日本共産党長野県会議員団

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議会質問

2021年2月定例会 両角友成議員一般質問

    1. 農業県長野をどう持続させるかについて
    2. 少人数学級の実現について
    3. 特別支援学校の教育環境について

1.農業県長野をどう持続させるかについて

【両角友成議員】

日本共産党県議団の両角友成です。
 私は、発言通告に沿って一般質問を行います。
 初めの質問項目は、農業県長野をどう持続させるかについてであります。
 今年は新型コロナウイルス感染症の拡大により、農業と食の在り方そのものを根本から見直す必要性がある年。農業県長野をいかに持続させるか、そのための確かな一歩を踏み出すために力を尽くす必要がある年ではないかと考えています。
 現在、農業と農山村は大きな危機に直面しています。2020年、全国の農業の中心的な担い手は5年前より40万人減少し、136万人となりました。51%は70歳以上です。県内2020年の農業の担い手は、5年前より1万7,147人減少し、5万5,320人です。
 このままでは長野県農業の特徴の一つである中山間地農業、新鮮で安心できる食料の生産をはじめ、県土の保全、水源の涵養、県民の触れ合いの場の提供等、多面的で広域的な機能を有し、美しい景観、伝統的な文化など、大切な資源を今日まで受け継いできたかけがえのない地域、この中山間地での農業の衰退が一層深刻化していってしまいます。現状でも国土や環境の荒廃が進み、先進諸国で最低の食料自給率38%が一層低下することになりかねません。
 このような深刻な事態を招いたのは、米国や財界の言いなりになり、食料を外国に頼り、次々に農産物を輸入自由化し、国内農業を犠牲にしてきた歴代政権です。大企業の利益第一で、農村から土地や労働力を奪ってきた経済政策も農村衰退の大本にあります。環太平洋連携協定などで輸入自由化を強行した上、「企業が一番活躍できる国」を公言し、戦後の家族農業を支えた諸制度をことごとく壊してきました
 現政権も自己責任を強調し、コロナ禍の米価暴落に何の対策も取ろうとしない姿勢であり、危機に一段と拍車がかかるのは必至です。
 農業と農山村の未来は、農政の流れを根本から転換し、食料の外国依存をやめ、効率一辺倒ではなく、大多数の家族経営が成り立つ持続可能な農業や農山村を目指すべきです。国連も、2019年から28年を家族農業の10年に設定し、家族農業、小規模農業への本格的な支援を呼びかけ、総会の名において「農民と農村で働く人々の権利宣言」を採択しました。  あれから3年、この流れも加味しつつ、農業県長野としてのビジョンを示してほしいが、いかがでしょうか。長野県の農政を担っている農政部長に伺います。

【農政部長】

ご質問をいただきました。
 まず、国連の家族農業の10年などを踏まえた本県農業ビジョンについてのお尋ねでございます。
 家族農業は本県の農業経営体の9割を占めており、農業生産の面だけでなく、農村コミュニティの維持や農村地域の活性化などにも大変重要な役割を果たしていただいているものと考えているところでございます。
 一方で農業者の高齢化や担い手の減少が進む中、本県農業を次代に継承していくためには農地の集積集約化を進め、高い経営力と雇用人材の活用により、企業マインドを持って農業に取り組む中核的経営体の育成・確保を図ることも重要と考えております。
 このため県では、農業ビジョン、第3期長野県食と農業農村振興計画において、こうした中核的経営体が農地の約5割、農産物の産出額の約8割を占める農業生産構造を目指すとともに、中核的経営体と小規模農家、兼業農家、定年帰農者等が連携して、それぞれが生き生きと活躍し、地域の農業、農村を支える仕組みづくりを進めるとしているところでございます。
 今後も地域の農業農村支援センターによる技術経営支援や、親元就農者への定額助成、機械・施設の整備への助成などによりまして、小規模農家等の所得向上、経営発展を支援しますとともに、地域での人・農地プランの話し合いなど様々な機会を活用し、中核的経営体と小規模農家の連携の強化に努めてまいります。

