日本共産党長野県会議員団

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議会質問

2017年6月定例会 和田明子議員一般質問

1.放課後デイサービスについて

2.就学援助制度について

3.教職員の時間外勤務の縮減について

1.放課後デイサービスについて

【和田議員】
まず初めに、放課後デイサービスについて伺います。
 民間企業が参入して運営していた、障害のある子どもが放課後や休日を過ごす放課後デイサービスの長野市内の3カ所の施設は、長野市や隣接市などから63人の子どもたちが利用していました。施設が閉鎖されることになるとは知らず、4月に契約したばかりの利用者さんもいました。
 ところが4月20日過ぎに突然閉鎖するという通知が利用者さんに届き、子どもたちのために一生懸命働いていたスタッフも、何がどうなったのか、今後どうしたらいいのか全くわからない混乱の中、4月下旬に2カ所の施設は閉鎖されました。

①児童福祉法では、施設の閉鎖1カ月前に廃止の届けを提出することが定められていますが、今回のケースは同法に違反していることも含め、どのように受け止めているのか、県はどのような対応したのか。

②今回施設の運営は順調であったにもかかわらず、突然閉鎖に至った経緯は運営会社の創拓社出版が資金繰りが悪化した原因とされております。また、創拓社出版は以前から経営に問題もありました。
 それが児童福祉法改正により、民間企業が参入できるようになり創拓社出版が申請した長野市内3カ所の施設開設の指定を県がしたのですが、そういう企業が新たに障害者福祉サービス事業を始めるにあたってどのような審査をしたのですか。指定の基準はどうなっているのですか。

③現在は4月末で閉鎖された2カ所の施設と、5月まで事業を継続しその後別の事業者によって引き継がれた1カ所の施設という状況になっております。3施設とも、利用している子どもたちのために計画を目指して、職員は一生懸命でした。この間、県はどのように関与をしたのか、今回のこのような事態を未然にして未然に防ぐためにはどのような対策が必要と考えておられるのかお聞きします。
これらの施設には、国・県・市から給付費として公費を出して事業が行われておりました。
県が指定した事業所に対する指導・監督はどうされているのか、健康福祉部長にお聞きします。
【健康福祉部長】
 長野市内の放課後等デイサービス施設の閉鎖についてお尋ねに、順次回答させていただきます。

①今回の事案につきましては、放課後等デイサービス事業所を運営していた株式会社から県に対し、安茂里・東和田の事業所について4月28日をもって廃止する旨の届け出が廃止、4日前の4月24日に提出されました。議員御指摘のとおり、事業所を廃止する場合には、児童福祉法の規定により廃止予定日の1カ月前までに県に届け出を行うこととされております。

 このことから、今回の手続きは法令違反であり、利用者の混乱を招くことからも、県として非常に遺憾であると考え、事業所を運営している株式会社に対し、少なくとも1カ月は事業継続するとともに、廃止にあたっては利用者の処遇等適切に行うよう指導してまいりました。また、指定を行った県、利用者の給付決定を行った市、および利用者の利用計画を作成した相談支援事業所等で、利用者の今後の処遇等について協議を行い、他の事業所の紹介などを行ったところであります。

②事業所を指定する場合の審査については、児童福祉法の規定により、事業所については、必要な人員の配置がなされているか、必要な設備が備えられているか、サービスを適切に提供できる運営体制が整えられているかを、また申請者について他の法令により罰金刑以上の刑に処された者でないか、過去に指定の取り消しを受けた者でないかなど、提出された書面および事業実施予定地の現地調査により審査を行っております。

③事業場廃止後の県の対応については、先ほど申し上げましたとおり、関係機関で利用者の処遇等について協議し、他の事業所の紹介などを行っているほか、吉田の事業所については、他の法人による事業継続の相談があったことから、速やかに審査を行い、6月1日付で事業所の指定を行っております。
 指定を行った事業者に対する指導につきましては、指定日から3カ月程度を目安に、指定基準どおりの運営がなされているか、また、給付費の請求内容が適切か等について指導を行うことになっており、当該事業所に対しても、保健福祉事務所において実地指導を行っております。
 また、このような事案を未然に防ぐための対策についてでございますが、県としては法令遵守の周知徹底が必要と考え、県が指定を行った全事業者に対し、改めて注意喚起を行ったところでございます。以上でございます。
【和田議員】
 御答弁をいただきましたけれども、この運営をしていた創拓社出版の前身企業は、実は2003年に脱税をしているというこういう企業でもありました。違法を承知で施設を閉鎖した創拓社出版からは、利用者の皆さんに、放課後デイサービス事業の運営は順調であったが、本社の資金繰りが悪化したから施設を閉鎖すると、一片の通知を出しただけです。
 障害があり、一人一人個性があり、そういう子どもたちに献身的に専門性を生かして支援、指導をしていたスタッフによって、放課後を安心して過ごせる居場所になり、子どもたちは通ってくるのが楽しみだったし、成長の場になっていました。保護者からも大変信頼を得ていました。施設の閉鎖でそういう子どもたちの中には、未だに放課後の居場所を失ったままの子どももおります。
子どもが最大の犠牲者になったわけです。
 長野市内の放課後デイサービスに対して支払われていた給付費は、債権回収会社に管理されている本社に入金されたため、施設で働いていた職員への給与が2カ月未払いのままです。それでも施設を利用していた子どもたちのために、新しく放課後デイサービスを始めたいと、閉鎖された職員の皆さんが今目指しているのは限りない福祉だと言っておられます。
 心無い企業によって福祉を食い物にされることがないように、県としてしっかり対応していただきたいと思いますし、またスタッフの皆さんに寄り添って、今後も一層御支援をしていただきたいと心からお願いを申し上げておきます。  

