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議会質問

2017年6月定例会 毛利栄子議員一般質問

  1. ものづくり産業における人材育成と技術専門校の果たす役割について
  2. 子どもを性被害から守る条例の運用と検証について
  3. 教育勅語について

1.ものづくり産業における人材育成と技術専門校の果たす役割について

【毛利議員】
 ものづくり産業における人材育成と技術専門校の果たす役割について、産業労働部長に伺います。
県は現在、長野県産業人材育成プラン第10次職業能力開発計画に沿って施策の展開を行っています。ここでは生産年齢人口が減ってくる中で、労働者一人一人の技能技術を高め、産業界や地域ニーズを踏まえた人材育成を推進する、経済の活性化に向け一人一人の能力が最大限発揮できる全員参加型の社会を実現するといった視点に立ち、職業能力開発施策を総合的かつ計画的に展開するとうたっています。
 技術専門校については、今日までの長野県の基幹産業を担う技術者の育成や雇用のセーフティネット、民間教育機関の補完といった地域の産業界を支える重要な役割を果たしてきたと評価、今後はより効果的な役割を果たすため、訓練内容や訓練化の見直しなどを検討しながら、引き続き役割を担っていくとしています。
 一方、今年3月に出された包括外部監査の結果、報告書では、技術専門校の入校者数のみに着目して、定員充足率が低いことや運営コストがかかるなどの費用対効果を指摘し、効率化のために県内6カ所ある技術専門校の将来的な統廃合を示唆しています。そこで改めて、以下3点について産業労働部長に見解を伺います。

①長野県のものづくりにとって、人材育成や技術の継承における課題は何か、解決のためにどのような対策を行っていくのか。

②技術専門の果たしてきた役割や歴史、どう評価しているのか、課題は何だと捉えているのか、課題解決の方策をどのように考えているのか。

③包括外部監査結果を尊重しつつも、普通課程・短期課程に加え、技術専門校が再就職準備のための委託訓練や在職者訓練など、地域中小企業にとってかけがえのない重要な役割を果たしていることを考えれば、学校の統廃合は慎重に対応すべきと思うがいかがか。
【産業労働部長】
 ものづくり産業における人材育成と技術専門校の果たす役割について、3点御質問をいただきました。

①まず、人材育成や技術継承の課題と対策についてのお尋ねでございます。県内4000事業所を対象に県が平成27年に実施いたしました人材育成ニーズ調査によりますと、人材育成に係る課題として、6割を超える事業所が人材育成にかける時間がない、指導する人材が不足しているといったことを挙げておりまして、個々の企業における職業訓練では対応できない実態というものが改めて浮き彫りになったところでございます。
 また、若い人が職人になりたがらない、小・中学校の時からものづくりは面白いと感じさせる教育が必要であると、そういった意見も寄せられておりまして、学校教育段階での職業教育の重要性といったものが指摘されているところでもございます。  県では技術専門校とでの職業訓練や在職者向けのスキルアップ講座を開設をいたしますとともに、平成28年度からは、小・中・高校生等にものづくり教育を行う「信州ものづくり未来塾事業」を実施するなど、ものづくり産業の人材育成確保に努めているところでございます。

②次に、技術専門校の評価と課題についてであります。技術専門校は昭和13年、岡谷市に県下で最初のものづくり産業の技能養成所として設置されて以来、今日に至るまで、現行の6校で3万人を超える即戦力となりうる人材を送り出し、地域の産業界を支える重要な役割を果たしてまいりました。一方、最近2年間の技術専門校の定員充足率は7割を切っており、企業が求める人材の輩出はもとより、事業の効率的な運営といった観点からも課題であるというふうにとらえております。
 こうした中で、訓練科や訓練内容が地域産業界や高校生などのニーズに合っているのか、将来における産業技術の進展も見通しつつ、検証・見直しを行う必要性を感じているところでございます。またその上で、現在低い状況にございます高校生の専門校に対する認知度につきましては、教育委員会や業界団体とも連携しながら周知を図り、その向上に努めてまいりたいと考えております。

