日本共産党長野県会議員団

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議会質問

2020年2月定例会 毛利栄子議員一般質問

    1. 新型コロナウイルス感染症対策について
    2. 県内経済動向と県民の暮らしについて
    3. 「気候非常事態宣言」に基づく2050ゼロカーボンの長野県を目指す取り組みについて

1.新型コロナウイルス感染症対策について

【毛利栄子議員】

 おはようございます。共産党県議団の毛利栄子です。

 最初に新型コロナウイルス感染症対策について、土屋健康福祉部長に伺います。

 中国湖北省武漢市を中心に発生した新型コロナウイルス感染は爆発的に広がり、日本をはじめ世界28カ国に広がっています。日本国内では横浜港に停泊しているクルーズ船で陽性確認者が日々増えており、19日現在で621人になりました。衝撃的なことは、検疫にたずさわっていた検疫官1名が感染したこと、渡航歴もなく接触もない感染者が国内で70人確認され、そのうちの1人が死亡。医師など医療関係従事者も感染し、感染源や感染経路が分からないまま広がり続けていることです。もはや新型コロナウイルス感染症問題は、水際対策だけではなく新しい段階に入ったと言えます。

 ネット上ではさまざまな情報が飛び交っておりますが、感染力は強いものの致死率はMERS(マーズ)の34.4%、SARS(サーズ)の9.6%に比べ2%台とインフルエンザ並みの低いものとなっており、飛沫感染、接触感染でかかるため、厚労省はうがいや手洗いをしっかり行うこと、せきエチケットを守ることで感染は防げる、発熱などがある場合には学校や職場を休むようにと広報しています。

 県は1月29日「新型コロナウイルス感染症対策本部」を立ち上げ、ネットで情報を発信するとともに、24時間の相談窓口を開設し、19日現在1,700件弱の相談があったとされています。現在、県内にはクルーズ船での感染者13名を厚労省の依頼で受け入れた以外、幸いにも感染者は出ていません。

 国内での感染者が確認されたことで県民はいっそう不安をつのらせています。かからないようにするにはどのような予防対策が必要なのか。また風邪で発熱などの症状が出たらまずどうすればいいのか。一般的にはかかりつけの医療機関を受診すると思われますが、その前に保健所へ電話し、新型コロナウイルスの疑いがあれば検査するということですが、その検査が現状では環境保全研究所1カ所のみです。しかも結果が出るまでには一定の時間も要すると聞いています。患者は体調不良を抱えながら、結果が出るまで何に留意し、どこでどう待機すればいいのでしょうか。潜伏期間が最長12日もかかるということで、結果が出た時には他の人に移している可能性もあります。

 そこで質問です。いたずらに不安をあおらないために、現状はネットで発信していただいていますが、高齢者にはなかなかなじめないため、県としてまず正確で迅速な情報を新聞、テレビ、ラジオなどさまざまなメディアを通じて発信すること、分かりやすい予防策と受診方法の周知、検査体制の充実や受診可能な医療機関の拡充について早急な対応が求められていると思いますが、健康福祉部長に伺います。

【土屋健康福祉部長】

 新型コロナウイルス感染症対策につきまして、4点ご質問をいただきました。

 まず初めに、新型コロナウイルスへの対応策についてのご質問でございます。感染症対策につきましては、発生状況のフェーズに応じて、迅速かつ的確に対応していくといったことが重要でございます。

 現時点で県内での感染者は発生がないといった状況にあることから、手洗いの励行など感染予防策の周知をしっかりとしていくとともに、特に一定の症状がある場合について必ず保健所に相談していただくといったことの徹底、そしてそのための24時間態勢の相談窓口の案内、さらには不足しておりますマスクの購入に関するお願い等につきまして、県民の皆さまに対し正確で迅速な情報提供に心掛けているところでございます。

 具体的には知事の会見なども設定をしつつ、そういった場を通じてメディアを通した情報発信を行ってまいりたいと考えてございますし、これまでもそのように対応しているところでございます。

 一方、国内において感染が広がりつつあるといったことから、今後訪れるフェーズの進行を先取りをして準備をしていく、検査を担う環境保全研究所の設備や人員等体制の強化を図るなど、迅速な検査を行うことができるよう今も準備を進めているところでございます。

 また、医療機関の拡充についてでございますが、感染症指定医療機関の感染症病床以外の病床、さらには感染症指定医療機関以外の医療機関の病床の確保など、受け入れ可能な医療機関の幅を広げるべく調整を進めているところでございます。

