村井知事は就任当初から、長野以北の並行在来線の鉄道資産譲渡については「将来見込まれる収益に見合った価格」を主張され、早速長野市長などとともにJR東日本本社社長との交渉に臨んでいただきましたが、長野――篠の井間の取り扱いを含め、困難な事態が報告されています。もともと、しなの鉄道区間の半分以下の輸送密度しかなく、その上豪雪地帯で経費もかかる長野以北の信越線で、鉄道を存続させるために、知事の言われる「将来見込まれる収益に見合った価格」であれば、鉄道資産は無償譲渡しか考えられず、それでも採算の見込みはありません。果たして、並行在来線の鉄道としての存続の見込みはあるのでしょうか。長野以北の新幹線は建設費に641億円もの長野県の地元負担もあるのに、在来線存続の何の保障も無いまま、新幹線の建設が進んでいっていいのでしょうか。
もともと、「政府・与党の申し合わせ」という国の政策決定から生じている困難にもかかわらず、公共交通等調査特別委員会への報告によれば、1月12日の知事の要請行動の際には、国土交通省は「要請事項に直ちにこたえるのは難しい。」、総務省は「要請事項については、今後検討させていただきたい。」「地方鉄道について、国と地方の役割分担がはっきりしていないことが問題である。」などと、全く人ごとの対応です。「政府・与党の申し合わせ」が撤回されない以上、国の具体的な財政支援が無ければ、並行在来線の存続は不可能だと思いますが、知事のご見解はいかがでしょうか。存続への見通しと決意をお伺いします。
村井知事答弁
(長野以北の信越線存続)
長野以北並行在来線の存続に対する質問でございます。
私は長野以北の安定的な経営のためには、第一にしなの鉄道の軽井沢・篠ノ井間の場合は、簿価で購入したものでございます。これにつきまして収益還元金など適正な評価が行われた、そこで買うというようなことがいるのではないか。それから二つ目にはある意味では収益が非常にあがっております篠ノ井・長野間の取り扱い、これの見直しをはかること。それとさらには国の何らかの財政支援、こういったことが大切なんだろうと考えております。
この3つの項目につきまして私自身、1月に長野市長始め沿線の首長の皆様とともに国及びJR東日本に対して要請活動を行った経緯がございます。その結果、JR東日本との間には、協議の場を設けることが確認されまして、早速、事務的に話し合いを開始したところでございまして、私も必要であれば話し合いの場に出席しねばり強い協議をすすめてまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。ただ、3番目に掲げました国の財政支援措置の問題では、国土交通省、総務省いずれも、とりあえずの反応といたしましては、もとよりいい話がでてきているわけではない。ただこれにつきましては、長野県と青森県が中心になりまして関係12道県での合同要請活動を行うということで、準備をすすめている問題でございまして、いずれにいたしましても服部議員から先日、ご質問がありました際に、私申し上げましたけれども、平成9年に長野県が沿線市町村の皆様と交わした確認書に基づきまして、長野以北は存続させていかなければならない、そういう考えでこれからの対応をしてまいりますので、議員各位のさらなるご協力を賜りますようにお願い申し上げるばかりでございます。
ぜひ鉄道として存続できますように、よろしくお願いしたいと思います。
昨年末にオープンした長野市のトイーゴは、SBC、長野市、地権者等が再開発事業の組合を作り、街なかに必要な商業施設や生涯学習センターとメディアの複合施設を整備し、活力を失った中心市街地に、まちの顔としての賑わいを取り戻すとともに、周辺地域への波及効果も期待して事業が進められてきました。再開発事業組合に補助を行なう市町村に対して国庫補助3分の1以内、国庫補助対象経費の10分の1以内の県の補助制度もあります。
