日本共産党長野県会議員団

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議会質問

2020年2月定例会 和田明子議員一般質問

  1. 知事の政治姿勢について
  2. 台風第19号災害の対応について
  3. 千曲川の治水対策について
  4. 浅川の治水対策について

1.知事の政治姿勢について

【和田明子議員】

初めに、昨年9月県議会において阿部知事が長野県護国神社の支援組織「崇敬者会」会長に就いていること、さらに会長として鳥居修復事業の寄付集めの趣意書に名を連ね、県民の皆さまの幅広い御協賛を呼び掛けた行為は、政教分離を定めている憲法に反している。公私の別を知事は主張するが、憲法の空洞化につながるとただした際、知事は「今後、大学の先生をはじめさまざまな方の御意見も伺ったうえで、自分なりに考え方を慎重に整理していきたいというふうに考えております」と答弁されました。9月議会後にどのような場で意見を聞いたのか、その意見とはどういう意見だったのか、知事に伺います。

【阿部知事】

護国神社の崇敬者会会長に関しての意見を、どう聞いているのかというご質問であります。

 9月県議会以降、東京に出かけた際など、公務の合間を見てお話をお伺いをしてきているところであります。これまでに弁護士、憲法学者など複数の有識者の方にお話をお伺いしております。

 意見の内容といたしましては、私の行動について、憲法との関係で検討・考え方を整理するうえでの視点であったり、あるいは参考となる情報をいただいたりしている状況でございます。以上です。

【和田明子議員】

今ご答弁で複数の有識者に意見を聞いたということですけれども、その意見の結果、どのようなお考えになられたのかについて触れられなかったのは残念でございます。

 崇敬者会の会長である知事が、護国神社のために寄付集めの趣意書で県民の皆さまの幅広いご協賛を呼び掛けた行為は、私人としての体裁を取り繕ったとしても、まさに県知事が特定の宗教と象徴的に結び付くもので、違憲だと言われても弁明の余地はありません。

 知事にも憲法上の信教の自由はあります。私人として参拝したいと考えるならば、まずは崇敬者会の会長を辞すべきと、先般の地元新聞紙上で憲法学者は指摘しています。改めて崇敬者会の会長を辞めるべきと私も申し上げて、次に移ります。

2.台風第19号災害の対応について

【和田明子議員】

 台風19号災害の対応について危機管理部長に伺います。大規模な浸水被害をもたらした台風19号災害から、生活と生業の再建、復興を本格的に進めていくにあたり、誰一人取り残さない立場で支援をと思い以下質問します。

 浸水被害は、床下・床上であっても畳や床を上げ泥を掻き出すこと、水に浸かった壁や断熱材をはがし乾燥させなければならず、家財道具のほとんどが災害ごみとして処分せざるを得ません。そうした被災者から、浸水が50cm、1mでも片付けは同じようにしなければならず、修理をしなければ家には住めないのに、浸水深によって判定が大きく異なる判定基準を見直してほしいと要望が多いことは、県としてもご承知のことと思いますが、浸水被害の特殊性に鑑み、浸水深に関わらず、床上浸水は一律に全壊にするなど住家の被害認定基準の見直しが必要だと痛切に感じています。いかがお考えか、危機管理部長にお聞きします。

【竹内危機管理部長】

浸水被害における住家の被害認定基準の見直しについてのご質問でございます。

住家の被害認定調査は、国が定めた調査方法と被害認定基準に基づき市町村が実施いたしますけれども、堤防決壊等による水流やがれき等の衝撃で外壁などに一定以上の損傷が発生している場合には、床上1.8m以上の浸水は全壊、床上1 m以上1.8 m未満は大規模半壊、床上1 m未満は半壊を基準として判定いたします。また、全ての住家が一定の条件の下で、床上1. 8 m以上浸水したことが一見して明らかな区域内にある住家は、全て全壊と判定することが可能となっております。

 一方、浸水被害においては全壊と判定されない住家であっても、その家で生活を続けることが難しくなる場合が多いといった課題があることも認識しております。そのため昨年11月1日に開催された国の非常災害対策本部会議において、阿部知事が全国知事会の一員として出席し緊急要望として床上浸水被災者を幅広く救済できるよう、半壊に係る査定要件の緩和について国に対し要望いたしました。