 今後も新型コロナウイルス感染症対策本部において危機感や目的意識を共有しつつ、また関係機関とも連携・協力をして迅速かつ的確に対応を進めてまいります。

【毛利栄子議員】

 次に入院にかかわる質問です。クルーズ船内での集団感染が次々広がる中、厚生労働省は長野を含む10県に入院の受け入れを依頼し、長野県も人道的な見地から受け入れをしてきています。県内の指定医療機関は11病院46床ですが、国内での感染が確認され今後広がることも懸念されます。

 指定医療機関のベッドは他の感染症に備えて一定数は空けておかなければならないと思いますし、県内での新型コロナウイルス感染者が出現する場合に備えることも必要になってくるかもしれません。受け入れのベッド数に関してはどのような調整をするのか伺います。

【土屋健康福祉部長】

 クルーズ船からの感染者の受け入れについてでございます。

 クルーズ船からの受け入れにつきましては、同船内で多数の感染者が確認される中、国からの要請に基づき近隣県で受け入れただけでは十分でないといったこと、さらには人道上の観点から、2月12日以降、計13名の患者を感染症指定医療機関に受け入れているところでございます。

 一方で、国内での感染者が日に日に増加をする中、県内での患者発生に備えて県民の生命・安全を守ることを第一に考え、今後の受け入れにつきましては、慎重に判断をしてまいりたいと考えてございます。

【毛利栄子議員】

 さらに厚労省は、国内での増加に備え指定医療機関でなくても感染者の受け入れは可能とも言っており、昨日知事は一般病院でも受け入れを調整していると方針を示しています。その場合の医師や看護師など医療スタッフの体制やノウハウは十分なのか。

【土屋健康福祉部長】

 一般病棟で受け入れる場合の医療スタッフの体制やノウハウについてでございます。

 今後、感染症指定医療機関以外での受け入れが必要な場合には、感染防止対策を含め医療スタッフの態勢が十分整っているといったことを前提に、受け入れ医療機関の調整を行っているところでございます。 また、受け入れ医療機関における院内感染防止対策を支援するため、昨日、信州大学医学部附属病院の協力を得て、同院内に専門的な知見を有する医師等を配置した医療機関向けの相談窓口を開設したところであり、全県における万全な受け入れ態勢の整備に努めてまいります。

【毛利栄子議員】

 また、現状ではクルーズ船からの受け入れに関し感染者情報の詳細を明らかにしていませんが、県内で感染者が出た場合は蔓延を防止するために、感染源、感染経路を含め細かい情報の提供が必要だと思いますが、健康福祉部長の見解を伺います。

【土屋健康福祉部長】

 感染者に係る情報提供についてでございます。

感染者が発生した場合の情報提供のあり方につきましては、蔓延防止や県民の不安解消といった観点を基本としつつも、その一方でプライバシーの保護や風評被害の防止といった要請もあり、国や都道府県の考え方、取り扱いは必ずしも統一されたものとなっていないといったのが現状でございます。

 本県においては、現時点で感染者は発生しておりませんが、発生した場合には、まずは感染経路や濃厚接触者についてできる限り詳細な調査を行った上で、公表が必要な情報、県民の皆様に周知するべき内容について適切に判断してまいりたいと考えてございます。

 加えて、行動履歴が複数の都道府県にまたがる場合も想定されるため、国において統一的な公表方針を示すことが望ましいと考えておりますので、全国知事会を通じて国に要望をしているところでもございます。 以上でございます。

2.県内経済動向と県民の暮らしについて

【毛利栄子議員】

 県内経済の動向と県民の暮らしについて知事に伺います。

 知事は議案提案説明の中で、日銀松本支店が2月に公表した「金融経済動向」を引き合いに出し、「県内経済は幾分ペースを鈍化させつつも緩やかに拡大しており、個人消費は台風19号や消費税率引き上げの影響がみられるものの底堅く推移している」と紹介していますが、私は耳を疑いました。この分析は、県民感情や実態からは、大きくかけ離れていると思います。

 2月7日、政府は12月の景気動向指数と家計調査を発表しました。それによると内閣府の景気動向指数は5か月連続でマイナス、総務省の家計調査では1世帯当たりの消費支出は前年同月比で-4.8%となり、3か月連続のマイナスとなりました。内閣府は景気の現状を「悪化」と判断しています。

