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議会質問

2017年2月定例会 和田明子議員一般質問

  1. 生活保護と生活困窮者支援について
  2. 大学進学のための経済的支援について
  3. 県立こども病院ドクターカーについて

1.生活保護と生活困窮者支援について

【和田議員】
初めに、生活保護と生活困窮者支援について健康福祉部長にお聞きします。
神奈川県小田原市の生活保護担当職員が、「HOGO NAMENNA」と書かれたジャンパーを着て保護家庭を訪問していたとの報道に、不正受給を取り締まろうとした結果と正当化しようとする論調もありましたが、あまりにも心無い事態であり、生存権を脅かす行為として許されることではありません。
 生活保護に対して繰り返し不正受給バッシングがされ、厳しい保護費の削減がされてきました。生活扶助基準は、2013年8月から、14年4月、15年4月と3年間に段階的に引き下げられ、平均で7.3%、世帯人数が多い場合は最大10%という大幅なダウンです。さらに追い討ちをかけるように、住宅扶助の引き下げ、冬季加算は加算対象の期間は拡大したが、月ごとの金額が大幅に減り、1シーズンの総額では20%の削減です。
 生活扶助基準、住宅扶助、冬季加算など削減によって深刻な生活の実態が、長野県民主医療機関連合会、以下民医連の調査でも明らかになっています。民医連では、2013年、14年にも同様の実態調査を行っています。この間の保護費の削減で生活実態は一層深刻さを増して、受給者からの「いのちの叫び」ともいうべき声が寄せられていると報告されました。
 今回約170人が調査に協力しています。全体として生活費を極度に切り詰め、余裕のない生活を強いられている状況があります。「食事は1日2食以下、または不定期」が46%、「栄養面に配慮できず品目が少なくバランスが悪い」「衣類を1年に一度も買わなかった」が26%、「町内会、老人会など行事に参加できない、しない」は8割、冠婚葬祭は6割が参加しないというように社会生活も制限されています。教養・娯楽費も極端に少ないという実態です。生活保護は、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立できることを目指すとされていますが、現実はそうでないことが明らかです。

①県は生活保護受給世帯の生活実態をどう捉えているのかお伺いします。また、県として実態把握をすべきと思いますが、いかがかお聞きします。

②厚生労働省は来年度、生活扶助基準や医療扶助、子どものいる世帯の扶助、加算、級地など、全般にわたって見直すための検証作業を行うとされているようです。検証に当たって生活の質を考慮するなど、多角的な視点から行うと言われているようです。
 現状のままでは、生存権まで脅かされるという厳しい状況になっていることを、県として厚労省が行う検証に反映していただきたいと思います。そして、2013年以来行われてきた基準の見直しによって、深刻な生活実態になっていることを受け止めて、国に対して意見を上げてほしいがいかがか、健康福祉部長にお聞きします。
【健康福祉部長】
①初めに、生活保護世帯の実態についてのお尋ねがありました。
 現行の生活保護基準につきましては、平成25年8月から27年度まで段階的に改定が実施されております。改定の影響につきましては、県が所管しております郡部の生活保護受給世帯について調査したところ、平成25年8月の改定では、約8割の世帯が前月と比較し減額となりましたが、平成26年4月の改定では、9割以上の世帯が増額となりました。
さらに平成27年4月の改定では、6割の世帯が減額となりましたが、そのうち約7割の世帯で減少額が1000円未満となっております。
 生活保護受給世帯の生活実態につきましては、福祉事務所のケースワーカーが定期的に各家庭を訪問して状況を把握しております。それに加え、生活困窮者を支援する団体との定期的な情報交換の際、現場の実情をお聞きするよう努めているところであり、今後もこうした機会を通じ、生活保護受給世帯の生活実態の把握に努めてまいりたいと考えております。