トイーゴの場合は、SBC本社を含む事務所棟、商業棟の銀座A―1地区が事業費約81億円、立体駐車場の銀座D―1地区が事業費19億円、総事業費100億円に対し、国、県、長野市で合計約22億円の補助金、そのうち県としては3億3000万円の補助金がでています。実際には、広場整備費や道路整備費、生涯学習センターのための附置義務駐車場の買い上げ費用などを含めて、総事業費約101億円に対して、再開発組合負担約60億円、税金投入は実に41億円です。
ところが、せっかく多額の税金を投入してオープンしたトイーゴですが、長野市民の評判が余り良くありません。生涯学習センターの場所がわかりづらい、駐車場は生涯学習センター利用者でも1時間200円で有料である、商業施設へのお客さんの入りが今ひとつで、すでに2階のフロア―の婦人服のテナントは撤退してしまい、他のテナントの撤退のうわさも出ていて、このようなことが続けば、テナント収入の無くなる分、結局は長野市民の税金で穴埋めさせられる結果になりかねないと早くも心配されています。
すでに、長野市民のなかからは、多額の税金を投入してのこのような市街地再開発事業のやり方が、本当に中心市街地の活性化に役立つのだろうかという疑問の声がでています。
市街地再開発事業のあり方と県の役割について、住宅部長の見解をお伺いします。
井澤住宅部長答弁
(トイーゴ)
市街地再開発事業のあり方と県の役割についてお答えいたします。
近年、人口の郊外への流出、学校、病院などの公共公益施設や大型郊外(店の)立地が相次ぎ、まちなかの空地や空き店舗が増加いたしまして、まちなかというべき中心市街地の衰退、空洞化が深刻な問題となってきております。こうした課題への対応といたしまして、市街地再開発事業は、民間の活力を活用し、中心市街地や駅前を始めとする中心市街地におきまして利害関係の調整を行いつつ、共同ビルや住宅を建設する事業であります。都市施設を整備し、活力あるまちづくりを推進するための有効な手法でございます。
このような中、昨年、市街地の郊外への拡散を抑制するとともに、まちの機能を中心市街地に集約したコンパクトでにぎわいのあるまちづくりの推進をはかるため、中心市街地活性化法をはじめまちづくり3法が見直されました。本来、再開発事業などのまちづくりは市町村が地域の方々と共同しながら主体となって個性あるまちづくりを推進していただくことが重要であると考えておりますが、県といたしましても市街地の活性化などの土地の再生や、災害に強いまちづくりは重要な課題でございます。
このため県におきましては、これらの事業が円滑、かつ適切にすすめられるよう意欲ある取り組みを行う市町村にたいしまして助言、支援を行っているところであります。特に今後におきましては、まちづくり3法の趣旨をいかしましてまちなか居住を推進するための住宅建設や、にぎわいを創出する店舗等の導入、また多くの方が利用できるような公益的施設の建設などによりまして、より地域と調和し、住民の方々に密着した事業となるよう誘導してまいりたいと考えております。
なおご指摘の長野銀座A−1及びB−1地区につきまして、いわゆるイトーゴにつきましてでございますが、昨年9月のオープン以来、ほぼ当初の見込み通りの需要がはかられていると聞いております。あっ、すいませんトイーゴでございます。
たまたま、私たち県会議員に毎月いただいております国土交通省北陸地方整備局監修の、この「ほっとほくりく」という冊子の2月号が、「中心市街地活性化へのとりくみ」特集でした。ここでも、歩いて暮らせるまちづくり、公共交通機関を中心としたまちづくり、街なかで暮らせるまちづくりがキー・ワードとなっています。
中心市街地の活性化は、それぞれの町の歴史や文化、立地条件の独自性もあり、一律にはいかない問題だけに、県の支援の中身として、いっそうの情報提供や、知恵を出す支援を強めていくべきではないでしょうか。
井澤住宅部長答弁
中心市街地の活性化は、議員のご指摘のように一律にいかない問題だと、私も認識しております。従いまして市町村が地域の方々と十分な意見交換を行い、推進していく、こういったことが非常に大事だというふうに思っております。そして、その事業がそれぞれの地域の歴史や、文化を踏まえ、個性を生かしたものであることが、また重要なことだというふうに思っております。事例を申し上げますと、県下におきましては地域の方々とまちづくり協定を結ぶなど、古い町並みを生かした環境整備が数多く行われているという状況がございます。そういった状況でございますので、県におきましても一層の情報を提供いたしますとともに、中心市街地の活性化に意欲を持って取り組みを行う市町村に対しまして助言・指導を行い、独自性のあるまちづくりがすすむように努力してまいります。
