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議会質問

2020年9月定例会 和田明子議員一般質問

  1. 知事の政治姿勢について
  2. 災害対策について
  3. 大北森林組合に係る損害賠償の調停について

1.知事の政治姿勢について

【和田明子議員】

知事の政治姿勢について、阿部知事が護国神社崇敬者会会長についていることに関してお聞きします。

 地元紙が9月10日付で、2018年の鳥居修復以前にも、2013年に護国神社社殿の改修の寄付集めに関わっていたと報道しました。

 護国神社崇敬者会会長として繰り返し寄付集めに関与したことについて、憲法学の高見勝利・北海道大学名誉教授は、反復継続することで県と神社の結びつきを象徴する役割を果たす、純粋に私的な参拝行為と異なり、神社を支援する崇敬者会の会長として寄付集めに関わっているので、外形的に見て憲法違反の疑いを払拭することができないと指摘しています。

 長野県弁護士会は、「県政の最高責任者である知事が、宗教法人である護国神社を支援する崇敬者会会長を務めたり、寄付を集めたりするのは、特定の宗教を援助、助長、促進する効果をもたらす」「判例が許容する儀礼、習慣の範囲を越えた積極的活動であり、政教分離違反の疑いが極めて強いと言わざるを得ない」「反復継続性があることは宗教活動に密接に関わっていたことになる。社会的影響は極めて大きい」と問題の重大性に言及しています。知事が、私的な活動であり憲法には違反しないと認識しているとしても、純粋な私人としての活動と評価するのは困難と、厳しい指摘です。

 知事に私は、昨年9月議会、今年2月議会で質問を重ねてきました。今年2月、県議会の質問に対し知事は、9月議会以降、公務の合間を見て、これまでに弁護士、憲法学者など複数の有識者の方にお話をお伺いしておりますと答弁されました。

 そこで知事にお聞きします。知事は専門家から意見を聞いたと言われますが、どのような意見であったのかお聞かせください。それらの意見を踏まえて、知事はどのように考えを整理したのかお伺いします。また、知事は私的な活動と言われますが、県民の理解、納得が得られているとお考えなのかお聞きします。

【阿部知事】

護国神社崇敬者会会長としての務め、役割についてのご質問であります。

 まず、これは県知事として就任しているわけではなくて、個人、私人の立場であると、これは繰り返し申し上げているとおりでありますので、まず、そこは明確にしておきたいと思います。

 これまでもお答えをしておりますように、公務の合間を縫いまして、有識者の皆様方からお話を伺っている状況であります。ご意見の内容は様々でありますけれども、私が考え方を整理する上での視点などをご提供いただいている状況であります。

 信教の自由、非常に重要な問題だと思っておりますので、考え方を慎重に整理をさせていただいた上で、県民の皆様方にご説明していきたいと考えております。

 以上です。

【和田明子議員】

県民は、私的な活動だとは理解していないと思います。昨年8月以来、憲法学者、県弁護士会、県革新懇などから是正をするよう申入れがあることに対して誠意を示すべきだと申し上げて、次に移りたいと思います。

2.災害対策について

【和田明子議員】

災害対策について伺います。

 昨年10月の台風19号災害から間もなく1年を迎えます。千曲川の堤防が決壊した穂保地区では、住民の要望に寄り添い、技術検討する中で、堤防の両面をコンクリートで覆う被覆型を採用し、越水しても決壊しにくい改良復旧が行われました。

 穂保地区でも、当初は堤防の上部や住宅地側ののり面下を強化する危機管理型ハード対策で実施する方針でした。それに対し、堤防の住宅側のり面の多くは盛土が露出する構造に、住民から「また決壊するのではないか」との不安や、「強化してほしい」などの要望があり、国土交通省が設置した令和元年台風19号の被災を踏まえた河川堤防に関する技術検討会で、越水した場合にも決壊しにくい堤防を目指すとして、結果的に両面をコンクリート被覆する工事がされました。

 建設部長にお聞きします。

 国土交通省の技術検討会では、河川堤防の強化する区間、決壊発生箇所の場の特徴の分析のポイントとして、狭窄部、橋梁の上流部、合流部、湾曲部などの影響を受け、水位が上昇しやすい区間など示されています。この決壊発生箇所の特徴は、篠ノ井塩崎地区の越水によって堤防が700メートルにわたって大規模に欠損した現場でも当てはまると考えますが、建設部長の見解をお伺いいたします。