③最後に、技術専門校の統廃合についてのお尋ねでございます。包括外部監査の結果では、技術専門校の統廃合につきまして、「将来的に検討に値する」との認識も示しつつ、まずは、認知度向上のための取り組みや訓練科目、カリキュラムの見直しの必要性を改善事項として示されているところでございます。これは、県が昨年11月に策定をいたしました「長野県産業人材育成プラン」とも方向性を同じくするものでございまして、今後地元自治体や産業界の皆様との意見交換等を行いつつ、期待される役割を十分に果たしていけるよう、訓練内容や訓練科の見直しについて検討をしてまいります。
 また、昨今の雇用情勢の中で企業在職者を対象にいたしましたスキルアップ講座につきましては、ますますその役割が増していることから、そのあり方についてもあわせて考えてまいります。
【毛利議員】
 県下の技術専門校は、その時々の地域の要請や必要に基づき、大工さんの養成や溶接工の養成、自動車整備工や木工家具製作者の養成など、全国的に見ても特筆する歴史を持ち、時代の変遷の中で工夫を重ね人材を育成し輩出してきました。
 岡谷技術専門校の例を挙げれば、平成29年度の入校生は新卒者、離職者、離転職者対象の1年制のものづくり技術科は、定員10人に対し40%、6カ月の機械制御科は30%ですが、企業の在職者訓練で見ると、昨年は70講座開設し、諏訪管内はもとより県下全域から121の企業、456人が参加するという大人気で、年々受講者もふえており、企業内では十分スキルアップできないと悩んでいる企業の貴重な訓練の場になっています。中小企業にとってはかけがえのない役割を果たしており、ここがなくなれば長野県のものづくりの土台が揺らぐ懸念があります。
 受講生の声を御紹介します。「話を聞いているだけよりも実際に自分の手で行うことにより、知識を深めることができました。基礎から丁寧に教えてくださったので、きちんと理解することができました。会社が私たちの研修を受けさせてくださっているのは、未来の会社への投資だと思います。技術も知識も早く自分のものにできるよう、新卒の子たちと一緒に頑張ります」。
 そこで、産業労働部長に伺います。安易な統廃合で岡谷技術専門学校を廃止することは、禍根を残すことにつながります。さまざまな訓練をやっていることに着目し、慎重に対応すべきと思いますが、包括外部監査結果については、今後どのように扱っていくのでしょうか。
【産業労働部長】
 今回の包括外部監査の結果では、先ほども申し上げましたように、「将来的に統廃合も視野に入れつつ」ということを指摘されてございますけれども、同じく、まずは訓練科目、訓練内容の見直しに着手して、しっかりと役割を果たしていくことが先決であるというふうに受け止めてございます。
 そういったことから統廃合ありき、岡谷技術専門校について統廃合ありきということで検討をするということではなくて、先ほど申し上げましたようにしっかりと地元の皆様、自治体、産業界の皆様と意見交換をしながら、その果たすべき役割を、十二分に果たしていけるような方策を講じてまいりたいというふうに考えてまいります。
【毛利議員】
慎重な対応をお願いしておきます。

2.子どもを性被害から守る条例の運用と検証について

【毛利議員】
 引き続きまして、子どもを性被害から守る条例の運用と検証について、県民文化部長並びに県警本部長に伺います。

①昨年11月に全面施行された子どもを性被害から守る条例の処罰規定が適用される検挙事案について、子ども支援委員会及び青少年問題協議会で報告があったが、情報提供が不十分で、事件の状況、子どもたちの行動背景などが分からず、今後の対策や子どもへのケアについて検証ができない、との意見が出ると伺っています。条例制定時の議論の中で、運用や検証大きな論点になりました。委員の疑問にどう応えどう改善していくのか、検討状況を県民文化部長に伺います。