【両角友成議員】

続いて伺います。新型コロナ感染症拡大の中、国は米の生産調整を農家に求め、昨年より30万トンの減産を公表しています。他方、ミニマムアクセス米約77万トンには手をつけようとしてはいません。ミニマムアクセス米は、WTOの農業協定に基づく最低輸入機会のこと。本来、輸入枠の保証にすぎません。
 しかし、日本政府は「義務」だとして外国産米を輸入し続けてきました。もしミニマムアクセス米77万トンのうち、本日、丸山議員に対する答弁でありました特殊な事情、コロナ禍の今年に限ってでも30万トンの輸入を減らせば、今、農家に求めている生産調整は必要ありません。
ミニマムアクセス米を義務だとするこの考え方に対する県の認識を、農政部長に伺います。

【農政部長】

ミニマムアクセス米の輸入に関する県の認識についてのお尋ねでございます。
 ミニマムアクセス米は、平成5年のGATTウルグアイラウンド交渉において、従来輸入がほとんどなかった品目についても最低限度の輸入機会を与えるという観点で、WTO全ての加盟国の合意の下に設定された国際貿易ルールであることから、国はミニマムアクセス米の廃止及び輸入量の削減は難しいとしております。
 国家間の協定に基づくミニマムアクセス米の輸入量については、国内外の情勢を踏まえ、国が責任を持って判断すべきものと考えますが、国はミニマムアクセス米について食用以外の家畜の飼料などとして販売し、国産米に影響を与えないよう運営するとしているところです。
 このため、県といたしましては引き続きミニマムアクセス米の運用を注視し、必要に応じて国に対して適正な運営を求めてまいります。
 以上でございます。

【両角友成議員】

WTO協定には、義務ということはどこにも書かれていないということを申し添えておきたいと思います。
 今般の新型コロナ感染症拡大により浮き彫りになったのは、グローバル化による食料システムの脆弱さ、都市過密の危うさ、人間による過度な自然開発のリスク、そして何より命をつなぐ食料を県内・国内で生産することの重要性ではないでしょうか。
 「よし、来年また作付けして農業を続けよう」と、農家の皆さんに思っていただけるような施策の確立を願い、次の質問に移ります。

2.少人数学級の実現について

【両角友成議員】

次の質問事項は、少人数学級の実現についてであります。
 政府は昨年12月、現在、1クラス40人と定められた小学校の学級編制基準を、2025年までに全学年35人以下に引き下げることを決定。小学校の学級規模の一律引下げは、実に40年ぶりの前進です。
 今、学校でも新型コロナ感染症への対応は最重要の課題です。また、地球的規模で見れば、毎年平均一つの新興感染症が出現しているとされています。少人数学級で密集・密接を避けることは、こうした感染症に対する恒久的な対策になるものではないでしょうか。30人学級、20人規模学級へと段階的に少人数学級整備していくことは、学校だけでなく地域の感染症対策としても有効な対応ではと考えるものです。
 私の地元出身で、県外の学校で校長先生を務めている方の話を紹介します。
 それは、どんな会社でも社員30名をまとめる職制・管理職はそういないはずです。学校も同様で、教室に生徒の数が20人ほどであったら行き届いた授業ができると言われました。納得です。
 この分野で一歩先んじている長野県。信州少人数教育推進事業費で、一般財源の国3分の1、県3分の2の配分は変わらないにしても、全体の予算額増が施されると考えます。県独自の出し分に加え、5年間は毎年増額される国の予算を活用し、子供たちにとってより良い教育と、いよいよ20人規模学級を目指すべきではないか。知事の見解を伺います。

