2010年9月定例会   10月14日  高村京子

議第1号 平成22年度長野県一般会計補正予算(第2号)案 賛成討論

 議第1号、平成22年度長野県一般会計補正予算(第2号)案について、賛成の立場で討論をいたします。
 今、9月県議会に提案された一般会計補正予算額は、120億2534万円です。

 補正予算のなかみは、急激な円高等による県内経済への影響に機動的に対処するための道路・砂防・治山などの砂防事業や道路、河川の維持補修、高校の耐震化事業・「緊急円高対策資金」の創設など中小企業経営支援、緊急雇用創出、そして7月8月の豪雨による被害地の速やかな復旧事業、などであり基本的には賛成の立場です。
 しかし、議第5号にかかわる広域連合「長野県地方税滞納整理機構」設立準備費466万8千円については、賛成できません。地方税滞納の背景には、厳しい経済状況の中、雇用不安や営業不振が続く上に、各種税金や健康保険料等の負担が増えている問題があります。個別の自治体できめ細かな対応をすることこそ必要であり、強制的な税の徴収によって、滞納者をさらに追い詰め、生命・財産を脅かしかねない「長野県地方税滞納整理機構」の設立準備経費については賛同できかねることを表明しておきます。

 その上で、事業内容を見ますと、切れ目のない経済対策として、国の経済対策を取り込んでの補助公共事業費23億7千334万7千円、道路・河川などの維持修繕工事を中心とした県単独事業費32億8349万円、県立高校の耐震化や学校、社会福祉施設の維持修繕等、前倒しでの実施費用5億8194万円、さらに7月8月の梅雨、ゲリラ豪雨災害への対応として、補助公共事業費28億3百67万5千円、県単独公共事業費14億5千671万円での道路橋梁修繕・河川改修・砂防・治山等の復旧工事、上田千曲高校・上田高校の校舎屋根復旧工事2173万5千円などが盛り込まれています。
 このような工事は、災害時にご尽力いただいた地元建設業者など地域業者の受注が確保され、地域経済への潤滑油となります。
 私ども共産党県議団は、地域密着型の公共事業への予算づけを優先するよう、9月16日に阿部知事にも申し入れを行っており、歓迎するものです。

 また、中小企業への支援として、企業測量分析器の更新や、すでに9月から設置されている緊急円高対策連絡会議や相談窓口の設置、「緊急円高対策資金」の創設。雇用の安定対策では、緊急雇用創設資金の活用10億8百42万8千円をあて、県で543人、市町村で756人計、1299人の雇用を確保する計画です。
 経済不況の中、元請け企業からいっそうのコストダウンを迫られる中小零細企業の支援や、仕事を探しても仕事に就けない人々に一人でも多く雇用の機会を提供する事業として歓迎しますが、いっそうの取り組みが必要と要望します。

 子育て支援の充実として児童虐待や不慮の事故に対する防止対策の推進とともに、市町村が行う保育所等へのAED(自動体外式除細動器)の助成2億5千428万3千円が盛り込まれており賛成の立場ですが、子育て支援や児童虐待への対応については、保護者・家庭、児童相談所や保育、教育、医療福祉などの関係機関とともに連携して、支援対策事業のいっそうの充実を求めます。

 今きびしい経済・雇用情勢と閉塞感の中で、県民は安心して暮らせる、希望ある県政を求めています。スタートした阿部県政が、そんな県民の期待に応えるため、いっそうの施策の充実を要望しまして、9月補正予算案の賛成討論といたします。