 共産党藤野保史衆議院議員は衆院予算委員会で、家計消費は14年の消費税8%増税後から落ち込み続け、増税前に比べ年額31万4,000円も減り、およそ1か月分の消費が吹き飛んだ大変な状況になっており、日本はいま深刻な景気不況に陥っていると指摘し、反響を呼んでいます。先日発表された10~12月期のGDPが年率換算で6.3%もマイナスになっているという衝撃的なデーターは、この指摘を跡付けるものです。

 それでは長野県の経済状況は一体どうなっているのか。長野県では米中貿易摩擦、台風19号災害、新型コロナウイルス、雪不足などによる大きな影響を受け、さらに消費税増税が暮らしと地域経済に追い打ちを掛けているため深刻な状態になっています。

 帝国データバンクの調査によると、2019年の県内の景気動向調査で「悪化局面」と回答した企業が43.2%と2012年以来7年ぶりに4割を超え、全国2番目に高い状況です。さらに2020年の景気見通しについても38.4%が「悪化する」と回答しています。

 県内経済の動向をどう把握しどう分析するかは、施策を展開するうえで非常に大事な要素になってきます。知事は昨日の代表質問に答え、「受注の減少、業況悪化もみられ予断を許さない」とも言っています。そのとらえ方では甘くはないか。知事には県内経済の動向をもっと多面的な資料や角度、指標から見ていただき、正確な判断をしていただきたいと思いますがいかがでしょうか。

【阿部知事】

 経済動向と消費税についてご質問いただきました。

 経済動向を多面的に工夫する必要があるんじゃないかというご質問でございます。もとより、全くそのとおりだというふうに思っております。

 提案説明で、日銀松本支店の金融経済動向を引用させていただきましたが、その後は、しかしということで予断を許さないという認識を示させていただいておりますし、この金融経済動向だけではなくて、日銀の松本支店では金融短期経済観測結果、あるいは長野財務事務所の県内経済情勢、あるいは長野経済研究所の業況アンケート調査、さらには県独自で四半期ごとに実施しております景気動向調査、こうしたものを踏まえて県内の経済動向を把握をしてきているところでございます。

 そういう意味で、提案説明ではこの金融経済動向のみ引用させていただきましたけれども、私どもの判断要素としては必ずしもそれだけで行っているわけではないということはご理解いただければというふうに思います。

【毛利栄子議員】

 消費税増税について伺います。政府は昨年10月の消費税10%増税に伴い、キャッシュレス還元、ポイント還元、複数税率など影響緩和策を導入しましたが、諏訪地域のある業者は、「ポイント還元に合わせてレジやカードリーダーを80万円かけて導入し20万円の補助を受けたが、買い物に来る人が激減し、損しただけでなんの役にも立たない」と怒りをぶちまけ、また違う商店主は「商工会議所が導入を勧めてきたが、9カ月ばかりのことだし断った。10月、11月はそれでもお客が来たが、12月からはとんと来なくなり、どこまで商売を続けられるか不安」と語っています。

 国は2020年度予算で消費税増税分を活用し、社会保障の充実、経済対策の着実な実行、財政健全化をうたっていますが、国の税収自体は18年の60.4兆円とほとんど変わらず63兆5,000億円。従来、所得税が収入のトップを占めていたのに、20年度はとうとう消費税が所得税を2.2兆円も上回る一番の税収になりました。これでは消費が増えるはずがなく、地域でお金が回るはずがありません。

 耐久消費財である県内新車登録台数は、消費税導入後の落ち込みを懸念し、自動車税の減税措置をしたにもかかわらずほとんど効果はなく前年同月比で10月-25.5%、11月-12.3%、12月-11.8%、1月-10.2%と4か月連続減少傾向が続いています。前回14年の8%へのアップの時には4か月目にはプラスに転じましたが、今回は回復の兆しは見えてきません。

 大阪府では、2019年10月から12月期の「景気観測調査結果」を1月20日に発表しました。その中身を見ると、企業の業況判断DIは全産業で4期連続悪化し-29.4と、2012年以来の低水準で景気は弱い動きとなっているとしています。

 また、消費税引き上げ前後の売上高の推移や増税の影響を受ける期間も調査しており、それによると上半期と下半期では増税後にある程度のマイナス影響があり、小売り業や飲食店、宿泊業では影響が7月以降も続き、長期化を想定する向きが強いとしています。長野県としても消費税増税の影響について把握してほしいと思いますがいかがでしょうか。