【知事】

20人規模学級編制の実現に向けての見解というご質問であります。
 まず、国において小学校における35人以下学級の実現ということが決定されたことについては、個別最適な学びを実現していく、また、多様な学習活動に対応していくという観点で歓迎をするところであります。
 しかし残念ながら、令和3年度に小学校2年生で35人以下学級を実現することになるわけですけれども、全国で744人の基礎定数が増やされる一方で、加配定数が620人減らされるということで、財政的なメリットが大きく生ずるというような状況ではありません。
 したがって、これで財源が浮くからさらに少人数学級をということは、なかなかストレートに結びつかないというふうに考えています。
 引き続き、子供たちにとってより良い教育環境となるよう教育委員会とともに努力をしていきたいというふうに考えておりますし、また、教育予算の充実については、引き続き国に対して求めていきたいと考えております。
 以上です。

【両角友成議員】

現場からの声です。「少人数学級の予算確保に消極的な財務省の中には、少人数学級は学力向上に効果がないか、あっても少ししかないという反対意見があると聞きますが、そのような議論は、全てグローバルスタンダード、世界標準の教室環境を、まず整えてから言ってほしい。コロナ感染症拡大の中で長い休校を余儀なくされ、夏休みは短縮、学校行事は中止・縮小されるなど、今でも窮屈な学校生活を強いられて我慢している子供たちのために、何としても少人数学級制を実現したいと心から願うものです」と切望されています。私も同感ですと申し上げ、次の質問に移ります。

3.特別支援学校の教育環境について

【両角友成議員】

次の質問項目は、特別支援学校の教育環境についてであります。
 新型コロナ感染症拡大の中、密にならざるを得ないと思われる特別支援学校に手厚い支援が必要だと考えますが、現状と対策はどうか。
 現場からは慢性的な職員不足の中、通常業務に加え、消毒作業に追われ、児童生徒が帰宅してからも休息も取れずに仕事が続くのが実情との訴えもあります。

【教育長】

密にならざるを得ないと思われる特別支援学校の感染症対策についてのお尋ねでございます。
 特別支援学校では、基礎疾患のある児童生徒が在籍していること、指導の際に接触が避けられないことがあること、障害の特性により感染症対策の指導の徹底が難しい児童・生徒が在籍することなどから、障害や発達の状況に配慮した感染症対策を講じているところでございます。
 例えば、教職員が消毒液を携帯し、児童生徒の指導・支援のたびに手指消毒を行うとともに、教材や手すり、ドアノブといったよく触れる場所をこまめに消毒したり、手洗いやマスク着用の動画を作成し、児童・生徒が見ることで感染症対策の理解が図られるよう努めたりして、対策の徹底を図っているところでございます。
 また、学習グループの小集団化やICT機器を活用したモニター越しでの合同学習など、密を回避する取組を行っているところであります。
 こうした各校の取組を支援するため、県教育委員会では特別チームを編成して、有効な対策等の情報提供を行うとともに、スクールサポートスタッフの増員やスクールバスの増便、保健衛生物品の配備などの対応を行っているところでございます。
 今後も児童生徒の障害の特性に応じた感染症対策について、各校と連携しながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。