②子どもの支援に関する条例では、子どもの人権侵害に関する事案の調査審議にあたっては、学校関係者、その他の関係者の資料の提出及び説明を求めることができるとしています。子ども支援委員会は非公開で実施されており、プライバシーに配慮しつつ検証できるため、検挙当事者の県警が出席して、事案の詳細な説明や質問に答えることが不可欠だと思います。警察の出席要請について、県民文化部長はどう考えておられますか、見解を伺います。

③「魂の殺人」と言われる性暴力は絶対にあってはなりません。党県議団や長野県弁護士会などが運用に関し、再三、子どもの真摯な恋愛への介入や、子どもの自由を過度に制約することへの懸念、処罰規定乱用による冤罪への警鐘を鳴らしてきました。報告によると、条例の処罰規定の適用となったのは2件で、いずれも深夜外出規制に関わるものでした。
 そのうちの1件は、県外に住む23歳の公務員が10代後半の少女を保護者の許可を得ずに誘い出し、公園駐車場の車内に一緒にいたところを警察の職務質問で摘発し、書類送検したというものです。夜間車の中に一緒にいただけで、しかも警ら中の職務質問で捕まえるのかと驚きの声が上がっています。ところが、その後男性が自ら命を絶つという最悪の事態となりました。若者のこれからの人生を考えると、暗たんたる思いがいたします。さらに一緒にいた少女も心理的なショックを受けていると思われ、カウンセリングなどのフォローが必要かと推察いたします。それだけに長野県警が適正で慎重な捜査運用を行ったのか、疑問に思わざるを得ません。県警本部長に見解を伺います。

④あわせて、山口県警は取り扱いに遺憾のないようにと、運用について例規指示なるものを詳細にわたって出しています。その中には、条例に対する周知徹底は県が主導的に行うことになるが、警察としても各種会合等の機会を利用して、制限禁止事項の遵守について県民の自覚と協力を求めるなど、条例の周知徹底について側面的協力をすること、検挙着手前に事件の概要捜査状況等を、少年課を経て速やかに報告するなどということも規定されています。長野県では県警に対し、条例の運用にかかわってどんな要請を出しているのか、県民文化部長に伺います。

⑤先の国会では、実に110年ぶり、歴史的な性犯罪規定に係る刑法改正が行われました。性犯罪を当事者の訴えがなくてもよい非親告罪とし、強姦罪の構成要件を見直し、罪名も「強制性交等罪」とし、懲役年数も引き上げて厳罰化、また親や養護施設等の職員などが監護者に乗じて、子どもに対し性行為やわいせつ行為を行った場合、暴行や脅迫がなくても強制わいせつ罪や強制性交等罪と同様の監護者性交等罪、監護者わいせつ罪が新たにつくられました。
 家庭の中で子どもが親などの身内から性暴力を受ける事案もある中で、従来は誰にも言えずに泣き寝入りしていたり、あるいは身内に打ち明けても「お前がちゃんとしないからいけない」などとかえって人格を傷つけられるようなこともあった中で、保護者にも強姦罪に匹敵する刑罰が科せられるようになったことは大いに歓迎します。
 ひるがえって保護者の委託や同意がなければ深夜に子どもを連れ出せず、違反すれば罰則もある県条例の深夜外出規制は、子どもの権利擁護にとって、家にいることのほうがかえって危険な場合もあるケースもあるのではないでしょうか。国の法律とどう整合性を図っていくのか、18条2項の運用は、一層慎重であるべきと思いますが、県民文化部長いかがですか。