②国においては、平成30年度に予定されている生活扶助基準の見直しに向け、現在、具体的な検討を進めているところですが、本県では昨年8月に全国知事会を通じまして、次期生活保護制度のあり方等の見直し等に当たっては、最後のセーフティーネットとしての機能が十分に発揮されるものとすること、真に保護が必要な人が適切に受給できる制度整備、及び就労可能な生活保護受給者の自立を助長できる制度整備を一層促進することを要望したところであります。
 今後も国の検討の状況を注視するとともに、必要に応じ国に対して要望してまいりたいと考えております。以上でございます。
【和田議員】
県としても実態把握に努めているとのことでございますけれども、現実には本当に厳しいということを受け止めていただきたいと思います。
 厚生労働省の検証作業で、能力に応じた就労を行わない受給者に対して保護費を減額することも検討しているようでございます。就労可能な人に指導することは当然ですが、自立の支援と言いながら、心身の健康を害していても就労指導では、自立につながらないと申し上げておきます。
 次に、生活困窮者自立支援について伺います。
反貧困ネットなど民間の支援活動にホームレス支援の相談が寄せられるケースもあり、生活保護につなげるには、住居がネックになって苦労しているとのことです。松本市の例では、昨年末に相次いでホームレス支援で住宅確保に相当苦労した、一生懸命支援しているからと塩尻からも相談されるケースもあった、本来ならば行政として、緊急の住宅支援のためのシェルター的な住居確保してほしいと切望されました。
 絆再生の支援でも、住居の確保に苦労するケースがあります。生活困窮者自立支援制度に住居確保支援も盛り込まれており、緊急的な支援として住居喪失者に対し、一定期間衣食住の日常生活に必要な支援を提供するとされております。県として県住等に緊急対応できる住戸を確保してほしいと思いますが、対応できないか、健康福祉部長にお伺いします。
【健康福祉部長】
ホームレスの方等の住居確保について、お尋ねをいただきました。
生活困窮者自立支援制度では、離職等により住居を失った者等に対して、家賃に充てるための費用を支給する住居確保給付事業と、福祉施設・ホテル等の一時的な宿泊場所の提供等を行う一時生活支援事業があり、生活就労支援センター「まいさぽ」が、本人の意向を確認しながら、今後の住まいの確保を含め自立に向けた相談支援を行っております。
 平成27年度、県内で住居確保給付金事業で85件、一時生活支援事業で20件の利用実績があり、住居喪失者等への対応を図られているものと考えております。さらに国では、低所得者等に対する住宅セーフティーネットの機能強化を図るための法律案が国会に提出されており、今後対策が進んでいくと考えられます。
 引き続き県市町村、住宅担当部署や不動産関係団体との連携を図りながら、より効果的な住居支援が行われるように取り組んでまいります。  以上でございます。
【和田議員】
住宅確保の支援もされているということでございますけれども、民間の支援団体の皆さんにも、緊急の場合のシェルターが必要という要望がありますので、ぜひご検討をお願いしたいと思います。  