産科医師の不足により、お産のできる病院が減っている問題の解決策のひとつとして、助産師の活用について、私たちも繰り返し提案させていただいてきましたが、新年度予算で院内助産所の支援などに具体的に取り組んでいただけることを歓迎します。
産科医師不足の中、正常産を扱う助産所を医療機関が支える体制作りを効果的に進めてほしいと思いますが、課題と、県としての支援策について、衛生部長にお伺いします。
渡辺衛生部長答弁
(助産師の活用)
助産師を活用することに関する課題と支援策についてお答えします。
産科医不足については、現在、産科・小児科医療対策検討会で、ご議論をいただいているところでございますが、その緩和策といたしまして医師と助産師が役割分担を担う院内助産所や、助産師外来が有効であると考えております。しかし、これらの施設は医師のバックアップ体制が不可欠でございます。また、病院管理者の理解を得ること、助産師自身も積極的に関わってもらう必要がございます。
県といたしましては、新たに関連団体などと協力いたしまして、助産師支援検討会を設置し、助産師間の連携強化、助産師に対する支援策の検討をはじめるとともに、院内助産所や助産師外来の開設促進に向けた研修会を開催することとしております。産科医不足の緩和策のひとつとして助産師のみなさんのご意見をお聞きしながら、医師と助産師が共同して行う…を実現してまいりたいと思っております。
今、深刻な医師不足の中で、医療の集約化ということが主張されています。とりわけ、人の命を生み出す営みには、より人間的な環境が必要だと思います。昨年5月の県の衛生部の調査によりますと、長野県内の分娩を取り扱う産科施設は53施設、医師一人当たりの扱う出生数は105人で全国20位、県内10の医療圏別にみれば、医師一人当たりの出生数が最も少ない松本の64.3人に対し、上小は188.6人と3倍近い開きがあります。しかし、だから、集約化、と安易に走らないでいただきたいと思います。上田市産院が存続の危機にひんしたときに、お母さんたちのあれだけの運動がおこったのも、ユネスコの「赤ちゃんにやさしい病院」の認定を受けるような、助産師さんたちの家庭的なケアが大きな魅力となっていたわけです。飯田下伊那地方の200人を超える妊婦や若い母親からのアンケートをとりくんだ「心あるお産を求める会」の調査結果によれば、出産を飯田市立病院に集中させることには反対77%、賛成7%、助産師を中心としたバースセンター設置構想は賛成64%、反対14%です。
助産師の活用につきましては、どうか、いっそうの光をあてていただきますように、知事のご見解を伺います。
村井知事答弁
産科医不足の緩和策として助産師におおいにご活躍いただくことは、大変大切なことだと思っております。
先ほど、衛生部長からお答えしましたように、産科・小児科医療対策検討会で産科医師不足問題について、ご議論をいただいておりますが、医師と助産師の役割分担を行う院内助産所や助産師外来が有効といったご議論も非常におもんずべきことだと思っておりますが、いずれにしてもこれら医師のバックアップ体制が不可欠でありまして、また、病院管理者の理解はもとより県内の助産師の方に長野県の現状を知っていただいて積極的に関わってもらうことは、先ほど衛生部長からお答えしたとおりでございます。
県といたしまして新たに関係団体と協力いたしまして助産師支援検討会を設置し、助産師間の連携強化や、あるいは助産師に対する支援策の検討をはじめるとともに、こういった院内助産所や助産師外来を開設促進に向けた研修会の開催などもやってまいりたいと考えております。私も9月の議会でしたか、確か石坂議員にお答えしたことですが、昔はいわゆる家でお産婆さんにお世話になっているというような、私自身もそういう形をとったわけでございますけれども、それが今はちょっと変わってきたということ、という状態も押えながら助産師の皆様の力も借り、医師と共同して助産を実現してまいりたい。このような考えでございます。
