No.16 2006年4月
2006年度当初予算に賛成─県民のくらし応援予算と評価

 新年度の県の予算の中では、ますます広がる格差社会、介護保険や医療費の負担増、定率減税の廃止をはじめ、県民の暮らしにも冷たい風が吹く中で、県民応援減税がスタートします。
 障害者や母子家庭の母親を雇用した資本金1000万円以下の中小・個人業者の事業税が10万円上限で減税になるほか、障害者用の自動車税の免除などで総額約5億円の減税が実施されます。また、乳幼児の医療費の無料化制度は、小学校入学前まで、所得制限なしで実施されることになり、大きく前進しました。
 一方、組織再編に伴う県庁舎改修予算、廃棄物条例関係予算、県の広報費などが賛成多数で削除されました。日本共産党は削除に反対しました。
 始まった県政の改革が後戻りしないように、県民の願いが届く県政の前進を願って、力を尽くます。

税金の使い方が変わる
   ─社会保障予算が公共事業予算をうわまわり、逆立ち財政の是正始まる!

     90年代の長野県は大型公共事業最優先で、公共事業(土木・農政・林務等)に4000億円、社会保障に1200億円。日本共産党県議団は、一貫して社会保障予算を増額するよう提案。2006年度予算では、公共事業に1340億円、社会保障に1400億円と、ついに逆転しました。予算のトップは土木費から教育費に替わり、民生費が増え、農林費は大型公共事業分が減少しました。

100条委員会

    県民そっちのけで「政争の具」に
     田中知事就任以前から県の下水道事業に、県内業者が優先的に参入できるようにして欲しいとの要望がありました。ところが、元知事後援会幹部が同様の要望をしたことを記録したメモが私的文書として破棄されたことについて、100条委員会では、知事の直接の指示かどうかは確認できなかったのに、「言外に指示した。」という推測で「偽証」を多数決によって告発しました。とても告発などに値するものではありません。

    知事も襟を正すべき
     しかし、知事後援会幹部を頻繁に県庁内に出入りさせていたことや、後援会のお金の使い方が誤解を生み100条委員会設置につながったことは知事も反省すべきと指摘。

    ◆オリンピック帳簿焼却処分等にかかわる100条調査委員会設置!
     今回、日本共産党県議団がかねてから提案し、県民の願いでもあった「オリンピック帳簿焼却等にかかわる100条調査委員会」設置の決議が賛成多数で可決されたことはおおいに歓迎できます。

「高校統廃合」の強行には反対です

     強引なすすめ方に批判が強まっている「高校統廃合」については、県教育委員会が、あくまで平成19年度実施にこだわり続けていることには反対です。
     当事者である高校生、中学生や県民の声を生かす高校改革を求めていきます。


県民の目線でみなさんの声を建設的に提案

■総務警察委員会

石坂ちほ

県の予算の重点を、教育・福祉・くらし優先に

     日本共産党は、全国で2番目にひどい長野県の借金財政の原因が、大型公共事業最優先の予算の使い方にあることを指摘し、公共事業の重点を生活密着型に切り替えて、教育・福祉・くらし優先の予算にしながら、借金は減らせることを、繰りかえし提案してきました。
     この提案は、県の「財政改革推進プログラム」に生かされ、新年度予算では、ついに、公共事業費と社会保障費が逆転しました。税金の無駄使いをなくし、節約につとめ、借金を減らしながらも、切実な県民要望が、よりいっそう実現できるように、ひき続き、必要な指摘や提案を行なっていきます。

女性管理職の積極的な登用を

     「長野県男女共同参画社会づくり条例」にもとづき、まず、女性管理職の登用率が全国最低の小中学校の校長・教頭や県の職員の女性管理職の登用率を高める努力を繰り返し求めてきましたが、2005年度に開かれた新しい男女共同参画審議会でも、早速この問題が議論され、新年度の学校人事で、具体的な前進が始まりました。まだまだ遅れている分野であり、ひき続きがんばります。


■社会衛生委員会

高村京子

子育て支援―乳幼児医療費 就学前まで対象年齢拡大 所得制限なし

     共産党県議団は、繰り返し乳幼児医療費無料化の制度の改善と対象の拡大を求めてきました。県の乳幼児医療費無料の制度は、入院で就学前まで、通院で3歳までを対象に所得制限をつけて実施していましたが、県が対象の拡大と所得制限をなくしたことで、県より広い枠で実施していた市町村の支援になります。窓口無料の検討も求めていきます。