2.大学進学のための経済的支援について

【和田議員】
次に、大学進学のための経済的支援について伺います。
 初めに、経済的な理由によって進学を諦めることがないように、県としても独自に給付型の奨学金制度など創設、支援していただいていることに敬意を表します。
 3月を迎えました。高校の卒業式も間近です。新たなスタートの春です。その中で大学から合格通知が届いても、入学金等を工面できず進学を諦めざるを得ず、卒業時には進路未定で高校を卒業する生徒がいると、3年生を担任された先生からお聞きしました。
 今年の高校卒業生で大学に合格しながら、入学金等が準備できず進学を断念せざるを得なかった生徒が何人いるのか、教育委員会は把握しておられるのか、教育長にお伺いします。
【教育長】
議員お尋ねの生徒数は把握しておりませんが、大学合格が決まった後に家庭の経済的な状況が変化し、入学に必要な費用が準備できなかったという等の事例については承知しているところでございます。
【和田議員】
入学金等が準備できず断念せざるを得なかった生徒の数については、把握しておられないということでございますけれども、現実にそういう方がおられますので、ぜひこちらの把握にも努めていただきたいと思います。
 入学料を初め前期分の授業料等のまとまったお金が必要になりますが、この資金を工面するための経済的支援の制度は少ないというのが実情です。入学後の学費、生活費など日本学生支援機構の有利子、無利子の奨学金の手続をしても、入学前に入学金と前期の学費で100万円近いお金が必要になります。
 やむなく教育ローンということで金融機関へ申請しても審査が通らない、こういう場合があり、進学を諦める。NHKの『見えない貧困』でも先日報道がありましたが、これを自分の学校のことだと思って見たという先生もおられます。
 高校生は進学のために勉強を頑張り、自分でお金を貯めようとアルバイトも頑張る。それでも最後に経済的な壁が乗り越えられない。せっかく大学に合格したのに、お金が足りなくて入学することができない。こんなに悲しいことはありません。
 県内では、安曇野市が入学準備金貸付制度基金条例を昨年9月に制定し、今年4月から貸付限度額を国公立大学等は40万円、私立大学は60万円を無利子で貸し付けることで、とりあえず入学金を納め、大学進学の経済的な支援が始まりました。
 県としても現在の支援制度に加え、大学進学や就学のための経済的支援を拡充して、高校生を応援していただきたいと考えます。県民文化部長、教育長にお伺いいたします。
【県民文化部長】
後ほど教育委員会関係につきましては教育長から答弁があるかと思いますけども、平成26年度から県教育委員会におきまして、県内大学進学のための入学金及び受験料等の給付の事業をスタートさせていただいておりますけれども、平成27年度からは、児童養護施設退所者等で大学等へ進学した者に対する「飛び立て若者奨学金」を、また今年度からは、経済的困難を抱えながら県内大学・短大へ進学した者に対する給付型奨学金制度創設するなど、順次拡大・拡充に努めているところでございます。
 このように本県では、ルートイングループ等からの寄付や企業局の利益剰余金を活用しまして、給付型奨学金を国に先駆けて実施してきたところでございます。国におきましても、新たに給付型奨学金制度を導入することとしてございます。平成29年度は、住民税非課税世帯の生徒であって、私立大学等に自宅外通学する者や児童養護施設退所者等の社会的擁護が必要なものに対しまして先行実施し、さらに、平成30年度から制度を拡充する予定としているところでございます。
 こうした国の動きを注視しながら、県といたしましても、引き続き奨学金のあり方につきまして、教育委員会とも連携しながら検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。
【教育長】
県教育委員会としては、平成26年度から全国に先駆けて、県内大学・短期大学へ進学を希望する市町村民税所得割額の非課税世帯等に対して、入学金及び受験料を給付しているところでございます。
 今年度、知事部局で就学継続を支援するための給付型の奨学金を創設したこと、また国においても新たに給付型の奨学金制度を導入すること等を踏まえまして、引き続き奨学金のあり方については検討してまいりたいというふうに考えております。
【和田議員】
それぞれご答弁いただきました。県内大学への進学等、極めて限定的な支援になっております。
 大学の入学金と授業料は平成元年と比較して、国立で52万5000円から81万7800円へ1.5倍以上、私立で82万7000円から112万9000円へ1.3倍以上となっております。文部科学省に対して、抜本的な給付型の奨学金制度の早期拡充と、大学授業料の減額を県からも要請していただきたいと思います。
 文部科学省が調査した、平成27年2月の家庭や学校における生活や意識等に関する調査による高校1年生とその保護者の進学の希望は、高校入学後の早い段階で本人保護者とも約6割でございます。大学への進学率は、全国的には平成27年には約54%、長野県の進学率は平成25年から27年の3年間でほぼ46%という状況です。
 大学で学びたいという希望を持っている子どもたちが、経済的な理由によって進学を諦めることがないように、さらに県として支援を拡充していただくことを重ねてお願いをしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 埼玉県の教育委員会では、2人に1人が大学へ進学する時代となっているが、経済的理由から進学を断念することや、進学後に退学すること、大学は卒業できたが奨学金の返還が困難になることも起こっていることから、大学に進学する前に、進学後の生活や学業にかかわる費用等に関する情報が不足していたことが一つの要因になっているのではないかと考えて、教育委員会として、大学進学を考える高校生や保護者を初め、高等学校の職員、教職員を対象に、大学進学のための経済的支援について情報提供を行うため、「大学進学のための経済的支援ガイド」という188ページにも及ぶ資料集を作成しています。
 資料集に掲載している情報をきっかけに、意欲や能力のある高校生が1人でも多く大学へ進学する夢を実現していただくことを願っていると、思いが込められております。
 長野県としても、高校生や保護者、教職員のための経済的支援を1つの資料に取りまとめて、これを作成するということを考えていただきたいと思いますが、教育長いかがでしょうか、お聞きします。
【教育長】
大学進学のための経済的支援ガイド作成についてというお尋ねでございます。
まず、考えなくてはいけないのは、近年ネットで情報にアクセスする環境がかつてと比べ格段に向上しておりまして、各大学等におきましても常にウェブサイトを更新し、最新の情報提供しているということで、それを踏まえた上で、どのような情報提供のあり方が望ましいかということを検討する必要があるというふうに考えております。
 本県の各高校におきましても、生徒、保護者向けの進路の手引きを毎年作成し、その中で大学受験にかかる費用、大学生活に必要な経費、経済的な支援制度等を含めて、進路選択をするに当たっての基本的な情報提供をしております。
 ただし、各大学でかかる具体的な費用であるとか、大学独自の奨学金制度やその他の支援制度等の内容については、間違いのないように各自で確認することを前提に説明をしております。
 紙ベースで作成された網羅的な資料に、更新されない古い情報が残ってしまうなどのリスクを考えますと、本当に必要な情報が掲載されているサイトに生徒がアクセスできるようにすることが大切であり、教育委員会としては、ご提案のような支援ガイドを作成することは考えておりません。
【和田議員】
今回のことをお聞きするに当たり、経済的な支援、こういうことでどういう制度があるのかということをお聞きしましたけれども、ばらばらばらばらとそれぞれの部局から出てくると、県民文化部や教育委員会からばらばらと出てくると、こういう状態でありましたので、本当にそれが網羅的になっている資料の作成をもう一度ご検討願いたいと思います。