衛生部長、知事からそれぞれご答弁いただき、ありがとうございました。確認の意味ですが、心あるお産を求める会のみなさんが衛生部長と懇談した時にも、自分達はアンケートでそのような結果を出したけれども、できれば県として実態調査に取り組んでほしい。そんなご要望もあったかと思います。
ただいま知事からは、検討会の設置や、…踏み込んでご検討いただけるというお話がありましたけれども、私が心配しておりますのは、新しい法改正におきまして助産師さんが力を発揮するという意味では、良い意味での医療機関との連携が今まで以上にしたいと、これから嘱託医、連携医療機関と…必要になっていくわけですよね。そういう意味で医療を提供する側の良い意味の連携と併せて、お産をする側ですね。母親、若い女性たちを含めた、そういうお産をする側のみなさんの意見が反映できるような、そういう検討会の検討であってほしいと思いますが、その辺いかがでしょうか?
渡辺衛生部長答弁
ただいまの議員ご指摘のとおり、身近なところで安心して安全なお産ができる、こんないいことはないと思います。ただ県の産科の状況を見ますとそんなことを言っていられないくらい危機的な状態にございます。いまの産科・小児科医療体制の検討会が開かれておりまして、たぶん3月中にはある程度の方向性が出されると思いますので、それを受けまして各医療圏ごとに、じゃあ自分の体制をどういうふうに再構築していくのかという検討会を設ける予定でございますので、そこのところにはぜひお母さん方にも参加していただきながら、より良いお産を目指していく体制をつくっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
浅川の下流の長沼地区では、昨年7月の豪雨でも、幹線排水路の内水災害で道路が長期間水没して池のようになり、車の通行も不可能になるなどの被害が発生しました。昔から「長沼の水回し」といわれてきた、千曲川に流れ込めない水による内水被害の解決こそ下流の皆さんの願いであり、新幹線車両基地建設時の確認書にこめた願いも、まさにそのことにあったのではないでしょうか。浅川で毎年のようにおこる水害は下流の内水災害であり、上流にダムを造っても治水効果は薄いのではないでしょうか。
私は、知事の穴あきダム建設の方針が発表されて以降、長沼、豊野、古里、吉田、浅川、上松などの多くのお宅をお訪ねして、住民の皆さんの声を聞いてきました。下流のみなさんも、100億円をダムに使うなら、内水対策や千曲川の改修にこそ、そのお金をかけてほしい、と多くの人がおっしゃっています。治水対策は、もっとも困っていることの解決から優先するべきで、上流にダムを造るより、下流の内水災害対策、下流域への遊水地の設置、都市型水害対策、千曲川の抜本改修こそ優先するべきではないでしょうか。
以上の2点を土木部長にお伺いします。
原土木部長答弁
(浅川治水)
浅川の治水対策について2点お答えをいたします。
まず下流域の内水災害に対してのダムの効果というご質問でございますが、すでに毛利議員の代表質問の際しましても、お答えしておりますとおり、浅川流域における水害の実態を勘案したうえで、外水対策と内水対策を分けて浅川の治水対策の方針を決定をしております。治水専用ダムは、浅川本川の水害から地域の安全を守るための施設であり、下流部における内水対策といたしましては当面最も効果があり、おおむね床上浸水被害を防止できる浅川排水機場の増強、これを河川整備計画に位置づけまして着実に実施をしてまいります。