【阿部知事】

 続きまして消費税引き上げの影響についてであります。

 県内企業の影響つきましては、現在、景気動向調査に合わせまして消費税率引き上げに伴う影響調査を実施をいたしているところでありまして、現在集計中でございます。前回の引き上げ時にも同様の調査を行っておりますので、この消費税率引き上げの影響をしっかり我々も把握をしていきたいと思っております。

 また、この他にも総務省の家計調査、消費者物価指数、こうした県民生活に関わる統計であるとか、あるいは自動車新規登録台数、大型小売店売上高、あるいは先ほど申し上げたような各種の調査、こうしたものにも注視をしていきたいと考えております。

【毛利栄子議員】

 消費税を8%に引き上げて以降、景気は急激に悪化し長期化しているうえにさらなる引き上げで県民生活は困難を極めています。知事はわが団の度重なる消費税に関わる代表質問や一般質問に対し、「持続可能な社会保障制度を構築していくうえでも、地方税財源を充実していくうえでも、消費税率の引き上げは重要だ。県財政にとっても貴重な安定的財源」と答えています。しかし、社会保障予算の自然増は1,200億円削減され、年金は2年連続でマイナスとなり、75才以上の医療費への2割負担の導入や介護施設の食費負担増、受診時定額負担の導入など、一層の改悪を進めようとしておりとても充実される状況ではありません。

 税の基本は累進課税であり、所得のない赤ちゃんや寝たきりのお年寄りも負担を余儀なくされる消費税が税収の一番を占めるなどということは異常です。県民の暮らしと地域経済を壊す消費税について改めて知事の見解を伺います。

【阿部知事】

 消費税率引き上げについての考え方であります。この場でも申し上げてきたかと思いますけれども、税金の負担をする立場になれば、少なければ少ないほどいいということをはその基本だと思います。しかしながら、行政として県民生活に必要な仕事をしていく上では、どうしても財源が必要になるわけでありまして、どういう形でどういう方に負担をいただくかということは、極めて重要な問題だというふうに思っております。

 現在、我が国、あるいは長野県が置かれている状況は、急速な少子高齢化社会であります。持続可能な社会保障制度を構築していくということが強く求められている状況であります。また国債残高が非常に多額に上っている中で、将来世代に過大な負担を先送りするということは、もはや許されないのではないかというふうに思っております。そういう意味では、現役世代、今を生きる我々が幅広く広範に負担を分かち合っていくということが必要ではないかというふうに思っております。

 そういう観点、あるいは景気動向に左右されにくい財源という意味で、消費税は非常に重要な税であるというふうに考えております。消費税率が5%から8%、そして今回の10%に引き上げられたことに伴います本県の地方消費税の増収分は、来年度においては約261億円余というふうに見込んでおります。 この財源、一つは高齢化による社会保障関係費の増高経費、これに約142億円充てていこうとしていますし、また子ども子育て支援の充実、保育所の処遇改善であったり、延長保育であったり、幼児教育の無償化であったり、子ども子育て支援の充実に60億円余、そして医療介護の充実に40億円余等々、この財源を全てを社会保障関係の経費に充てていくという形にしているところでございます。

 そういう意味で、ぜひこうした状況を我々も丁寧にご説明をして、県民の皆さまの理解、協力を得ていくということが重要だと思いますし、その一方で、国も地方も、やはり納税者の皆さま方の信頼が不可欠であります。さらに、効率的・効果的な行政運営に努めていきたいというふうに考えております。以上でございます。

【毛利栄子議員】

 今の知事のご説明の中で、いろいろさまざまな観点から指標を見ていくということは同感だというふうにおっしゃっておられまして、幾つか長野経済研究所でありますとか、住宅着工戸数でありますとかお話ありましたが、所信表明というかそういうことの中で、底堅く今の景気が推移しているというものをことさら強調してご説明いただいたというのは、やっぱり違和感があるというふうに指摘せざるを得ません。

 また国の施策の中で、高等教育の無償化等にも使われているというお話もありました。しかしそれと引き換えに、従来、例えば国立大で言えば、所得の低い皆さんに対しては無償だったものがそこから外れるということもあって、信大の学生でも今まで無料で授業を受けられていたのに有料化するというものもありまして、この施策の中で総体的に使われたといいましても、そこには本当に実態と合わない使い方があるという点を指摘させていただきたいと思います。

 県民の暮らしの大変さを幾つか紹介させていただきながら、知事に再度伺います。

 その1――この3月に高校を卒業される生徒さんの例です。春休み中に自動車免許を取るために自動車学校に入学されたようですが、教習費用が29万8,750円。そのうちなんと消費税分が2万6,900円。10%の重みがずっしり響いてくるではありませんか。しかも高校生に収入はありません。新しい生活に踏み出すためにはさらに大きな出費が予想されます。