 今後も住家の被害認定基準に係る必要な見直しについては、全国知事会とも連携し、国に対し働き掛けてまいりたいと考えております。

【和田明子議員】

 昨年11月から今年1月にかけて、被災者生活再建支援法について共同通信社が実施したアンケートに応じた県内73市町村のうち、支援法を「拡充すべき」は58%、「現状のままでよい」は19%にとどまりました。「支給額の増額」が50%、さらに「都道府県ごとに支援制度がまちまち」、同じ災害でも被災規模の違いで自治体ごとに線引きする仕組みの見直しなど求める等回答が寄せられました。

 自然災害が激甚化する中で、生活基盤を立て直せるよう被災者に寄り添う被災者生活再建支援法へと抜本的見直しをこれまでも求めてきていただきましたが、国に対して繰り返し求めていただきたいと思います。危機管理部長にお伺いいたします。

【竹内危機管理部長】

国への被災者生活再建支援法の抜本的見直しの求めについてのご質問でございます。

国の被災者生活再建支援制度には支給対象が大規模半壊までであること、また同市町村で全壊10世帯以上との適用要件があり、同じ災害でも市町村によって適用・不適用が生じることといった課題があります。

県といたしましては被災者の円滑な生活再建を支援するため、これら課題についてこれまでも再三国に対し改善を求めるとともに、全国知事会おいても同様に国に要望して参りました。また今回の災害では床上浸水により床材や壁の中の建材を交換しなければならない事例が多数生じたことから、改めて被災者生活再建支援制度による支援金の支給対象世帯を半壊まで拡大する必要があるものと認識しております。

そのため、先ほど申し上げました住家の被害認定基準の見直しとあわせ、全国知事会とともに被災者の生活再建支援制度の充実について引き続き国に対し改善を求めてまいりたいと考えております。

【和田明子議員】

この間、繰り返し求めてきたことではありますが、信州型の被災者生活再建支援制度が拡充されたことは大変被災者に喜ばれております。これが国の制度にさらに上乗せされれば、県はもっと拡充した制度ができます。そういうことも含めて引き続きご検討を国に求めていただきたいと思います。

3.千曲川の治水対策について

【和田明子議員】

次に千曲川の治水対策についてお伺いいたします。

信濃川水系緊急治水対策プロジェクトは、河川における対策の全体事業費を約1,227億円、河川における対策として2024年度まで千曲川本川の堤防の被災した区間での越水防止、2027年度まで千曲川本川からの越水防止を目標に、対策内容として河道掘削、遊水地、堤防整備・強化ということが示されました。その他、流域における対策のメニューの中に、私たちが今まで提案してきた遊水地や田んぼダムはじめ、河道掘削など県としても国に求めてきたことが盛り込まれていることは歓迎します。

 私たち共産党県議団・長野市議団は、19号災害から4カ月余り、被災者支援活動やご要望をお聞きしてきました。千曲川決壊現場近くの被災された方々から、「なぜ堤防が決壊したのか」「住宅を再建して暮らすべきか、なかなか決められない」「堤防の強化によって、再び災害に見舞われることを防げるのか」とさまざまな思いを聞き、専門家を招いて現地調査や災害検証シンポジウムを行って検証に取り組んできました。

 そのうえで、建設部長にお伺いいたします。目標や対策のメニューは示されましたが、対策を講じるうえでの重要な基礎データの1つ、台風19号の洪水の最大流量がどのくらいだったのか、千曲川河川事務所に武田良介参院議員を通じてお聞きしましたが、いまだ精査中とのことでした。改めて、県からも国に対して洪水の最大流量はどのくらいだったか確認をしたのかお聞きしたいと思います。

 緊急治水対策プロジェクトによって行う治水対策の目標流量がなければ、河道掘削の量、遊水地による洪水調節量も決められないと考えます。国・県と関係自治体でプロジェクトをどう具体化していくのかお聞きします。

【長谷川建設部長】

台風19号における千曲川の最大流量に関するお尋ねです。

 信濃川水系緊急治水対策プロジェクトに係る流量等は、国が設定することとなっております。改めて国に確認したところ、今回の災害の際に立ヶ花観測所において観測された最大の流量は、暫定値で約毎秒8100 tとのことでした。流量に関しましては、今後さらに調査を進めていくものとお聞きしております。こうした流量等の検討結果を含めて国と情報共有する中で、プロジェクトの詳細を詰めてまいりたいと考えております。

【和田明子議員】

過去の洪水によってもたらされた土砂の堆積による河道断面積が減少していたため、立ヶ花は計画高水流量の3分の2の洪水流量で水位は計画高水位を上回り深刻な水害の危険があると国土問題研究所の専門家は2009年から警鐘を鳴らしておりました。