⑥子どもへの事実確認に当たっては、警察・検察・児童相談所といくつもの機関が関わり、そのたびに性的暴行の再体験をさせられることになりかねない、と問題が指摘されています。長野県では、心理的負担に配慮するために共同面接はどのように行われているのか、県民文化部長に伺います。
【県民文化部長】
 子ども性被害から守る条例の運用と検証について順次お答えを申し上げます。
①まず、条例の検証のための情報提供についてでございますけども、御質問ございましたように、条例の検証は子ども支援委員会と青少年問題協議会において実施をいただいております。このうち子ども支援委員会では、被害を受けた子どもへの人権侵害への対応の観点から、非公開で個別案件の検討をいただいております。この検討に当たりましては、条例の検討過程で公表した、いわゆる17事例に相当する情報はすべて提供させていただき、御議論をいただいているところでございます。
 また、青少年問題協議会では被害を受けた子どものプライバシーに配慮し、個別の事案の詳細や背景の説明は行わず、性被害の現状を法令・条例を含めて報告し、条例の運用状況や性被害を防ぐ施策の充実の観点から公開で御議論をいただいたところでございます。
 検証のための情報提供についてでございますが、被害を受けた子どものプライバシーや人権の保護を第一に考えつつ、一度限りでなく複数回も視野に検討していただけるよう、委員の皆様の御意見をできるだけ丁寧に、真摯に受け止めて対応してまいりたいと考えております。具体的には5月の子ども支援委員会において、子どもたちの行動の背景を検証するためには、事案の概要に加え、子ども自身の状況や行為に至る経過等のより広い範囲の情報が必要との御意見をいただいておりますので、次回の委員会に提供できる情報につきまして、県警と打ち合わせを行っているところでございます。

②続きまして、子ども支援委員会における県警の出席と説明についてのお尋ねでございます。5月の子ども支援委員会におきましては、県から個別案件についてご説明させていただいた際、委員から県警にも説明してほしい旨の御意見をいただいたところでございます。こうした委員の皆様からのご意見にできる限り応え、検証をより深めるため、次回7月に開催予定の子ども支援委員会におきましては、県警に対し出席要請を行い、県警職員からも説明を行っていただく予定としているところでございます。

④続きまして、条例の運用に係る県警への要請についてのお尋ねでございます。条例の制定過程における部局長会議におきまして、県警察本部に対しまして、条例を運用するに当たり国民の権利を不当に侵害することのないよう十分認識して取り組んでいただきたい旨を、要請させていただいたところでございます。これを受けまして県警察本部からは、条例の趣旨を尊重し、適切に運用してまいりたいとの発言をいただいているところでございます。
 また、条例の罰則規定が昨年11月から施行されるに当たりまして、平成28年9月に、私から長野県警察本部生活安全部長宛てに、条例の適正な運用について文書で依頼をさせていただいているところでございます。

⑤続きまして、今回の刑法改正と条例の整合性などについてでございます。条例第18条第2項の深夜外出の制限は、保護者の委託を受け、または同意を得た場合、その他の正当な理由がある場合を除き、深夜の連れた人を規制するものでございます。
 議員御指摘の例えば家庭内で親など身内からの性暴力などの虐待があり、家庭内に居られない状況があると認められる場合など、大人が子どもを連れ出している行為の目的や動機などが社会通念上容認できる場合は正当な理由に該当し、条例の適用外となることから、子どもの権利擁護にとって矛盾する点はないものと考えております。
 今回の2件の深夜外出制限に違反につきましては、条例の趣旨にのっとり、県警において慎重かつ適正に行っていただいているものと考えております。