 その2――国民年金だけで暮らしておられる90歳の一人暮らし女性の例です。細かい字が読めなくなり、眼鏡を替える必要が出てきたそうです。プレミアム商品券の購入案内が来たそうですが、いくら5,000円プラスされると言っても2万円を一時で払えないので、暮れから毎月1,000円ずつ貯めてある程度たまったら購入するとのこと。6万5,000円の年金から1,000円を生み出すために灯油代を倹約され、日中はストーブを消しているそうです。仮に3万円の眼鏡を買うとしたら3,000円の消費税。3か月分の積み立てに相当するではありませんか。付け加えるなら彼女は住民税も所得税も非課税です。でも消費税はいやおうなしに払わねばなりません。

 今挙げた例は、私が県民の皆さんからお聞きしているお話のわずか一部分です。知事にはこういった県民の切実な声が届いていないのですか。8%に引き上げた2014年以降、経済が急速に悪化しているため差し当たって消費税を5%に引き下げることを私たちは提案しています。

 県財政にとってみても、地方消費税としての収入や交付税に振り替えられる消費税の配分はあるでしょう。しかし、県のハード事業にも物件費にも消費税はかかってきます。差し引きについて知事は考えてみたことはありますか。県民の暮らしにとっては大ダメージであり、県財政にとっても私は消費税は地域経済と地方行政を圧迫するものだと思いますがいかがですか。知事に伺います。

【阿部知事】

 ミクロ的に見る場合とマクロ的に見る場合と、だいぶ観点が違うんだろうというふうに思って伺っていました。

 もちろん自動車免許取られる学生の方、あるいはメガネを購入されるお年寄りの方、私も先ほど冒頭申し上げたように、税負担は少なければ少ないほどいいと、これは私もそう思ってます。皆さんそうだというふうに思います。

 ただ、じゃあ誰も負担しなければ社会は成り立ちません。学生に対する支援もかなり今回、県の予算においても充実をさせていただいておりますし、またお年寄り、高齢者の介護あるいは医療、こうしたものについてもしっかりと今の現状維持しながらも、より手厚い対応していかなきゃいけないという現状の中にあっては、一定の税負担をお願いをさせていただかざるを得ないという状況だというふうに思っています。

 もとより先ほど申し上げましたように、行政が信用できない、国や県がやってることは信用できないということだと納税者の皆さんが納税する意欲がなくなってしまいますので、やはり我々は常に襟を正しながら県民の皆さま方の期待に応えられるように取り組んでいくということが重要だというふうに思いますけれども、しかしながら個別の事象を捉えて、ここが大変だから、そこが厳しいからということで常に税金の負担がおかしいという話をされると、なかなか行政としては成り立ちづらい、成り立たなくなってしまうというふうに思います。

 そういう意味で個々の皆さんの生活状況の実態についてはしっかりと寄り添いながら、きめ細かに対応していくということが必要だと思いますけれども、他方でマクロの観点では、我々の考え方、今の財政状況、そうしたものをしっかりお伝えをして、そしてご理解いただいていくということが重要だと思います。どうか県議会の皆さまにもそうした考え方を共有いただいて、県民の皆さま方に県の状況をお伝えいただければありがたいというふうに思いますし、また我々自身もしっかりと努力をしていきたいというふうに思っております。以上です。

【毛利栄子議員】

 私は何も税金を徴収してはいけないというふうに言っているわけではありません。税金はあるところから取ることにしていただいて、ないところはそれなりに取らないでいたいただきたいということを言っているわけであります。引き続き、この問題はいつも食い違っておりますので議論させていただきたいと思います。

3.「気候非常事態宣言」に基づく2050ゼロカーボンの長野県を目指す取り組みについて

【毛利栄子議員】

 次に「気候非常事態宣言」に基づく2050ゼロカーボンの長野県をめざす取組みついて、高田環境部長に伺います。

「今だけ、金だけ、自分だけ」の、後は野となれ山となれの利潤追求の資本主義経済はいまや地球を危機的状況に追い込んでいます。世界各地で大規模な森林火災、干ばつ、高温や豪雨など異常気象が頻発しており、地球温暖化の影響が非常に大きいと指摘されています。長野県で起こった台風19号による異常な降雨も、気候変動の要因の一つだとされています。