2.就学援助制度について

【和田議員】
 次に、就学援助制度について伺います。 子どもたちにとって、入学式は夢や希望で胸を膨らませる新しいスタートのときです。私たちはどの子も不安なく入学式を迎えることができるように、ランドセルや制服などで出費がかさむことから、就学援助制度の拡充を長年にわたりさまざまな機会に求めてまいりました。
 そして子どもの貧困が社会問題になり、さまざまな子育て支援を求める声に応えて、県内でも就学援助の新入学児童生徒学用品等、いわゆる入学準備金の入学前支給を実施する自治体の動きが広がってきたことを歓迎するものです。
 日本共産党国会議員団も、「必要な時期に必要な額を」と入学準備金の単価の増額と、入学前支給ができるよう、文部科学省に繰り返し求めてきました。例えば平均でもランドセルは4万2000円、日本カバン協会ランドセル工業会、制服代は4万3000円、文部科学省調べなどです。就学援助では、これらに充てられる新入学児童生徒学用品費等が支給されていますが、その時期が入学後7月、8月では遅過ぎるため見直しを求める声が広がる中で、文部科学省は今年3月31日付で平成29年度、要保護児童生徒援助費補助金について、各都道府県教育委員会教育長宛てに通知を出しました。通知には、入学準備金の補助単価の増額と援助が必要な時期に速やかな支給が行えるよう、中学校だけでなく、小学校についても、入学する年度の開始前に支給した新入学児童生徒学用品費等を国庫補助対象にできると、補助交付要綱の一部を改正したというものです。

①この文部科学省の通知をどのように受け止めているのか、また市町村教育委員会に対して既に周知されていると思いますが、いかがですか。

②文部科学省の通知では、公立学校のみならず、私立学校に通う児童生徒に対する就学援助の実施についても適切に対応するよう、市町村教育委員会に対して、「県教育委員会から御指導をよろしく」と明記されています。この点もあわせて教育長にお聞きします。
【教育長】
 入学準備金に係る補助制度の改正の受け止め、市町村への周知についてのお尋ねでございます。

①入学時に必要となる学用品等の購入費に対して、本年度、要保護者に対する市町村の援助が、入学前であっても国が補助の対象としたことは、補助単価の増額とあわせ、支援を必要とする方々の実情に配慮した非常に良い措置だというふうに考えております。
 また、独自に入学年度前に援助を実施する市町村もある状況を踏まえた対応でもありまして、今回の改正は義務、教育の円滑な実施に資することを目的に、必要な援助がより適切な時期に行えるよう見直したものというふうに理解をしております。