⑥最後に、共同面接についてのお尋ねでございます。議員御指摘の共同面接につきましては、刑事事件として立件が想定されます重篤な虐待事案等において、子どもの心理的負担の軽減及び子どもからの供述の信用性確保の双方に資する聴取内容を試行的に実施するために、警察・検察・児童相談所の3機関が、個別事案に応じて3機関を代表した者1名による面接を行うものでございまして、平成27年10月に国から通知が発出されているものと承知しております。
 これまで本県における共同面接の実施事例はございませんが、今回の条例の深夜外出制限違反の案件2件につきましては、被害に遭った子どもの心理的な負担に配慮いたしまして、警察署において、女性警察官による事情聴取など、被害児童の心情に配意した対応をしていただいていると承知しております。
 異なる機関に何回も同じことを話すことがないように、被害児童へ配慮することは非常に重要でありますので、児童の心理的負担に配慮するための方策につきまして、今後も子ども支援委員会において御意見をいただいてまいりたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。
【警察本部長】
③子どもを性被害から守るための条例の運用についてお答えいたします。
 4月14日、長野県子どもを性被害から守るための条例の第18条第2項、深夜外出の制限違反で、当時23歳の茨城県在住の男性を、長野地方検察庁を伊那支部に書類送致しております。当該男性は、4月28日略式起訴されましたが、死亡したことを受けて伊那簡裁は、5月15日、控訴棄却を決定したと承知しております。
 男性の死因等については個人のプライバシーの保護等の理由から、この場ではお答えいたしかねますが、本件の捜査については、法令に規定する構成要件に該当する事実があるか否かについて証拠に基づいて判断し、個人の基本的人権を尊重しつつ適正に捜査を行い、検察庁へ送致したものでございます。
 今後とも、条例の趣旨を踏まえ、緻密かつ適切な捜査に努めてまいります。
【毛利議員】
 子ども支援委員会に対して県警の出席要請を今後するということで、そのことは歓迎したいと思います。ただ、個別の事案についてはプライバシーもあり、十分な提供がされないというふうなニュアンスの御答弁をいただきましたので、そのことにも触れつつ再質問をさせていただきたいと思います。
 総じて運用を警察に丸投げしている状況ではないかということであります。検挙事案6件のうち4件は、もっぱら自らの性欲を満たすために行う行為だったために、威迫し、欺き、困惑させの第17条の罰則規定に該当せず事件化できなかったとのことです。しかしその場合でも調書は取ります。調書の取り方も子どもの人権に配慮したものなのか、子どもの気持ちを受け止めるものなのか、警察で行われていることは、現状ではブラックボックスになっていて検証できません。
 新聞報道によりますと、立件できなかった4件の中には、そもそも犯罪がないものが含まれている可能性があると、担当する次世代サポート課が語っているとのことです。加えてその後のケアは全員が家庭監護とのことですが、うち1件1人は、県警のカウンセリング資格者で対応予定とのことであります。
 警察と聞くだけで子どもたちは萎縮します。そもそも警察は犯罪捜査が主な役割であり、どういう資格と経験を持ったカウンセラーが対応するのか、男性なのか女性なのかも分からないのにきちんとケアができるのか、警察にケアを任せることが適切なのか、性被害を県民運動でなくしていくためには、県設置の専門家を入れた機関できちんと検証できるようにすることが大事ではないかと思います。
 条例制定に当たっては多様な議論があったのに、決まってしまえば運用は警察任せで、プライバシーの配慮は当然ですが、それを盾にとって十分な検証ができないということでは、あまりにこの間の議論を軽視しすぎてはいないでしょうか、県民文化部長、いかがですか。
【県民文化部長】
再度の御質問についてお答えをしたいというふうに思います。
丸投げというご指摘でもございましたけれども、先ほど来申し上げてございますように、この仕組みをつくっているという検証ですね、こうした条例に基づくその事案についての検証を作っている、検証の仕組みをつくっていること自体が、他県で例を見ない、そういった非常に新しいと言いますか、長野県独自の取り組みであるということは、ぜひとも御理解いただきたいというふうに思っているところでございます。
 そうした中で、内容につきましても先ほども申し上げましたように、子ども支援委員会とも御相談する中で、より適切な方法というものも検証について考えていく、工夫をさせていただくという姿勢を持ちながら、これからも取り組みをさせていただきたいというふうに考えているところでございますし、 それから共同面接といった手法、子どもの被害、二次的な被害ということに結び付かないような手法、これをどうすればいいかということにつきましても、子ども支援委員会の御意見も聞きながら、また県警さんとも御相談する中で、より適切な方法というものも考えていきたいというふうに考えているところでございます。
 ただ、付言させていただきますと、そういった中で、冤罪や捜査が適正に行われているかどうか、その本体につきましては、これは私どもの社会は司法手続というものがきちんと現に存在しているわけでございますので、そういった部分につきましては、その司法手続の中でしっかり判断をされてくる部分もあるのではないかなというふうに考えておりますけども、議員に御指摘もいただきましたように、子どもを性被害から守るということ、それから子どもの人権を守っていくという観点で、これからも制度の改善には努めていきたいというふうに考えておるところでございます。以上でございます。
【毛利議員】
 今回の事例は、どれもインターネットを通じて知り合ったとのことですが、子どもたちの居場所づくりや性教育の充実、インターネットの危険性、性の自己決定権、命の大切さなどをしっかり学んでいく取り組みや、大人のモラル向上こそ、性被害防止に必要だと改めて指摘させていただき、次の質問に移ります。