次にダムをつくるより他の施策がいかがかということでございますが、まず外水対策につきましては、ダムを前提といたしまして昭和52年から河川改修を継続してすすめてきておりますし、また、災害の発生した際には、周辺に与えるダメージは外水のほうがはるかに大きいものとなりますので、治水専用ダム、河川改修を優先的に実施してまいります。また、浅川に関しましては、内水に関しましての被害も甚大でございますので、この外水対策とは別に内水対策として、最も有効な浅川排水機場の増強を河川整備計画に位置づけ実施をしてまいります。遊水地の設置、都市型水害対策については、今後地域の皆様との話し合いや検討が必要であり、また、関係機関がそれぞれ対応していかなければならないものでありますので、現段階では具体化できるものではございません。
最後に千曲川の改修につきましては、立ヶ花狭さく部の抜本的な改修については、下流域との整備バランスや予算の関係から、相応の時間を要するものでありますが、無堤地区の解消など緊急に対応すべき課題に対しましては、国とともに着実にすすめてまいります。
浅川の実態に合わせてということですので、改めてお伺いします。最近の記録に残る浅川の水害で、明らかに主要に外水によるものがあったのでしょうか。かつて浅川ダムのパンフレットの表紙にも航空写真が使われた58年、59年、平成7年はじめ、ほとんど典型的な内水災害だったのではないでしょうか。お答えください。
また、ダムより上はほとんど森林地帯で、集水面積は全体の約4分の1、ダムより下が人口密集地で、雨が降れば一挙に浅川に流れ込むわけですから、…その浅川は、かつての天井川とは大きく様変わりしまして、県のご尽力、改修によりまして約8割の改修が終わり、基本的に掘り込み河川となっているわけです。(略)…下流の水害に、ダムはほとんど効果が無いのではないでしょうか。
先日も千曲川沿川の小布施町、旧豊田村、中野市の現地を見てきましたが、小布施あたりでも、河川敷のりんご畑に作られた地面から2mはあったという消毒用の井戸が今は地面から1m近く下に埋まってしまっていたり、りんご畑より高かったはずの農道が、今では道路のほうが畑よりかなり低くなってしまったり、千曲川沿いのガードレールの半分は泥に埋まっていたり、千曲川の堆砂は深刻な事態です。排水ポンプの能力アップだけでは、千曲川が持ちこたえられず、限界、悪循環です。この問題の解決のほうが、…(略)つまり抜本改修にいまいかなくても、日常的な千曲川の川ざらい、滞砂の取り除き、…(略)ダム建設よりはるかに優先されなければならないのではないでしょうか。
原土木部長答弁
(略)過去から同時に未来を予測して適切な対応をするというそういうことで、私ども、やっていきます。
それから、次にダムは効果がないということでありますが、ダムは効果がないと申し上げておりますのは、前回からの説明のとおりであります。しかしながら、浅川の合流部分での水門が閉まる時間、それとの関連で若干の効果の大小がございます。ダムについては外水でございますので、基本的に内水とは別に対策をしてまいります。
千曲川の滞砂の問題は、これは当然、私どもも、立ヶ花の狭さく部、現在、千曲川の工事事務所でも、掘削をやっていただいております。このような形で、常日頃要請を行いますし、また、堤体につきましても、いま災害復旧等で補強してございます。こういうことで千曲川については、非常に強化がされているというふうに思っております。それぞれの河川管理者がそれぞれ持分の所を一生懸命やるという、そういうことで一緒にやってまいりたいと思っております。
最近の記録に残る水害で、外水が主要な原因による水害があったのですか?という質問に、あまり具体的に答えていただいてないと思っています。私達も先日、改めて見てきましたが、例えば吉田のたつみ公園のそばの、昔の河道が残っております。あそこは、昔は自殺の名所といわれたそうです。なぜならば信越線の列車の上を、浅川が流れていた。その川は道路からすぐに入れる川です。川から下に向かって列車に飛び込めば自殺ができた。その川が今は10メートル以上切り下げになりまして、先ほどお話した掘り込み河川になりまして、あふれることは基本的にはない、こういう川になっているわけで、58年、59年、平成7年などとあげましたけども、その災害の主要な原因が外水だったのですかということにお答え下さい。
原土木部長答弁