 篠ノ井塩崎地区の復旧工事は、川側はコンクリートで被覆し、川裏側は路肩保護、のり尻補強と植生を施す危機管理型ハード対策とする方針の下、既に川裏側は、堤防の路肩、のり尻の補強工事が行われました。今後、渇水期に川側の工事が行われる予定です。

 しかし、千曲川河川事務所の地元地域の説明会では、様々な意見要望が出されました。「もっと堤防の強化をしてほしい」「19号台風で堤防が決壊寸前だった。安心できない」など切実な声です。この場所が決壊すれば、長野市南部地域の広大な範囲が浸水し、被害は甚大なものになります。長野市塩崎地区の堤防欠損箇所は、穂保地区と同様に、川裏側もコンクリートで被覆する改良復旧を行うべきではないかと思います。

 長野市、長野市議会、地元等からの要望も上がっております。これらの要望を、県としてどう捉えておられるのでしょうか。国に対してどう対応しているのかについて、建設部長にお伺いいたします。

【田下建設部長】

国土交通省の技術検討会での決壊発生箇所の特徴の分析に関してのお尋ねでございます。

 国の技術検討委員会報告書においての基本的な考え方として、洪水時の河川水位を下げる対策を今後とも治水対策の大原則としつつ、氾濫リスクが高いにもかかわらず、その事象が当面解消困難な区間において、堤防が決壊するまでの時間を少しでも長くする粘り強い構造の河川堤防の整備を実施すべきであるとされております。

 また、決壊箇所の特徴としては、決壊箇所の多くは合流点の上流部、あるいは橋梁上流部、狭窄部上流部、湾曲部外側であり、これらの箇所は、局所的に水位上昇が起こる可能性が高い箇所であるという水理学的な特性とも整合しているが、今後は単純な位置関係だけではなく、河道の平面形状や縦横断形を踏まえて、水位状況を数字的に検討する必要があるとされております。

 国からは立ヶ花の狭窄部上流8 kmの区間においては、被覆型の粘り強い河川堤防を整備することとしておりまして、現状今の時点でこうした対策を行う地点としては、この箇所のみを想定していると聞いているところでございます。

 長野市塩崎地区の被災した堤防の補強工法についてですが、国によりますと、堤防が決壊した長野市穂保地区においては、専門家で構成された技術検討会での議論を踏まえると、当箇所が狭窄部の水位上昇しやすい箇所に該当し、当面この事象が解消されない区間であったことから、緊急的な堤防強化対策として、宅地側堤防のり面にコンクリートブロックによる被覆が実施されたとのことです。

 篠ノ井塩崎地区の軻良根古神社付近の堤防整備につきましては、本年の出水期を前に、危機管理型ハード対策として、堤防天端の舗装、民地側のり尻部の補強による改良復旧が行われた状況でございまして、11月以降に川側ののり覆護岸、のり肩保護工などが施工される予定と聞いております。

 さらに、国では信濃川水系緊急治水対策プロジェクトにおいて、塩崎地区の上流部に遊水地を設置する計画となっておりまして、河道掘削等とあわせ、総合的な対策により水位低下対策を図るものとしております。

 国では、今後、堤防の補強工法については、技術検討委員会や千曲川堤防調査委員会で継続して検討を進めていくものと思われますが、県としましては、まずは当プロジェクトに位置づけられた河川水位を下げる対策を着実に推進していくとともに、国に対しましても、プロジェクトの確実な実施についてしっかり要望してまいりたいと考えております。

【和田明子議員】

河川の水位を下げる対策を総合的に行っていくということですけれども、決壊しやすい場所の特徴の分析に照らして、塩崎の現場は、千曲川に聖川が合流し、流れがほぼ直角に大きく曲がり、水圧がかかる箇所であり、新幹線、しなの鉄道、国道18号の橋脚の直上流に位置しているなど、決壊発生箇所の場の特徴に当てはまるものでありまして、そして、ここで本当に大きな水害が発生、決壊が発生しないように、引き続き県からも国に対して、これからの技術検討の中で、この堤防の補強をさらに強めていただくように要望していただきたいと思います。よろしくお願いします。