3.教育勅語について

【毛利議員】
 教育勅語にかかわって教育長に伺います。
①1つとして、安倍内閣は、民進党の初鹿明博議員の質問主意書への答弁書において、「憲法や教育基本法に反しないような形で教育に関する勅語を教材として用いることまでは否定されることではない」との考えを示し閣議決定しました。戦後の歴代政権と文部科学省は、教育勅語を教材として扱うことを否定してきました。
 戦後衆参両院が教育勅語の排除・失効決議をした時に、当時の森戸辰男文部大臣は、「教育勅語は明治憲法を思想的背景としており、その基調において新憲法の精神に合致しがたい」と述べています。中曽根康弘内閣の83年には、生徒に教育勅語を朗読させていた島根県の私立高校に中止を指導し、当時の初等中等教育局長は、「教育活動の中で取り扱ってはならない」と明言しています。
 しかし森友学園問題で表面化したように、幼稚園児に教育勅語を暗唱させる教育を安倍総理夫妻は天まで持ち上げ、流れの中で今回の閣議決定となりました。教育長はこの決定をどのように受け止めたのか、見解を伺います。

②2つとして、1948年の衆議院での排除、参議院での失効決議によって、教育勅語は既に排斥され効力を失ったものです。衆議院では「これらの勅語は根本的理念が主権在君並びに神話的国体観に基づいている事実は明らかに基本的人権を損ない、かつ国際信義に対して疑点を残すものである」とし、憲法98条に基づき効力を有しないと、全会一致決議されました。
 「一旦緩急あれば天皇のために身を投げ出せ」という教育勅語は、そもそも国民主権をうたう憲法や教育基本法とは相いれないものです。教育長の認識を伺います。
【教育長】
 教育勅語についての御質問でございます。
①教育勅語に係る閣議決定の受け止めについてであります。
平成30年度以降、小・中学校において道徳が順次教科化されますが、そのきっかけの1つとして、各地でいじめによる自殺等の痛ましい事案が発生し、心と体の調和の取れた人間の育成が求められた、ということを挙げることができます。学習指導要領では、道徳性を人間としての生き方を考え、主体的な判断のもとに行動し、自立した人間として、他者とともによりよく生きるための基盤ととらえております。
私は、道徳の授業でどのような教材を使うべきかというような技術的な部分での議論よりも、どのようにしたらそうした基盤を培うことができるかということを考えていくことのほうが、重要ではないかというふうに受け止めております。

②続いて、現憲法下における教育勅語の位置づけについてであります。教育勅語は、大日本帝国憲法下においては、教育行政の基本的性格を定める勅令でありましたが、議員御指摘のとおり、昭和23年6月の衆参両院の決議により効力を喪失しているところでございます。現在の教育行政は、当然のことながら日本国憲法や教育基本法に基づいているものであるというふうに考えております。
【毛利議員】
教育勅語には12の徳目があり、それは現在にも通ずるとの考えを述べる向きもありますが、父母に孝に、兄弟に友に、夫婦相和しなどは全て「何かことが起こったら、皇室国家のために身を差し出せ」に収れんされていくものであり、国民主権とはかけ離れています。
 歴史的には失効しているのは大前提であることは改めて指摘させていただき、憲法、教育基本法に沿った国民が主人公、一人一人が尊重される人格の完成を目指した教育が行われることを切に願って、私の一般質問を終わります。

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