先ほど、あの〜、河川を低くして、天井川を解消したというふうに、これは今の100分の1、450トンに対応して改修をしておるんであります。この効果を最大限に、最終的に発揮するのが、今のダムとの、相乗効果をもって、解消されるという、そういうことで河川改修と、ダムとが一体となってやっております。と同時に、57、58につきましては内水災害がございまして、それに対しまして現在、排水機場のポンプアップなど必要な対策をいま整備計画に盛りこんでございます。
ちょっと、わかりづらい答弁でしたが、外水が主要な原因ではなかったというお答えと受けとめさせていただきました。つまり部長自身も先ほどお答えになりましたけれども、いま無理やりダムを優先して作っても、それで下流でほとんど毎年起こる内水災害には、ほとんど治水効果がないわけなんですよ。なぜそれを優先して急がなければならないのかっていうことは、住民が納得できない最大の問題だというふうに思います。で、千曲川の問題なんですが、私達、最近行って見まして、毛利議員が代表質問でご紹介いたしましたけれど、災害復旧ということになりますと、やっとお金がついて、今の立ヶ花のすぐ上のところは土砂の大掛かりな浚渫が行われていますし、いままで無堤防だった旧豊田村の替佐地区のところは堤防も立派にできつつありました。しかし日常の河川管理のお金はほとんどないじゃありませんか。千曲川事務所の。そこのところをもっとこまめにつけていただくことが、税金の投入効果としては極めて効果があり、下流のみなさんが日々苦しんでいる、毎年苦しんでいる内水災害の非常に…、なおかつ水門を閉め、ポンプで上げなければならないという、千曲川との関係で宿命的に起こっている、今の水害を軽減する有効な手段で、100億円をかければ、そのことにかければもっともっと喜んでいただけるじゃないかと言っております。いかがでしょう?
原土木部長答弁
100億円を千曲川の改修にかけたらいいかがという(提案は)、これはできません。それと同時に、私どもはそれぞれ責任する河川管理者として、それぞれの持分を一生懸命やってまいりますので、そういうなかで最大限の安心、安全というものを…してまいるということでございます。
できませんということは、もちろん制度上のいろんなことで制約があるということは、私もわかって質問しております。しかし、日常的に苦しんでいる水害の解決のための仕事はできない。そして、この後申し上げますが、様々な点で安全性に納得のいかないダムは早く手をつける。こういうことで本当に県民のみなさんが納得するでしょうか?
改めて12月6日、議会の始まる前日でした。国土交通省河川局に日本共産党県議団がお邪魔をいたしまして砥川方式、つまり誰もが納得できる遊水地、内水対策、千曲川との関係の解決、このことに主要な力をおいて、当面ダムは、この後お話しますが、安全性の調査や、基本高水の再検証などののち、20年後の問題として位置づけていく、そういう河川整備計画はあげてはだめでしょうかと、砥川でよくて、なぜ浅川でだめですかと、お伺いいたしましたら、国土交通省河川局は、県がそういう計画をあげてくれば認可しますよとおっしゃいました。そういう計画を直していただきたいことを問題提起しておきたいと思います。
それでは知事にお伺いいたします。
浅川の治水安全度100分の1、基本高水450トンを将来目標とすることを当面私たちが認めていますのは、浅川の場合、計画策定時の調査不足により、流量観測のデータを取らずに計算して、基本高水を決められてしまっているからです。その当時から30年がたち、浅川沿川は人口密集地となり、大きな環境の変化があるなかで、30年前の計算値がそのまま通用しないことも明らかです。昨日、知事は、駒沢川の基本高水は流量調査の結果を待って見直すと答弁されました。浅川についても、優先課題から実施しながら、基本高水を実測データで検証し、見直すことは県民の生命、財産の安全を守る知事として当然のことだと思いますがいかがでしょうか。
また、22日の流域協議会での、このパワーポイントの説明資料を拝見する限り、ダムサイトの部分が安全との説明だけにとどまっています。