 次に、都市型水害について伺っていきたいと思います。

 近年ゲリラ豪雨による都市型水害が問題化しています。長野市でも急激な都市化により、市街地で床上・床下浸水被害や幹線道路の冠水被害があり、地域住民から早期に対策を求める声が上がっています。 長野市街地を東西に横断する北八幡川には、中心市街地の広範囲の雨水を、中沢川、松林幹線、三輪幹線から、古牧地区の北八幡川雨水調整池1か所に流入する構造になっています。そこから柳原1号幹線排水路しか出口はなく、結果として、古牧地区から柳原1号幹線排水路が柳原2号幹線排水路に分流する朝陽地区までの住宅地が床上・床下浸水被害に見舞われています。

 浸水被害は2012年、2017年、今年7月と、8年間で3回も発生しています。たびたび被害に見舞われる地域住民から、早期の対策が求められていますのでお伺いいたします。

 柳原1号、2号幹線排水路は、農地水害対策として昭和40年代に国営事業で整備され、その後、県が事業主体となって、平成4年から下流側から排水路の改修工事が行われました。現在は柳原2号幹線の最終工区が令和5年度完成予定で進められています。1号幹線のその後の事業化は、令和6年度以降と言われています。

 先般、長野市と長野市関係県議との懇談会で、長野市から、柳原1号幹線、北八幡川は、7月21日も豪雨で沿線全体が浸水するなどこれまでたびたび浸水被害が発生しており、周辺地域の防災、減災を早急に図るため、令和6年度以降の着手予定を前倒しするなど、ご配慮いただきたいと県への要望がありました。

 これまでの経緯からすると、農政の関連事業で着手予定を前倒ししてほしいということが、長野市からの要望ですが、柳原1号幹線排水路は過去には農業予算で実施された事業ではありますが、今は急激に都市化が進み、水田等の農地が激減しているという状況でございます。引き続き、この事業に農政サイドで県として排水路の改修事業を実施することができるのかどうか、お伺いいたします。

 また、都市化で農地がほとんどなく、農政での事業が不可能ということであれば、どうすれば浸水被害軽減のために早期の事業化ができるのか。県としても、関係機関との調整に対応していただきたいと思います。この点は農政部長にお伺いいたします。

【伊藤農政部長】

長野市の排水路の改修事業についてのご質問をいただきました。

 柳原1号幹線排水路は、昭和36年度以降、農林水産省の直轄及び県営事業により整備改修され、農業用の水路として管理されてきたところです。

 しかし現在は、排水路周辺の宅地化が進み、農地がほとんどなくなっており、農林水産省所管事業の実施に必要な農地の面積要件を満たさないことから、県営事業として実施することは難しい状況です。

 このため農政部といたしましては、これまでの排水路整備の経過を踏まえ、まずは、農林水産省と相談をしてまいりたいと考えております。

【和田明子議員】

ただいま農政部長から、農業用排水路としての事業継続はやはり困難というようなことでありまして、農水省と相談するというご答弁でありましたが、農水省と相談、それから長野市との調整、これにもしっかり農政部としても対応していただきたいところであります。

柳原1号幹線の水路断面を拡張することも浸水被害の軽減にはなりますが、時間雨量50ミリを超えるような豪雨による浸水被害の軽減には、総合的な都市型水害の対策の検討がされているところです。

 長野市は、以前から個人住宅への雨水貯留施設、いわゆる雨水タンクに助成制度を設け普及に努めています。また、流出抑制のために公共施設などへの貯水施設設置の検討、国交省が水害対策、流域治水への転換ということで、民間施設への貯留施設なども言われるようになりました。

 そこで県として、市街地の雨水の流出抑制のために、例えば、県営住宅などの県有施設への貯留施設の設置の検討はできないか。建設部長にお伺いいたします。

【田下建設部長】

県有施設への雨水貯留施設設置についてのお尋ねでございます。

 市街地での雨水の流出抑制は、流域治水対策を進める上で非常に重要なメニューとなっております。雨水貯留施設などの設置による流出抑制策の推進は、様々な主体が取り組むことが重要でありまして、県有施設にも可能な限り設置する必要があると考えております。

 既に県営住宅の一部や長野県立大学学生寮では、敷地内の雨水を一時的に貯留、浸透させる施設が設置されている状況でございます。

 今後も庁内に設置した長野県流域ソフト対策検討委員会を中心に検討を進め、県営住宅等の県有施設における雨水貯留施設の設置をさらに進めてまいります。

【和田明子議員】

建設部長からは、県営住宅の一部や長野県立大学などにおいても、既に貯水施設が設置ということでありました。そういうようなことを県として行っているということをもう少しPRをしていく、さらに拡大をしていくということをしていただきたいと思います。