 穂保の堤防決壊の対策のため国土交通省が設けた千曲川堤防委員会に出された資料には、低水路の河床は平成17年度に狭窄部上流で若干堆積傾向と記されていますが、平成17年以降の資料がありません。さらに、河川断面積を左右する高水敷の状況は分かりません。国土問題研究所の先生方と現地調査で得たデータでは、長野盆地の高水敷には実際に1960年代以降50cmから2mの土砂が堆積し、19号洪水によってもおびただしい土砂が堆積しているということです。低水路と高水敷と合わせて河川断面積を拡大する河道掘削がされるのか伺います。

【長谷川建設部長】

千曲川の河道掘削に関するお尋ねでございます。お尋ねの内容は国管理区間に関するところで、県では詳細は分かりかねますが国では今回の出水を受けて測量実施し河川の状態把握を行っており、高水敷で自治体が実施する災害復旧による農地の土砂撤去状況も考慮して必要な流下断面を確保するための掘削などを検討し、対策を実施するものと聞いております。

【和田明子議員】

 国の千曲川堤防委員会は堤防の決壊原因は越水と推定していますが、地域住民の方々から10月12日に千曲川の水位の上昇によって「堤防の川裏に水が噴き出した」「決壊した堤防付近に大量の土砂だけでなく礫も多かった」等々の話があり、堤防決壊原因について十分に調査をしてほしいと要望があります。完成堤防といわれ桜堤で補強されたと長沼地区の住民が思っていただけに、決壊は衝撃でした。堤防の強度の検証が必要と思います。県として、国に検証を求めていただきたいがいかがでしょうか。

【長谷川建設部長】

穂保地区の堤防の強度の検証に関するお尋ねです。国が開催した千曲川堤防調査委員会におきまして、穂保地区の堤防決壊などについて、その被災原因の解明と再度災害防止のための復旧工法の検討が行われました。さらに国からは本委員会での意見を踏まえ浸透に対する精査を行い、堤防等を復旧するにあたっての影響要因を把握するために仮堤防の開削を行いながらより詳細な調査を進めているところであると聞いており、県といたしましては必要な検証が行われているところであると認識をしております。

【和田明子議員】

 堤防は強化して築堤することになりますが、堤防天端保護工・法肩・法尻の強化に加え、川裏法面を遮水シートと連続ブロックなどで保護をする耐越水堤防、越水しても決壊しない堤防をつくり安心して暮らせる地域に戻りたいという地元の切なる思いに応えてほしいと思いますが、いかがか建設部長にお聞きいたします。

【長谷川建設部長】

穂保地区の堤防強化に関するお尋ねでございます。安心して暮らせる地域に戻りたいという地域の方々の思いは十分に理解をするところでございますが、どんな自然のものに対しても決壊しない堤防とするということは難しいものと考えております。今後、気候変動により水災害が頻発化・激甚化することが想定される中、施設能力を超える洪水に対して洪水時の河川の水位を下げて洪水を安全に流すための抜本的な治水対策や流域における対策を進めることを基本としつつ、危機管理として河川堤防の強化を実施するなど、浸水による被害をできるだけ減らすための効率的・効果的な対策を進めることが求められています。

 このような背景の下、今時出水における決壊の要因等を踏まえ、危機管理として河川堤防の強化を実施するために必要な技術的検討を行うことを目的に、国土交通省において令和元年の台風第19号の被災を踏まえた河川堤防に関する技術検討会が設置され、2月14日に第1回が開催されたところです。

この検討会では各地で実施された堤防調査委員会等の検討結果を踏まえ、越水を想定した河川堤防の強化対策が検討されるものと聞いており、決壊箇所の復旧工法についてもその検討結果を踏まえ、今後国で検討され具体的な策は示されるものと考えております。以上でございます。

【和田明子議員】

ただ今のご答弁の中で、立ヶ花8,100tとありました。この流量は計画高水位を下回っておりますので、なぜ決壊したのかということでまた疑問が大きくなるわけです。台風19号災害よりも以前から国土交通省は決壊地点でボーリング調査を行い、監視用カメラと危機管理水位計を設置していた。堤防の弱点を把握していたのではないか、こういうふうに疑問をいだいている方々がおられます。「なぜ、ここが決壊したのか」、疑問に真摯に応えていくことが行政の責任ではないでしょうか。