介護で泣かない長野県を 全国トップの宅幼老所

     昨年10月から介護保険制度に食費や居住費の自己負担増などが持ち込まれたことで県下250ヶ所に広がった宅幼老所の運営が困難にならないよう、介護への県の支援の充実を求め県は実態調査を約束しました。


■商工生活環境委員会

藤沢のり子

ヤミ金融対策 全国トップレベル

     ヤミ金、サラ金から県民生活を守る立場で県に取り組みを求めてきました。県行政の担当部門、警察、業者、弁護士、消費者が同じテーブルで相談できる対策会議があり、全国でも先進的な「ヤミ金110番」のとりくみがされるようになりました。

廃棄物条例 早期制定を求める

     「できる限り燃やさず、埋めない」ゴミ問題のよりよい解決をめざし、市町村と県の協議、協力も必要であるという立場で、県条例の早期制定めざして応援しています。残念ながら、現在、継続審議になっています。

若者の雇用支援求める 複数のジョブカフェ

     若者の2人に1人は非正規雇用という不正常な状態の中で、就労支援を求めてきました。一人ひとりの適正なども見極めながら就労の援助をする場として、国が県に1箇所という基準を上回って松本・長野にジョブカフェが設置されています。また、各地に出向いて相談活動をするキャリアコンサルタントも配置されています。


■農政林務委員会

びぜん光正

県産材利用促進を提案

     田中県政になって森林整備予算が増額されていますが、県産材の普及や加工、販売ルートの確立などが急がれています。
     日本共産党県議団は、先進地の視察などを行い、生産団体への支援、県産材を公共施設や学校の机、いすへの普及、個人が住宅に利用した場合の助成の充実などを提案し実現してきました。森林資源の有効利用、自然エネルギーとして注目されているペレットを消費するため、ペレットストーブの一般家庭への普及をすすめるためにも補助制度を提案しています。

「食と農業農村振興の県民条例」の提案実る

     県議会に設置された全会派参加の「長野県食と農業農村振興の県民条例」調査会で、共産党県議団として、家族農業を応援する「多様な担い手」の育成、価格保障制度の充実を提案。条例に盛り込まれました。


■土木住宅委員会

小林伸陽

公共事業の中身見直し 地元業者に優先発注できる生活密着型事業の促進に重点化すすむ
「脱ダム」―浅川の河川整備計画

     日本共産党は、「浅川の治水に必要なのは、危険な地すべり地へのダム建設ではなく、合流する千曲川に浅川の水が流れこめなくなる内水問題の解決。」と、住民の納得できる治水対策の前進のため、具体的な提案もしてきました。
     現在、県が国に認可を求める新しい河川整備計画に、懸案になっている「内水対策」を盛り込むことや、浅川上流部の地滑り対策など、総合的な検討が進んでいます。


■文教企業委員会

もうり栄子

30人規模学級の前進 県内すべての小学校で実現

     ひとりひとりの子供たちにゆきとどいた教育をと少人数学級の実現と前進を繰りかえし求めてきました。小学校全学年で30人規模学級が実現し、不登校率が全国平均よりも多い中学生のための「中一ギャップ」対策も今年度から取り組まれることになりました。

養護学校に 看護師の複数配置

     重度障害児の高等部訪問教育の「20歳未満」とされていた年齢制限の撤廃を求め続けてきましたが、05年度からなくなりました。
     また、「医療的ケア」を必要とする子供たちへの看護師配置も要望してきましたが、養護学校への常駐配置が実現し、必要な学校へは複数配置も実現しました。障害児学校の環境整備の充実のために、ひき続きがんばります。



06年度長野県議会常任委員会・特別委員会所属


石坂 ちほ
総務警察委員会
公共交通等調査特別委員会

高村 京子
商工生活環境委員会
小林 伸陽
農政林務委員会
議会運営委員会
もうり栄子
文教企業委員会副委員長
公共交通等調査特別委員会
藤沢のり子
土木住宅委員会
決算特別委員会
びぜん光正
社会衛生委員会副委員長
都市計画審議会

共産党が6人になって議会も変わりました 県民の願う意見書が採択に

     2月県議会では、日本共産党県議団が提案した「防衛施設庁における談合事件の究明を求める意見書」が、投票採決の結果、賛成が31票、自民党県議団などの反対25票で可決されました。さらに、過疎地の郵便局の存続などを求めた「郵便事業に関する意見書」、「米国産牛肉輸入禁止の安易な再開の中止を求める意見書」など、国政で焦点となっている問題について全会一致で採択されました。
     日本共産党県議団が6名の交渉会派になっていることが県議会を変える原動力になっています。
     さらに大きな県議団をめざし、がんばります。