3.県立こども病院ドクターカーについて

【和田議員】
次に、県立こども病院のモバイルICU、ドクターカーの更新について、健康福祉部長にお伺いします。
 こども病院の3台目のドクターカーは平成18年10月に導入され、走行距離40万キロに達し、更新が必要になっていること。このことを日本一のクラウドファンディングによって1500万円の寄付を集め、こども病院のドクターカーを更新するとの報道で知りました。
 こども病院からお聞きしたところ、全国的にこども病院は17病院、そのうちでドクターカーを保有しているのは13病院で18台、長野県の近隣8県中4県にこども病院があり、ドクターカーの保有は3県にとどまっている状況です。
 近隣県からの要請に応えることもあり、県内の産科・小児科の医師不足などから、ハイリスクだけでなくミドルリスクの新生児の対応もされ、動く集中治療室として年間の搬送は400件以上に上るとのことでございます。このドクターカーによって小さな命がどのくらい救われ、後遺症が最小限にとどまったのか、医療チームのスタッフの方々のご尽力と合わせて感謝の意を表したいと思います。

①ドクターカーの更新に当たって、こども病院から県に対してどのような相談が寄せられたのか、こども病院のドクターカーの更新費用、車と医療機器約5000万円とお聞きしておりますが、国、県とも補助制度がないということもお聞きしました。
 広域で活動するドクターカーへ補助のような取り扱いができないかお聞きします。こども病院としても診療報酬によって収益を上げることが求められている中で、ドクターカーの出動によって病院が受ける診療報酬は幾らなのかお伺いします。

②命を救う最前線の重要な役割を担っているにもかかわらず、不採算部門になるということでは、ドクターカーを安定的に維持することはできません。ましてや、出動すればするほど赤字になるとしたら、ドクターカーを廃止せよと国は言っているも同然のことではないでしょうか。
 診療報酬が不十分であれば、ぜひとも国に対して診療報酬の見直しを求めてほしいと思います。この点を健康福祉部長にお聞きします。
【健康福祉部長】
①こども病院のドクターカーの更新に関連して、2点ご質問をいただきました。
 今回のドクターカーの購入については、こども病院が自ら考え、必要な財源の確保に加えて、住民等にこども病院のドクターカーに関心を持ってもらうことを、実際に給付金が集まることにより、こども病院の職員がみずからの仕事に対する意識を高めることを、こども病院の活動をPRし、病院に対する賛同者を募ることを目的に寄付を募集したと聞いております。
 また、県立病院の医療施設整備への補助事業については、三位一体改革により一般財源化されており、県において購入費用の全額を機構に貸与し、その償還額の2分の1を運営費負担金として支援しているところであります。
②次に、ドクターカーの運用に関する経費についてご質問がありました。我が国では、病院の運営に関する費用は、診療報酬と診療報酬のみでは不採算となる事業への補助を組み合わせて賄われております。そうした中、県立こども病院のドクターカーに関する診療報酬は、車内で行われる治療や検査を別にし、1回の出動や往診に対して2万200円となります。
 一方で、不採算となるドクターカーを含めた小児救命救急センターの運営については、その人件費や材料費に対する国庫補助制度や、救急医療に対する県からの運営費負担金などにより、平成27年度のこども病院の決算は黒字となっているところです。
 今後ともさまざまな方策を有効に活用し、未来を担う子どもたちが、質が高く安全な医療が受けられる体制整備に取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
【和田議員】
 今回のクラウドファンディングで1500万円の寄付を集めるということは、こども病院がみずから考えて取り組んでいるという、こういうお話でありましたが、本当にそういうことにせざるを得ない、こういう事態を大変重く受け止めたいと思います。
 そしてまたこの問題については、今、実際に出動して1回2万200円、これでは実際に不採算になり、赤字になる、こういう状況であります。今回この話をお聞きしたときに、できることならば、国・県の補助で更新を支援をしてほしい、こういう思いでありますし、私たちのところにも、どうして県がお金を出さないのか、こういうおしかりも来ています。
 こども病院がドクターカーを更新するため、やむを得ず日本一のクラウドファンディングによって1500万円の寄付を集めざるを得ない国の医療制度、本当に冷たい制度だと思うし、また県もそれと全く同調しているような事態で、これで命が救えるのか、守れるのか、このこと私は痛感するところです。
 ぜひ県としても何らかの支援ができないかお願いをして、私の質問を終わります。

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