4.浅川の治水対策について

【和田明子議員】

 次に、浅川治水対策について伺います。11月県議会で、浅川の内水氾濫と千曲川の外水氾濫が混在した複合災害で浅川の内水対策を検討するためのシミュレーションを実施するとのことであり、まず、その対応について建設部長にお聞きします。

 浅川総合内水対策計画は、昭和58年9月、台風10号で既往最大248.5haの内水被害が発生した洪水に対し宅地部での床上浸水被害を防止することを目的に2013年に策定されました。そして、昨年10月の台風19号による浅川の内水氾濫シミュレーションでは、昭和58年9月の既往最大248.5haを約75㏊上回る323㏊に及ぶ浸水被害の推計をまとめ、1月16日に地元説明会がされました。ところが、2月10日の2回目の地元説明会では、内水氾濫シミュレーションをやり直した結果として1回目の323haから106haも下回る217haの浸水面積と説明されました。なぜ、このように大幅に浸水面積が下回ったのか建設部長にお聞きします。

【長谷川建設部長】

浅川の内水氾濫シミュレーション結果の修正に関するお尋ねです。

 2月10日に住民説明会を開催し、長野市穂保地区の破堤などによる外水氾濫の影響を除いた台風19号災害当日の浅川の内水氾濫シミュレーションは、当日と同様に約9時間の排水規制がかかる前提で浸水面積が217㏊になるとご説明をいたしました。

 1月16日の1回目の説明会で公表したものは、千曲川の水位が浅川の水位を下回り自然排水ができるまでの間、トータル17時間ポンプを停止するという誤った設定条件で行ったものでございます。実際には千曲川の水位が浅川の水位を下回らなくても、千曲川の水位がハイウオーターを下回ればポンプで浅川の水を排水することは可能であり、説明会開催後に職員が間違いに気づき今回訂正をさせていただいたものでございます。以上でございます。

【和田明子議員】

2回目のシミュレーション結果を見れば、既往最大248.5haで策定された浅川総合内水対策計画の中長期計画を前倒しして実施すれば数字上では宅地部での床上浸水被害が防止されることとなりますけれども、台風19号災害によって大規模な浸水被害が生じております。

 浸水被害に幾度も見舞われている地域です。豊野のHさんは、「4回の浸水被害を経験した。19号で自宅は全壊したが、ここに戻って暮らしたい。安心して暮らし続けられるよう対策を講じてほしい」と訴えています。ぜひとも、浅川総合内水対策計画は床下浸水は防げない、我慢してくださいということではなく、被災した住民の皆さんの要望を汲んで遊水池を盛り込み、床下浸水も防ぐよう計画策定の見直しをすべきと考えております。建設部長にお聞きします。

【長谷川建設部長】

床下浸水を防ぐよう、浅川総合内水対策計画を見直すべきではないかとのお尋ねでございます。

 浅川総合内水対策計画は平成25年に地域の皆さまの意見を反映し策定したもので、既往最大被害となった昭和58年9月の台風10号と同規模の洪水に対し、宅地部での床上浸水被害を防止することを目標としています。また今回のシミュレーションでも、浅川総合内水対策計画中長期計画に位置付けた排水機場のポンプ増設、堤防のかさ上げ、二線堤の整備を実施した場合、床上浸水は発生しないとの結果が出ており、これらの対策を緊急治水対策プロジェクトに位置付け今後5年間で前倒し実施することとした次第でございます。

 床下浸水を防ぐよう遊水地を設置すべきとのご指摘についてですが、今回のシミュレーション上の浸水面積217㏊の大量の水はどこにも行き場のない水であり、これを溜め込む遊水地は、単純に全て溜め込むと仮定した場合、東京ドーム1個分よりも大きな体積が必要となり、このような遊水地の設置は現実的ではないと考えております。

 今後、中長期計画の前倒し実施だけでなく、千曲川の排水規制が今回よりも長くなった場合を想定して、地域住民の皆さまや学識経験者などのご意見も踏まえ必要な措置があれば検討してまいりたい、追加対策を検討してまいりたいというふうに考えております。以上でございます。

【和田明子議員】

豊野の区長さんは、この地区が安心して住めるという保証がないと家も直せない、仮設住宅で暮らしている人がたくさんいる、何とか対策を講じてもらいたいと述べておられます。そういう皆さんの思いに応えて、全力で対策を講じていただきたいと申し上げて一切の質問を終わります。

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