毛利議員の代表質問に、知事は、「大滝ダムは大滝ダム、浅川とは別の話」と答弁していますが、説明になっていません。大滝ダムも3500億円もかけて立派なダムが完成しましたが、ダムは無事でも、ダム湖から4キロも上流の集落に多数の亀裂が入って住めなくなり集団移転し、その後も次々に亀裂が発生して地すべり対策が繰り返されているんですよ。浅川で、そうならないという保障があるのですか。私がお会いした長野市内の最大手の建設会社に3年前まで勤務していたというある技術者の方は、「八櫛トンネルの設計と工事の監督をやったが、とてもダムを造るような地盤、地質のところではない。」と言われました。地附山地すべりでは、26人のお年寄りが亡くなり、今日も傍聴にきていただいていますが、家や財産を流された人たちもいます。あの地すべりは、裁判で県の責任だったと確定しています。安全性の調査も責任を持って行ない、少なくとも、問題点を指摘している専門家を交え、公開の場で県民に説明責任を果たしてください。基本高水の検証、安全性の調査と説明責任、この2点を、知事に見解を伺います。。
村井知事答弁
(安全性)
浅川の基本高水流量については、これまでに十分な検討が行われており、これ以上時間を費やして、基本高水決定のためのデータ収集や、検討は行う必要はないと判断しております。これまで目標としておりました治水安全度100分の1、基本高水流量毎秒450トンを踏襲し、流域にお住まいの皆様の生命、財産を守るべく着実に治水対策をすすめてまいります。
また、ダムサイト周辺の地質につきましても、従前のダム計画に際して、十分な調査を行い、安全にダムが設置できることを確認いたしておりますし、長野県治水・利水ダム等検討委員会から指摘された断層に関しましても、その後の検討で間違いない旨の確認をいたしております。今後はこれらの内容につきまして、地域の皆様にご理解をいただくよう十分な説明を行ってまいりますので、議員におかれましてもご理解をいただきたいと存じます。
納得できない結論をどんなに説明しても住民は納得しないということを申し上げておきます。
最後に、河川整備計画の認可にいたる過程の中で、住民の意見を反映する手続きをどのように考えているか。聞いた意見は、どのように生かすのか、アリバイ的でない答弁を知事にお伺いします
村井知事答弁
(住民参加)
平成9年に河川法の改正が行われまして、新たに河川整備計画の策定が義務付けられました折りに、この制度のなかで住民参加が新しいテーマとして加えられた、このことは良く承知をしております。
この河川整備計画の中の住民参加という制度は、つまり地域の皆様の意見をよくお聞きするとしておりますのは、まずは河川管理者として治水対策のあるべき姿を原案として作成しまして、そして原案に関して流域や、想定氾濫区域内の皆様に、さらには専門的知識を有する学識経験者のご意見を聞くとするものであります。河川法第16条第4項では、住民の意見の反映につきまして引用いたします。「河川管理者は、必要があると認めるときは、公聴会等、関係住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。」このように定めております。私は河川管理に、河川管理者に義務付けられておりますのは、意見を反映させるために必要な措置を講ずることでありまして、関係住民の意見を十分検討したうえで、計画の案をどのようにすべきかを河川管理者は判断することであるとこのように解釈しております。浅川につきましては、この法の趣旨に則りまして地域の皆様の意見を真摯にお聞きし、そのご意見を踏まえて河川管理者として責任のある判断をしてまいるつもりでございます。
なお、私の就任以来、ご意見をお聞きする会や、それから先日、浅川流域協議会に出席させていただきました。地域の中にもいろいろなご意見がございまして、改めて河川管理者が責任ある判断を行い、この内容について十分に説明をしていく必要があるとは、よく認識しております。そしてまた、先般の流域協議会におきましてもかなり丁寧なご説明をしたと、認識しております。
くれぐれも納得のいく民主的手続きですすめていただき、強引な結論を押しつけることだけはやめていただくようお願いいたしまして、すべての質問を終わらせていただきます。