 気候変動で水害リスクが大きくなっている中で、市民の皆さんが、毎年のように雨のたびに大変な被害が起こっていることに対して、しっかりと対策をしていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

3.大北森林組合に係る損害賠償の調停について

【和田明子議員】

それでは最後に、大北森林組合にかかる損害賠償の調停についてお伺いいたします。

 2018年6月に、大北森林組合に6,748万6,000円の損害賠償請求がされてから組合側から減額を求める要望がされたことについて、私は2018年11月県議会、当時林務委員会において、この森林組合の減額の理由について質問しました。

 そのときの担当課長の答弁では、「組合側から減額配慮を求めるということで、その理由といたしまして何点か挙げられておりまして、組合の主張としましては、補助金の多くは森林整備に使われていたということを挙げております。検証委員会の検証の中でもある程度明らかになっておりますけれども、不適正受給額のうち、約9.8億円は、もちろん内容とか時期とか不適切であったけれども、森林整備に使われていたのではないかという整理もございました。実際には山に入っている、施業がなされている部分もあるということを配慮してほしいということとか、あるいは組合の置かれている状況、現在、集中改革期間という状況について配慮してほしいということ。あるいは、これまで組合として地域の山を守り育てることに一生懸命取り組んできた。また現在、補助金返還に真剣に取り組んでいるといった事情を配慮してほしい。こういう理由で減額を求める、配慮を求めるという内容の要望があったところ」という答弁でございました。

 これは、大北森林組合からの切実な訴えとして、県林務部がどれだけ真摯に受け止めたかということではないかと思います。

 2018年度から昨年度まで、この損害賠償請求は収入未済であり、今年1月、大北森林組合から調停の申し立て、また大北地域5市町村長からも6月に、経営再建の支障になりかねないと損害賠償額の減額の要望もありました。

 そもそも、この損害賠償の請求自体が妥当だったのかということが問われているのではないでしょうか。

 大北森林組合の補助金不正受給は決して許されることではありません。しかし県が適正な実務を行っていれば、このような重大な事件にはならなかったということも、私たちは繰り返し指摘をしてきました。

 調停の結果として、今回3,915万1,000円の減額の案が出されました。これは県民益を損なうものです。つまり、新たに県民の負担が生じるものです。県民に理解が得られる説明が必要だと思いますが、いかがですか、林務部長にお伺いいたします。

【井出林務部長】

調停についてお尋ねをいただきました。

 損害賠償請求に当たりましては、法的課題検討委員会の報告書を受けて作成した損害賠償請求についての対応方針に基づきまして、大北森林組合・元専務理事、県職員等に対し、法的に最大限可能な請求を行ってまいりました。

 今回、調停により損害賠償請求を減額する部分は、補助金支給要件には適合しなかったものの、実際に組合により森林整備が行われていた箇所としており、具体的には次の部分について減額をしております。

 1、交付申請時には未施行であったが、実際に施業がされた部分に当たる請求額。2、施業内容が申請どおりではなかったものの、施業が実施されていると認められる内容について、適正な補助単価により再積算した額の二つでございます。

 森林整備が行われたことにより、森林の持つ県土の保全や水源涵養といった公益的機能が高まり、県民がその恩恵を受けていると考えられることから、裁判所が間に入った調停での話し合いの結果、減額の判断に至ったものでございます。

 このことから、新たに県民の負担が生じているものとは考えておりません。

 以上でございます。

【和田明子議員】

今回の損害賠償の調停について、今、考え方を林務部長からご答弁をいただきました。

 当時、未施工だったが時期がずれたけれども実際には施工がされていた、適正な補助単価に見直した、こういうことが今回言われているわけですけれども、それが本当に通るのでしょうか。

 損害賠償請求の減額によって県民益は損なわれない、このように部長はおっしゃいますけれども、県民益は損なわれている、県政の信頼は損なわれている、県民に対して丁寧な説明が必要だと思います。

 また、大北森林組合の補助金返還が計画どおりに履行されるように、県として責任をもって対処していただくように要望をして、私の質問を終わります。

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