 パリ協定が2020年に本格始動するのを前に各国がCO2削減目標を引き上げることが最大の課題だった12月のCOP25は、有効な対策を加速できないまま先送りとなりました。日本は脱炭素社会を掲げながら石炭火力発電にこだわる姿勢を捨てず、ここで2回にわたって化石賞なるものを受けることになり世界に恥ずかしい姿をさらす形になりました。

 長野県議会の全会一致の決議を受け、阿部知事は全国で県としては初めて「気候非常事態宣言」を挙げ、2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすると決意したことは大いに歓迎するものです。問題は、この達成のために従来の延長線でない取組をどう行っていくかにかかっています。

 新年度予算では幾つかの積極的な提案がされていますし、また今年度中には将来世代を含む県民の生命と財産を守るため「気候危機突破方針(仮称)」を策定し、具体的な行動を起こしていきたいとしています。そのために、県が今まで数次にわたる環境エネルギー戦略を策定し、徹底的な省エネ、環境と調和した再生可能エネルギーの積極的導入、エネルギー自立の県づくりに取り組んできたにもかかわらず二酸化炭素の排出量が漸減してきているとはいうものの、90年比ではまだまだ増えていることに対しその原因と問題を明らかにすることが必要です。

 京都議定書からは既に30年たっていることを踏まえれば、2050年まではあと30年しかありません。 何が問題か、課題の洗い出しと2050年ゼロカーボンに向けた取り組みの戦略の基本、ロードマップを明らかにすべきだと思いますが環境部長の見解を伺います。

【高田環境部長】

 2点ご質問をいただきました。初めに、ゼロカーボンに向けました戦略やロードマップについてのご質問でございます。

 現行の環境エネルギー戦略におきましても、2050年までの長期目標設定した上で現状と課題を分析し、2020年までに行うべき具体的な政策を定めて計画的に推進してきたところでございます。現在2021年度から始まります新たな環境エネルギー戦略の策定を進めているところでございます。この策定に当たりましては2050年にはゼロカーボンという長期目標を踏まえまして、有識者のご意見も伺いながらしっかりと現状と課題を整理しつつ政策の柱となる考え方や道筋についても示してまいりたいと考えております。

【毛利栄子議員】

 また、推進のためには県民や県内事業所の理解と協力が欠かせません。県はこの間、環境負荷の少ない建築物の屋根での太陽光発電・太陽熱普及に向け、ポテンシャルを見える化するためにソーラーマップを作成し公表してきました。この取組を「気候非常事態宣言」の中に活かすことが大事だと思います。

長野県の特徴は太陽光発電の発電量が多く、しかも小規模分散型です。個人住宅への設置には初期投資が大きいために、まだまだ住宅戸数の1割程度と普及が進んでいるとは言えません。建物設置の太陽光発電に対し、個人住宅に対しても何らかの支援策を講ずることが太陽光発電の電力量を増やし、県民意識の向上につながると思いますが、環境部長の見解を伺います。

【高田環境部長】

 個人住宅におきます太陽光発電の支援等でございます。

個人住宅への支援につきましては、県では現在、建設部所管の環境配慮型住宅助成金におきまして、太陽光発電等の自然エネルギー設備を導入する際の加算制度を設けてございます。また現在では48の市町村におきまして、住宅用太陽光発電の導入に対します補助制度がございます。

 さらに来年度から、県では自然エネルギー地域発電推進事業、いわゆる収益納付型補助金の対象に太陽光発電を加えたところでございます。この補助金でございますが、太陽光発電設備の設置に当たりまして建物所有者に初期費用を求めないメニューを提供する、そういう太陽光発電事業者を支援する予定でございます。個人住宅への直接支援ではございませんけれども、初期投資の軽減に資するものと考えているところでございます。

 ソーラーポテンシャルマップにつきましては、個々の建物の形状に応じまして売電や節電などの効果のほか、この市町村の補助金の紹介ですとか地域の相談先事業者も掲載しておりまして、設置を検討しやすくしているところでございます。県民の皆さまにはこのマップを活用して太陽光発電の設置を検討していただけるように、引き続き周知に努めてまいりたいと思います。以上でございます。

【毛利栄子議員】

 グレタ・トゥンべリさんが言っているように、今、大人たちが真剣に行動しなければ将来の若者世代に無責任な社会を残すことになります。人類の未来にとって死活的な課題で長野県から展望を切り開いていく、そんな取組をともに行うことを期待して質問を終わります。

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