②県では国の通知を受けまして、市町村に対し、改正の趣旨を踏まえた適切な援助が実施されるよう通知したところでございます。この通知では、公立学校のみならず、私立学校等に通う児童生徒等に対する就学援助についても、適切な対応を依頼しているところでございます。
 要保護者に対する就学援助は、国庫補助により全国一律の水準を確保する制度だというふうに認識しておりまして、今後とも機会をとらえて、今回の改正の趣旨や内容を市町村に周知してまいりたいというふうに考えております。
【和田議員】
御答弁ありがとうございます。既に県内市町村の6月議会は終わっているわけでありますけれども、ここで、小学校入学前の支給の実施を求める、こういう質問をしたことに対して、ある自治体では、小学校入学前の実施には多くの課題がある、入学後に在籍を確認し、学校長を経由して就学援助の申請をしていただく、また対象者の把握、就学援助制度の保護者への周知の方法等課題があるので、まずは中学入学前から実施してまいりたい、また、私立については、通学できる公立の学校があることから、私立の学校の児童生徒は考えていないなど、文部科学省の通知の趣旨が十分に伝わっていないのかなと思われる答弁がされておりました。
 来年度の入学前支給につながるよう、市町村教育委員会に対して、さらに丁寧に周知徹底をしたとしていただきたいと思います。教育長、再度御答弁をお願いいたします。さらに、援助の必要な児童生徒、就学前の保護者に対しても、もれなく就学援助が実施できるように周知することも要望しておきたいと思います。
 要保護者に準ずるよう困窮している準要保護世帯に対する就学援助制度は市町村単独事業であり、自治体の財政状況等によって、支給額や対象範囲が異なっております。今年度文部科学省が新入学児童生徒学用品費の予算単価を倍増したことを受けて、市町村が準要保護者に同様の改善をしていただきたいと考えております。
県として、こういう市町村に対しても財政的な支援をしていただけないかどうか、また国に対しては、自治体への財政支援を求めてほしいと思いますがいかがでしょうか、教育長に伺います。
【教育長】
 再度御質問がございました。 入学準備金に係る補助制度改正に対する市町村への周知でございますが、補助制度改正の今回の措置に関しましては、非常に重要なことだというふうに考えておりますので、改めて機会をとらえながら今回の改正の趣旨や、内容を市町村に周知してまいりたいというふうに考えております。
 それから準要保護世帯の制度改正に対する財政支援についてでございます。準要保護者への就学援助につきましては、従来より全国共通の認定基準がなくて市町村独自の基準で行われておりましたけれども、三位一体の改革で、市町村がみずからの責任で自主的、効率的に行えるよう国の補助が廃止され、一般財源化されたところであります。
 義務教育における就学援助制度は、要保護者については国の補助制度により全国一律の水準を確保した上で、それに準ずる準要保護者につきましては地方分権の趣旨にのっとり、地域の実情を踏まえ、市町村が適切に判断されるものというふうに考えております。市町村からは、就学援助に関して交付税措置の拡充を求める要望が出されておりますことから、県としては、引き続き国に対し十分な財政投資がなされるよう要望してまいる所存でございます。
 また、準要保護者への援助制度につきまして、要保護者の補助制度を参考とする市町村も多いことから、引き続き、今回の改正の趣旨や内容の周知を含め、就学援助制度の充実に資するよう、さまざまな情報提供に努めてまいりたいというふうに考えております。
【和田議員】
 要保護世帯にならない、いわゆる低所得世帯、準要保護世帯、こういう皆さんは、やはり生活保護の申請、また捕捉というところから捉えられないでいる、こういう方が圧倒的でありますので、やはり今回の国の今文部科学省の通知の趣旨に沿っていけば、やはり国が財政的な支援、これがなければ、こういう準要保護世帯に対して市町村がしっかりとした支援ができない、こういうことでありますから、県からもまた再度求めていただきたいと思いますし、また県としても、できることであれば何らかの財政支援も御検討いただきたいと願っているところでございます。どうぞよろしくお願いします。  