【両角友成議員】

本年1月、中央教育審議会は新しい時代の初等中等教育の在り方について、「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」と題し、文部科学省に答申をしました。
 経過は、学校教育法で定められた学校の中で、唯一特別支援学校だけ国は設置基準を設けず、教室不足になっても法令違反とならないことから、都道府県が積極的に学校を整備しない問題がありました。
 そこで答申では、国として特別支援学校に備えるべき施設等を定めた設置基準を策定することが求められると明記。教室不足については、特別支援学校の新設や増築、他の学校の余裕教室を特別支援学校の教室として確保するなどの施設整備を求めています。
 特別支援学校の設置基準の策定は教職員と保護者の切なる願いであり、私たちが長年にわたり求め続けてきたことです。特別支援学校の過大・過密の解消につながるものとして期待をしています。
 しかし、策定される設置基準が現状を追認するような基準では意味がありません。設置基準に児童生徒数や学級数の上限、在籍数や学級数に応じて必要な校舎の面積を示すことが必要です。
 また、必要な特別教室や障害種に合わせた施設・設備を示すこと、過密になっているスクールバスの改善、1時間以上の長時間通学の解消も必要です。
 答申には、他の学校の余裕教室を特別支援学校の教室として確保することが教室不足解消の方法として挙げられていますが、余裕教室の利用では抜本的な改善にはつながりません。設置基準の策定と併せて、国として特別支援学校の新設・増設に対する十分な予算措置を行うことが求められます。
 設置基準に、教職員や保護者、卒業生も含めた生徒たちの現場の声を反映させ、定期的に見直すことができる規定を設ける必要があるとも考えます。国の動きに対する見解と、県教委としての方針を教育長に伺います。

【教育長】

国の設置基準策定の動きに対する見解と県の方針についてであります。
 議員ご指摘のとおり、中央教育審議会では「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」というのを取りまとめ、本年1月に国に対して答申がなされたものと承知しています。
 その中で、障害のある子供の学びの場の整備、連携強化において、国の取組の推進が求められており、今後、特別支援学校の設置基準等について国の方針が示されるというふうに考えております。
 現在、県教育委員会では、これからの特別支援学校の学びの在り方とこれを支える環境整備の基本的な考え方を示す長野県特別支援学校整備基本方針の策定を進めているところでございまして、国の設置基準策定等の動向を注視しながら、本県の特別支援学校の計画的な教育環境の改善に努めてまいりたいというふうに考えております。

【両角友成議員】

県内の特別支援学校の現場からは、教職員が足りない。県教委の努力で改善されてきているが、今年度でも標準定数より県内126人マイナスなのが現状。昭和40年から60年代に建設されたものが多く、学校施設の老朽化が著しい。今、改築計画が進められている松本、若槻養護以外は修繕でしのぐとの話もある。敷地が狭くグラウンドにプレハブ校舎がある状況。長野養護は職員の駐車場も確保できていない。中信地区のろう学校と寿台養護学校の異なる障害種の寄宿舎が一つにされ、災害時の避難の仕方等で課題も残る。高等部の学ぶ内容が、ややもすると就職を前提としている向きがあるが、どう発達させるかが重要ではないかなどなど、現場からこのような声もあるが、どのように特別支援学校の教育環境を改善していくか。見解を教育長に伺います。

【教育長】

特別支援学校の教育環境の改善についてでございます。
 議員ご指摘のとおり、本県の特別支援学校は施設の老朽化とともに
、児童・生徒の増加に伴う狭隘化への対応や、障害の多様化等に応じた学びの充実等が課題であるというふうに認識しております。
 教職員定数、教職員数については、自立活動担当教員を平成26年度から7年間で132名を増員して解消に努めてきております。
 また、老朽化については平成28年度から修繕・改修予算を約3倍にして計画的に対応するとともに、児童生徒の増加に対しては、校舎の増築や分教室の設置、特別支援学校の再編整備など、現場の声をお聞きしながら順次対応してきたところでございます。
 現在、ご指摘にありました寄宿舎の在り方、あるいは高等部の教育の在り方を含め、先ほど申し上げました「長野県特別支援学校整備基本方針(案)」を策定し、広く県民のご意見をお聞きしているところございます。
 今後、この基本方針をもとに、計画的に特別支援学校の教育環境の改善に努めてまいりたいというふうに考えております。

【両角友成議員】

答弁にありました「長野県特別支援学校整備基本方針(案)」、28ページからなるものを私も目を通させていただきました。
 今年2月18日まで1か月ぐらい行われたパブリックコメントでも、多くの意見や提案が届いているやにお聞きしています。
 特別支援学校が児童・生徒にとって最善の学び舎になることを願い、質問といたします。
 ありがとうございました。

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