調査を行ったようですが、1年限りで終えるのではなく、不安が解消されるまで調査を続けていくつもりはありますか。また、事業者にも引き続き調査を求めていかれますか。環境部長にお聞きいたします。
(5)現在の状況として、この処分場跡地はすでにフジコーポレーションの所有ではなく、農業法人に所有権が移っており、処分場上部は農地として利用されていくと聞いておりますが、これは本当ですか。今後この処分場跡地の管理責任は誰がとるのですか。現所有者の農業法人ですか。埋め立て作業を行ったフジコーポレーションですか。それとも県ですか。知事にお聞きします。
【環境部長】
(1)(2)廃棄物行政につきまして順次お答え致します。はじめに最終処分場周辺の水質悪化への対応についてのお尋ねでございます。当該最終処分場の周辺地下水の水質が平成19年頃環境基準内でございましたが、最終処分場の維持管理基準における水質悪化の指標でございます電気伝導率及び塩化物イオン濃度が増加傾向にあったため、県としましては最終処分場周辺地下水が何らかの原因によって悪化したものと認識を致しました。このため、県は廃棄物処理法に基づき、事業者に対して平成20年1月31日付けで原因調査、新たな廃棄物の搬入中止、水質悪化の拡散を防止するための地下水の汲み上げ、地下水モニタリング及び結果報告を指示いたしました。これに対しまして事業者は指示に基づき原因調査及び対策を実施致しましたが、悪化原因の特定には至りませんでした。しかしながら、推進悪化の原因が処分場にないことも確認できないことから、県は廃棄物処理法に基づき事業者に対しまして周辺地下水の汲み上げと月1回のモニタリングを継続実施させるとともに、県自らも周辺地下水について年一回の水質検査を継続実施しているところでございます。
 今後の対応と致しましては、この周辺地下水の汲み上げ以降、地下水の水質が改善されてきたとの検査結果もあることから、県としては引き続きこれらの対策を継続実施させるとともに、情報収集に努めて参ります。

(4)次に佐久市内の廃止された最終処分場跡地の地下水等の調査の継続についてのお尋ねでございます。この最終処分場にかかる地下水等の調査の継続については、6月定例会で知事が答弁いたしましたとおり、廃止後も引き続き県・事業者ともに空間放射線量率や地下水の放射能濃度の測定を継続し、結果についてもそれぞれホームページで公表してまいりました。
 具体的には、県において事業者の協力を得ながら、周辺地下水の放射能濃度について年2回、敷地境界での放射線量率については年3回調査を行い、地下水についてはいずれも不検出、空間放射線量率については他の地域に比べても異常のない値であることが確認されております。事業者におきましても、地下水の放射能濃度及び空間放射線量率をいずれも毎月、法の義務付けのない独自の調査として行っており、県の調査と同様の結果となっております。来年度につきましては現在処分場跡地の管理者に調査への協力要請を行うなど、県と事業者双方の調査の継続に向けて準備を進めているところでございます。
 それ以降につきましても、これら調査結果や科学的知見を踏まえて対応してまいります。
【阿部知事】
(3)それから廃棄物行政についてです。まず水質悪化の対応についてです。地下水の水質悪化の現在の対応でありますけれども、廃棄物処理法にもとづきまして、事業者に対して周辺地下水のくみ上げとそれから月一回の地下水のモニタリングを実施するとともに、県としても独自の水質検査、実施をさせていただいております。特に本年度は地下水の水質検査に加えまして、住民の皆様方からのご要望も受けまして近隣の河川の水質検査もおこなって、河川水の水質が環境基準値内であるということを確認しました。今後も事業者に対しまして周縁地下水のくみ上げと月1回の地下水モニタリングを引き続き実施をさせてまいりますとともに、県としても住民の要望を踏まえて地下水などの水質検査をおこなって、住民の皆様方の不安解消に努めてまいります。
(4)閉鎖された最終処分場の最終責任についてです。ご指摘のありました最終処分場跡地につきましては、6月定例会でもお答え申し上げましたとおり、独自で、法の義務はありませんが、地下水の放射能濃度あるいは空間放射線量の調査、独自に行ってきている。来年度も調査継続していく予定です。ご質問の管理責任、まずは土地の所有者と考えております。ただ県としては廃止された最終処分場につきましては廃棄物処理法にもとづきまして、廃棄物が地下にある土地としてその区域を告示するとともにホームページに掲載し周知してまいります。またこの指定区域においてその土地の形質を変更しようとする者については、県に事前に届け出るということが義務付けられておりますので、県として引き続き適切に対応してまいります。
【藤岡議員】
 ぜひ神城断層地震で被害の遭った自治体へも、これまでも災害に遭った自治体に対して行われた復興基金の創設を重ねて強く要望いたします。
 最終処分場の問題についてですが、水質汚染が存在し、放射性物質が含まれる焼却灰が埋められている場所があると。その管理責任が曖昧になることは絶対にあってはなりません。地域住民の不安の声にしっかりと耳を傾け誠実に対応し続けていただきたくことを強く要請いたします。知事も現地調査をしていただきたいと思います。そして地域住民の声を直接聞いていただきたいと思います。小諸市ですからご自宅からそんなに遠くないと思います。

 いくつかの角度で質問してまいりました。県民のくらしが大変であります。暴走政治で押しつぶされそうになっています。いま長野県には、国の悪政の推進者として県民に負担を強いるのか、それとも国の悪政の防波堤としての役割を果たすのかが鋭く問われています。
 日本共産党県議団は、「安倍政権の暴走政治ストップ、平和と暮らしを守る県政を」実現させるために、全力をあげることを表明しまして、代表質問を終わります。

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