3.教職員の時間外勤務の縮減について

【和田議員】
 次に、教職員の時間外勤務の縮減についてお伺いいたします。教職員がゆとりを持ち、健康で安心して働くことができる、それは子どもたちに豊かな教育を保障するための大事な教育条件だと思います。
そこで、教職員の時間外縮減について尋ねてまいりますが、教職員の長時間・過密労働の縮減解消の前提になるのは、労働時間の正確な把握が必要であるということから、文部科学省は去年、全国の公立小中学校で勤務する約2万人が教師を対象に、勤務時間について10年ぶりの大規模な調査を行いました。
この中で中学校の教師の57%が、過労死の目安とされる月80時間を超える時間外労働をしているとの調査結果が出ました。以前にも増して、時間外勤務の縮減解消は喫緊の課題という状況になっております。
   県教育委員会としても、時間外勤務の縮減に向けては平成26年度から昨年度までの3年間にわたって、「教職員の時間外勤務を30%程度の縮減を目指す」というはっきりとした目標を掲げて、教職員の業務を改善し、子どもと向き合う時間の確保・充実を図るため、総合的な方策を実施してきました。その成果と課題をどうとらえておられるのか、教育長に伺います。
 また、今議会に教職員の長時間勤務改善を目指すとして、補正予算を伴って提案された「学校現場における業務改善加速事業」は、時間外勤務時間が1人当たり45時間以下、12月期の学校数を200校以上という数値が示されております。昨年度まで、時間外30%縮減を目指すというこの目標と今回の提案はどうリンクしているのか、具体的に今後、どのように取り組んでいかれるのか、教育長に伺います。
また、小中学校教職員の長時間労働を改善するため、県教育委員会は、明日から7月ですけれども、7月から時間外勤務をした時間を別の日に休むことができる割り振り制度を実施するにあたり、昨年10月から、この割り振りの試行Ⅰ今年、4月からは試行Ⅱが実施されたとお聞きしております。試行の状況はどうだったのか、効果や課題をどのようにとらえているのか、あわせて教育長に伺います。
【教育長】
 教職員の超過勤務縮減に関して御質問でございます。 まず、総合的な方策による成果と課題、そして、今回補正予算でお願いしております学校現場における業務改善加速事業費との関係といったことについてのお尋ねでございますが、まず、全国に先駆けて3年間取り組んでまいりました結果、業務改善が一定程度進んだというふうに考えております。
 最も忙しい時期である4、5月の1カ月、1人当たりの時間外勤務時間を見ますと、平成26年度の約67時間に対して、平成28年度は約62時間ということで、7.5%、平均的には縮減になったということであります。ただしこの中を学校ごとに見てみますと、総合的な方策に取り組んだ結果、20%近くの学校が目標を達成しておると。そういう意味ではこれらの学校の取り組みを全県に広げていくことが大事だろうというふうに思っております。
 引き続き総合的な方策を推進するということですが、この取り組みを進めてみた課題とすれば、1校ごとの取り組みでは限界があるということも明らかになってきました。そこで、市町村教育委員会と方向性を共有し、連携して取り組む必要があるということから、今回学校現場における業務改善加速事業を立ち上げるということにしたものであります。
 国においても中央教育審議会に諮問して、結論の出たものから逐次実行段階にするということも聞いております。県としてもこの事業におきまして推進協議会を設置し、部活動の指導体制や校務支援システムの共通化などについて、業務改善の観点から積極的に提起してまいりたいというふうに思っております。
 それから、勤務時間の割り振りの試行であります。4月からの試行は多くの市町村教育委員会が取り組んでおりまして、現時点で83すべての教育委員会のうち73の教育委員会がすでに本格実施に移行し、あるいは7月から本格実施へ移行の予定というふうに聞いておるところであります。
 この勤務時間の割り振りの導入によりまして、時間外勤務時間それ自体が減少するということも期待できますが、それとともに、教職員の時間管理の意識改革、これも進むというふうに思っておりまして、今後すべての市町村で本格実施となるよう進めてまいりたいというふうに考えております。
【和田議員】
 今御答弁にもありましたように、一部では大変改善が図られたということであります。教育委員会の調査では4、5月で20%以上、この4、5月で達成したのは97校、45時間以下は76校、そして12月で20%以上縮減が70校、45時間以下というところに時間外を収めたことができたのは171校と、県内の549校の小中学校のこの数字ですと、2~3割程度でこれが目標に近づくことができたということです。
 縮減する学校をふやしていくことに私も異論はありません。しかし、時間外の縮減ができなかった、7割8割、ほとんどの学校の実態は一体どういうことになっているのか、現場の教職員の皆さんの実態把握、より大変な現場を直視して、ここに改善が図られることが大事ではないかと思います。
 また、先ほど割り振りでは意識改革が進んだ、こういうお話でありました。割り振りでは修学旅行、校外指導、平日補習、終日の活動のほか、校長が特に必要と認める業務という部分で、今までこの時間外ということに入れていいのかどうか曖昧なところもあった業務が対象業務と明確に示されたこと、そして計画的に時間を割り振って休みを取ることができる、これは職場内で、時間外縮減へ意識改革につながったことは大変に良いことだと思います。
 この試行の中で割り振ることができる、つまり休みにかえていい時間外が一体どのくらいあったのか、実際にそれで割り振って休みを取得できたのはどのくらいだったのか、こういう検証はどうなっているのかについてもわかれば教えていただきたいと思いますが、いずれにしても、圧倒的な多くの学校がこういう状況で厳しさが残ったままでございます。
 県教職員組合では、毎年6月に勤務実態調査を行っており、月平均80時間の超過勤務状態が10年以上も続いているという結果が出ております。まさに昨年行われた文部科学省の調査と同じ結果であります。過労死ラインと言われる月80時間の時間外勤務の解消のために、現場の教職員を抜本的にふやしていく必要があります。
 長野県は30人規模学級を実施する中で、県として加配をしていることは承知しております。県の努力とともに、国に対しては、今のところまだ1年生までしか実施されていない少人数学級を、さらに進めていくように強く求めてほしいと思いますが、教育長にお伺いいたします。
【教育長】
 定数改善への国に要望についてのお尋ねでございます。少人数学級を含め、教職員の定数改善につきましては、これまでも国に要望してきておりますけれども、本年5月にも文部科学省に対し、私から直接要望を行ったところでございます。今後も引き続き、機会をとらえて要望してまいりたいというふうに考えております。
【和田議員】
 ぜひ文部科学省に対して、教育長のほうから真剣に訴えをしていただきたいということを重ねてお願いをいたしまして、私の全ての質問を終わります。

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